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未利用資源「カスカラ」をつかったお茶

今日は、今月末に発売予定の未利用資源を使ったお茶の中で、ブレンドNo.15として登場する「カスカラ」にスポットを当てて綴ってみたいと思います。
よかったらお付き合いください。

”カスカラ”の現状

私たちが日常的に口にするコーヒーは、コーヒーの木になる「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤い実の種子(生豆)を焙煎したものです。
このコーヒーチェリーが熟すと、その中にある硬い生豆を取り出す加工が行われ、種子以外の残った果肉や皮の部分(=カスカラ)はほとんど使い道がなく廃棄されています。

生産国の自然破壊問題コーヒーチェリーの果皮は山積みのゴミとなり、腐敗した果汁が川に流れ水源汚染を引き起こしています。また、伐採後の廃材は乾季に山火事が燃え広がる要因となっています。

GOOD COFFEE FARMS出典

廃棄されるコーヒーチェリーの果皮を乾燥させたものが”カスカラ”。
再利用し、食品として活用しようという動きが各国で広がっていますが、コーヒー収穫量の約40%を占めるカスカラは、一部が肥料として利用されるものの、その多くが生産国で廃棄されているのが現状です。

 コーヒーチェリー    

”カスカラ”との出会い

あれは2007年のこと。
私は、グアテマラの小さな町、San Pedro La Laguna に滞在していました。湖のあるその町はとても居心地が良くて、数週間滞在することに。

ある日、町を歩いていると、至るところに山積みになった茶色や黒っぽいものが目に入りました。
その物体からは強烈な臭いが漂い、鼻をつまんで通り過ぎるほど。
思わず、地元の人に「これは何?」と尋ねると、「コーヒーの実だよ」と笑いながら教えてくれました。

当時の私は、それ以上深く考えませんでしたが、その匂いと光景はずっと記憶に残っていました。
そして今、あれが廃棄された”カスカラ”だったことに気がつき、さらにそれが環境汚染の一因にもなっていることを知りました。
なんと私は、17年も前にこの問題の一端を目にしていたのでした。

時は2023年。
あるマルシェを通じ「4’33”.」という直焙煎コーヒーショップを営みながら、アップサイクル商品を展開するライフスタイルブランド「珈舞堂」を手掛ける青年と出会いました。

コーヒをこよなく愛する彼から、業界を取り巻く現状や、”カスカラ”の話を聞きくうちに、ふとあの旅の途中で見た、山積みの茶色い物体、耐え難い匂いとともに、グアテマラの小さな町で目にした光景が蘇りました。

コーヒーチェリーの果肉や皮”カスカラ”

”カスカラ”の第一印象

カカオハスクの前例があったため、少し恐る恐る飲んでみました。
一口飲んでみると……お、おいしい!
まるでローズヒップのような、程よい酸味と、トマトに似た後味が広がります。
それに加えて、低カフェインで、抗酸化作用が高いとされるポリフェノールが豊富だなんて!
これはいいじゃないのーーー!と、思わず胸が躍りました。

こんなお茶に仕上がりました!

カスカラのブレンド

ブレンドNo.15となるこのお茶は、コーヒーチェリーの果皮”カスカラ”の持つ甘酸っぱい酸味をベースに、フルーティーな香りが魅力のエルダーフラワーと、爽やかなミントが絶妙なアクセントになっています。
口に含むたびに広がる清涼感と、ほのかな甘さが特徴の一杯に仕上がりました。
朝の目覚めをサポートする一杯としてはもちろん、リフレッシュしたいときや、気分転換をしたい午後にもぴったりです。
温かいお茶として飲むのはもちろん、水出しハーブティーやハーブを煮出して甘味を加えハーブシロップとして楽しむのもおすすめです。

私たちが”カスカラ”をおいしく楽しむことが、産地の抱える廃棄問題の解決につながる一歩になることを心から願っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。
それではみなさま、よい1日をお過ごしください!

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@kawakamichabaten




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