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6月26日 コイントスで表が出たら、わたしは5年後、この世界にはいない
寝る前に時々、わたしに残された時間について考える。
ステージⅢ cの大腸がん患者が5年後に生きている確率は、50〜60%程度だという。低く見積もればおよそ2分の1の確率で、わたしは5年後、この世界にはいないことになる。
今が元気なだけに、なんだか他人事のように感じる。でも、癌を宣告されたあの日だって、倒れる30秒前までは呑気に昨日のピザの残りとか食べてたもんな。つまり「今が元気」はなんの当てにもならないということ。
わたしが多くのがん患者さんと異なるのは、パートナーや子どもなどの家族がいないということだと思う。わたしには幸せにしたい人、しなければならない人は、特にいない。自分の人生の責任さえとれたらいい。それはわたしの気楽さであり、生きるにあたっての弱さでもある。もちろん、親や友だちは大切だけど、「わたしが」幸せにするというのはなんだかちょっと違う気がする。誰かこの先も一緒に生きていきたい人がいたら、もしかすると、わたしももう少し苦しかったのかもしれない。
周りの人からの支えがあっての日々ではあるので、それにはとても感謝している。それとは別に、癌になって、手術や告知、さまざまな対処や決定を一人でクリアしていくことで、この先も一人で生きて、一人で死んでいく自覚をようやく持てたように思う。よっぽどの急展開がなければ、少なくとも40歳の誕生日は元気に迎えられるだろう。誕生日はどこかに一人旅でもできたらいいなと、なんとなく思った。
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