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源氏物語を読みたい80代母のために 51(源氏物語アカデミー2024レポ④)

 大河が毎回クライマックスすぎてなかなか此方が進まないわー。頑張りまーす。
対談 大河ドラマ「光る君へ」の色いろ
 諌山恵美氏(日本画家)・朧谷壽氏 <共催:NHK福井放送局>

 平安大河の年ということで、このようなスペシャル企画が実現して大変喜ばしい限り。朧谷先生によると、当初提案した企画は「『光る君へ』の裏話」だったそうで速攻却下されたと。そりゃそうやろ(笑)と思いつつも、ちょっと聞いてみたかったかも。
 諌山さんは今大河の衣裳・デザインの原画を描いていらっしゃるお方。

 サイトを見てみると、諌山さんの関わった映像作品のラインナップ、わー結構今までも私観てたわ!と感激。
 諌山さんが絵の世界に入ったきっかけは幼稚園時代。祖父の勧めで絵を習いに行ったそうだ。高二の時上村松園の絵に衝撃を受け、その息子さんに教えを請おうと決意、京都市立芸大を目指す。が入学時には既に退官されていた……ということだったらしい。
 朧谷先生、その学科を好きになるかどうかは先生の責任だから、良い先生に当たったんだね。ちなみに王朝文学やるなら京都だよ!と何気に宣伝。いやまあ本当にそうですよね。なんせ現場がそこだし、古い建物も、文物を収納した博物館美術館も公私あわせてふんだんにあるし。
 スクリーンに映し出される諌山さんの美麗な作品を愛でつつ、ふんわり愛らしい外見からは想像もつかないゴーカイな体験談を聞く。なんと贅沢な時間だこと。
 さらに諌山さん、
「イラストというのではなく、昔ながらの絵を描いて生きていくにはどうしたらいいか?」
 を考えた末、
「NHK大河ドラマのような絵ならいけるのではないか。よし、ああいう絵を描こう」
 となり東映太秦の撮影所に直に凸撃。時代劇の「大奥・鈴廊下」「若冲」「曼荼羅」「安土城天守」など多数携わる。製作期間は大抵短く、長くて四日程度。なお撮影後に絵は殆ど廃棄(個性的な絵などは他に流用が難しいためなおのこと捨てられる、らしい)。もったいなーい。
 九年前に独立、寺社仏閣に奉納する絵を描いたりもなさってる。
〇清水寺大日堂「唐子列図」
 陸前高田に流れ着いた木材を使用し、構成から一か月間かけて制作。文字は清水寺館長による。
〇豊岡市「漬物にされたくなくて逃げる大根」←カワイイ!
〇奈良 金峯山寺「蔵王権現像」
→世界遺産になって四年、道長が経筒を納めた場所(写経文は5月に国宝に)
〇宇治田原 襖二十一面
〇高台寺「若かりし頃のねね・秀吉肖像画」
 ……いくつかは見覚えがあった。おそらくニュースや何かで知らないうちに目にしていたと思われる。柔らかでしなやかな線と色が、えもいわれぬ色気を放ってる。何だろうなこの吸引力は。
 話題は「大河」に移る。朧谷先生情報では、
「紫式部の死までやる」
 とのこと。最後のご当地紹介は小野篁の墓もあるという「引接いんじょう寺の石塔(紫式部供養塔)」。紫野あたりで亡くなったと言われている、らしい。とりま大宰府じゃなくてよかった(←46の予告編見たばっかりなもんで)。越前市にも同じ名のお寺があるけどそちらは天台宗、あちらは真言宗なのね。
 朧谷先生の、
「ここで学んだことと大河と、矛盾点ない?」
というややデンジャラスな質問(笑)にも真摯に答えてくださる諌山さん。
〇(源氏物語アカデミーは)一般人に大学並の授業を提供くださっている。当時の人が何を考えていたか、その感覚にチューニングして教えていただけるのは有難い。
〇(大河に関して)現場では昔の人へのリスペクトが高い。調度・大工仕事・衣裳などすべてにおいて。中島監督や内田PDも勿論。
〇画面に応じたカラーリングを行っている。平安時代の色は春夏秋冬でシビアな違いがあるが、そのままテレビ画面で表現するのはとても無理。そういうわけで季節感は度外視し、登場人物を見分けられるような色決めをしている。
 朧谷先生、ここでもファーストサマーウイカさんを反応がよく賢いとベタ褒め。いっぽう安倍晴明に対しては厳しめ(役柄ね)。表に出すぎとな。……それはそうかも(笑)。
 その他、彰子の背後にある屏風も諌山さんの絵だとか、十月半ばに行った国司下向の旅の話だとか、興味深いお話は次から次へと、汲めども尽きぬ泉の如く。一時間なんて全然足りない、永遠に聞いていられるわーと思いつつ名残惜しくも終了となったのでした。

 さて、本日の締めはコレ。
「宴席 紫きぶ御膳」
 今年は武生駅から歩いてすぐの越前市市役所。衆議院選挙の日とあって、夕方暗くなってからも人の出入りがひきもきらない。投票する皆さまも職員の皆さまもお疲れ様です。母と私は当然!とっくに期日前投票を済ましておりました。えらい(ドヤ)。

今年のメニュー。いつもながらこの字体が更なる美味しい効果を出してる

 二回目の今年は「紅葉賀」のお席(灯篭の画像撮るの忘れた←)。重陽の節句ですもんね、とは去年もお会いしたアカデミー初回から継続参加の猛者・Bさん。あれ、Aさんのお姿が見えないぞ……?

右下のお酒、浮かべられた菊の花びらが雅!

 ステージ上のスクリーンには、今年10/18~20に行われた「紫式部下向の旅」の模様が映し出される。

この赤米の御粥がまた美味しくてですね

 旧交を温めるやらゴーカ御膳に舌鼓を打つやら濁り酒をカパカパ飲むやらしていたら、ステージから何やら美麗なる音色が……(画像がない←)。なんだこの雅な空間。なのになのにお名前を失念してしまった。お料理とお酒が美味しすぎるのがどうもいけない。いや去年よりはだいぶセーブしたんだけどなあ。というわけで今慌ててググりまくっているわけですが、そこで見つけてしまった!講義の垂れ幕とこの御膳のメニュー、なんとも味わい深い字体の正体を! 

 越前市役所からほど近い、金剛院という曹洞宗のお寺の住職さん。毎年書いていらっしゃるようです。このサイト、画像もふんだんにあってとても見ごたえがあり素敵なので、是非ぜひご覧くださいまし。今度お寺にも行ってみようそうしよう。
 などと騒ぐうちに此方も発見んんん!!!(ホッ)
 二胡奏者・小林寛明さん。福井県在住、youtubeでの生演奏やレッスンなど活動しておられる。 

 源氏物語アカデミーということで、古代紫?な趣のスーツ。演奏も大変素晴らしかったです!(ちゃんと聴いてましたからね、ええ)

ザクロがカワイイ

 てな感じで今年も楽しく過ごした宴席でしたが、まさか帰り際にまたもや盛大な
 !!!身バレキタアアアアーーー!!!
が待っているとは思いもよりませんでした。いや確かに「源氏物語アカデミー」で検索すると私のnote記事ぼんぼん出てきますけどね……別に隠してるわけでもないですし、当たり前っちゃそうなんですけど。去年と同じく、一切逡巡ないターゲットオン&超ストレートなお声がけで、ほろ酔いが一瞬で吹き飛びました(笑)まあ80代母とその娘、な組み合わせってありそうでないのかもしれない。こんな駄文を読んでいただき誠にありがとうございます。今年も超テキトーなレポで本当にすみませんすみません。思い出語りの一つとして、僅かなりともお楽しみいただければ幸いです。
 そんなこんなで母娘二人、ホテル帰ってまたみかんその他をたらふく食らい別腹も膨らしてから眠りについたのでした(実は昼間にアル・プラザで買い足した)。ええーもう明日で終わりなの?早くない?
<つづく>

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かわこ
「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。

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