午後の紅茶

いつもよりひと足早く梅雨になった５月。今日も午後から雨。
とあるコワーキングオフィスを借りているのですが、用事があったので久しぶりに顔を出しました。

場所というものは、頻繁に顔を出すから居場所になっていく。
オンライン、ステイホーム、それに梅雨。

朝から行ってもいいのに、用事の時間に合わせて、傘をさしながら向かう。

見慣れたドアを開けると、
頭の中のイメージより、髪の毛が伸びた彼女がいた。

ドリンクコーナーで紅茶を作りながら、「最近どう」と近況を報告し合う。

テトラ型の茶葉を、マグカップに泳がせていると
記憶よりもバッサリ切り揃えた彼が現れた。

最近チャレンジしていることや、住んでいるところ、
あそこの駅のコロッケ屋さんの枝豆コロッケはおすすめ、とか。

彼女や彼が、そんな取り留めもないことを話すのを聞きながら、
ひらひらと揺れるシフォンのスカートとか、
ジェルでちょっと固めにセットされてる髪の毛を見ていた。

マグカップに泳がせていた茶葉をそぉっと引き上げたら、
紅茶の香りがして、早めの梅雨のしっとりとした空気を思わせた。

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わたしも前へ進む。