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未利用資源「白樺の葉」をつかったお茶

今日は、今月末に発売予定の未利用資源を使ったお茶の中で、ブレンドNo.14として登場する「白樺」にスポットを当てて、綴ってみたいと思います。
よかったらお付き合いください。

”白樺林”の現状

長野県立科町には、「信州白樺高原」という国内でも有数の白樺林を有する観光地があります。
この地では、長い歳月をかけて大規模な白樺の植林が行われ、地域の人々が森を守り育ててきた歴史があります。
しかし、寿命が50〜60年と短い白樺を放置すると、いずれこの森も失われてしまうという危機に直面しています。

木と木の間隔が狭ければ間伐(間引き)をする。林業ではごく一般的なことですが、白樺においてはこの"間伐"や"手入れ"という概念があまりありません。
なぜなら、マツやスギ等の一般の樹木と比較して白樺はとても柔らかく、耐朽性や保存性が低いために木材としての価値がとても低いと言われてきたためです。
その性質上、台風や災害時などには真っ先に倒れやすいのですが、それでも白樺はそのまま放置、仮に間伐をしても切り捨て間伐(伐採後に搬出せずに放置すること)で済ませるという"常識"が林業にはあります。

信州白樺クラフト製作所出典

貴重な観光資源である白樺林を守り、美しい景観を保ち続けるためには、数年にわたる間伐など計画的な整備と持続的な保護が欠かせません。それに加えて、林業の常識を見直し、変えていくことも必要不可欠なのです。

白樺林の風景

”白樺茶”との出会い

信州白樺高原で白樺林を守り、「美しい白樺高原の景色を100年先の子どもたちにも引き継ぎたい」という想いで活動されている「信州白樺クラフト製作所」代表の渡部ゆかりさんと出会ったことで、私は白樺の現状とその魅力を知りました。
彼女たちは、白樺林の間伐など基本的な管理を行いながら、木材や葉、枝、樹皮を活用して暮らしの道具を作り、環境にも人にも優しい循環サイクルを生み出す活動をされています。

そこで知ったのは、白樺の木は一本まるごとすべてが活用できるということ!
樹液は体を整えるジュースや化粧水に、樹皮はカゴなどの暮らしの道具に、葉はお茶やサウナで使うヴィヒタとして、また丸太はインテリア材としても利用されているそうです。

そんな彼女たちの活動に心から敬意と共感を抱き、信州白樺クラフト製作所が製造する白樺のお茶を使ったブレンドを作ってみたいと考え、ゆかりさんにご相談をさせていただいたのが始まりです。

焙煎された”白樺の葉”

白樺茶の第一印象

台湾茶のように風味と後味がとても印象的!
特に水出しで飲んだ時には、バニラのような豊かな香りが感動的で、どんどんブレンドのイメージが広がりました。

「こんなブレンドにしたい!」と味のイメージが湧き上がり、その感覚を忘れないうちに、何度もブレンド作業を重ねました。
きっと天才作曲家は、こんな感覚で次々と音を紡ぎながら曲を作っているのかな…なんて想像するほど、カカオハスクの製作時とは対極に、明確なイメージがあったことを覚えています。

こんなお茶に仕上がりました!

白樺の葉のブレンド

ブレンドNo.14となるこのお茶は、白樺の葉の魅力を最大限に引き出す名脇役となるハーブとスパイスをたっぷり加え、個性豊かな森の味わいを存分に楽しんでいただきたいという思いで作りました。

白樺は、他の木が育たないような強烈な日差し、乾燥、低栄養、寒冷といった過酷な環境にも耐える、たくましい樹木です。
その生命力や美しさを感じていただくとともに、信州白樺クラフト製作所の皆様や、白樺に関わる人々の物語が、このお茶を通じてよりたくさんの人に届くことを願っています。


最後までお読み頂きありがとうございました。
それではみなさま、よい1日をお過ごしください!

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