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カラスを見ると坦々麺が食べたくなる。

空を見ると、
くろ、くろ、くろ、くろの点。


やけにカラスが多くないかい?


カラスといえば、朝のゴミ出しを思い出す。


先週のゴミ出しは、キョーフであった。


数軒先のゴミを、カラスがつついている。
いま、まさにゴミ袋から何かを引っ張り出している。


一羽だけではない。


バッサバサと、
どこからともなく舞い降りてくる。


「へっへっへ」と言わんばかり。
あ、カラスは カーカー か。


自転車で高速で近づけばザッと逃げていくかなと
愛車にまたがろうとしたとき、当の家人がガララっと出てきた。


ステテコ姿のご主人が、
「なんでよりによってうちのゴミを」
という吹き出しが見えてきそうな顔で、ホウキで追い払っていた。


「おきのどくさまで、、」という思いでペコリとし、
またがりかけた自転車を一旦停めて、仕切り直す。


さきほどの光景が脳裏をよぎり、脳内が不穏な煙にさらされながら自転車をこぐ。

自転車はいい。

歩くより早く、走るよりラクだ。
だから、自転車乗ったってダイエットにならないって言われるんだよね。


風を感じてスイスイーーと
いつもの街並みを走っていると、無性に食べたくなってきた。


汁なし担々麺である。


カリカリの具が底に沈んでいるラー油をひとさじ、
クコの実やなにかの具が浮かんでいる発酵のお酢を何度かふりかけて、
好みの味にアレンジ。


〆めには、ごはんと卵をアツアツの石焼き鍋に投入して、
担々麺の具材をin。


うむ。
たまらない。


こういう脳みそが不穏な空気に包まれているときは、
無性に食べたくなる一杯で、
「やっぱ、これだよね」という安定感を手に入れたい。

もしかしたらだけど、
ひとは不安定さを感じると、こんなふうに安定感を求めるものなのかもしれない。

・・・
どこか落ち着かなくて、


先が見えなくて、


思ってたとおりには進まない、今、


いつもの一杯とか、


いつものあの場所とか、


いつものあの人とかに、


無性に、心が惹かれるのかもしれない。


それらを拠りどころとすることで、


わたしというものを、わたしたらしめるに違いない。


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