方言で広がる世界認識について

僕は、方言を話す。

「良いじゃん!だら?(そうでしょ?)食べりん(食べて)」

よく、田舎っぽいとバカにされることが多い方言であるが、方言を話すことによるメリットはあるんだろうか。

僕は「方言を話すと世界が広がる」という説を主張したい。

以前、友人とこんな会話をした。

僕「この○○、なかなか覚わらんなぁ…」
友「覚わらん??覚えられないって意味?」
僕「うーん、、、なにかが違う。。。!??)

この単語の違いを理解すのためにキーとなるのが、「能動性」である。

覚えるには2つの種類がある。

能動的な記憶と、受動的な記憶。

前者は英単語を覚えるときのように、必死に覚えようとする。

後者は好きな野球選手の背番号や最寄り駅の名前など、覚えようとしなくても自然と覚えてしまうもの。

覚えれんは前者、覚わらんは後者に使う。

整理するとこうなる。

覚わらん=(自然と覚えてしかるべきものが)覚えられない
覚えれん=(覚えようとしても)覚えられない

つまり、標準語では差分が認識されない記憶に関する能動性を、この方言では無意識で区分している。

方言を使うことにより概念認識の解像度が高まっているのだ。

似たような例が、英語にもある。

seeとlook、hearとlistenはどちらも、前者が無意識で知覚するもの、後者は意識的に知覚するものという違いがある。

つまり、方言を話す人は、バイリンガルなのだ。

方言は、世界を広げ、人生を豊かにする。

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