充実の映画鑑賞月(2月の映画事情)
2024年のちいさな目標、それは映画を観ること。
2月も安定して週イチペースで映画を観ることができたので、InstagramやThreads、noteなどに散らばった感想を忘備録もかねて、まとめておこうと思います(といってももう5月なので記憶が危うい…)。
『哀れなるものたち』
2月に入ってすぐ観に行った映画がこちら。
話題作だからか近くのシネコンでも上映してた(普段はファミリー層向けが中心)。朝イチの回を観たんだけど、朝からいったい私は何をみせられてるんだ(限りなくいい意味で)的な余韻たっぷり、かつガツンと衝撃をお見舞いされた作品でした。
2時間超、主人公ベラの冒険を垣間見る濃密な時間。「エマ・ストーン、すげえな…」としか出てこなかった、自分のことばの瞬発力のなさよ…(とほほ)。
衣装・メイク・セット、撮り方、見せ方ふくめて独特で、でもどこか不穏な世界観。空の色がめっちゃ美しくて、でも不安をかきたてる色彩だったのが印象的。映画全編を通して、妖しくて、不気味で、そして残酷で無邪気で、皮肉もあってユーモアもあって、醜くも美しい。ラストはめっちゃブラックやん、って私は思ったけどどうなんすかね。どう思います?
ヨルゴス・ランティモス監督の作品は『女王陛下のお気に入り』をはじめ、気になるものばかりなので、ぜひ観てみたいなー!と思っている(映画赤ちゃんなもので有名どころもまず観てない)。また観たい映画増えた。でも、なっかなか家では観られないんだよなー。
結構余韻が深くて、いてもたってもいられず原作小説にも手を出してみたけど、最初の設定がちょいムズで積んでしまった。近いうち再トライしてみようかな。
『瞳を閉じて』
そしてつぎの週は映画館で予告をみて気になっていた作品を。
ビクトル・エリセ監督の作品ももちろん観たことないけど(いばっていうことではない)、「これ絶対好きなヤツ」という直感に従って。
冒頭の映像から、ハイ好き、もう好き決定。
自分の直感に自信を持ったよねw。
なんていうかスクリーンに映し出された映像というか切り取り方…、つまりは撮り方がなんとも情緒的でとても美しいと感じた。
『哀れなるものたち』を観て、ちと思うことがあって、それは、心(この場合は脳に特化)、体、魂、についての関係(これはInstagramのレビューで少し触れている)について。だからこの作品の中の「大事なのは魂だ」っていう台詞に少なからず、はっとさせられた。
もっとも『瞳を閉じて』において、それは記憶、肉体(記憶や名前を含む物理的な「存在」としての)、魂(アイデンティティ)の関係に置き換わるのだけれども。
ラストは「ああ、そこで終わるんか…!」みたいなよい驚きがあって、とても瞳が印象的でした。タイトルの意味…。よき…。
観終わった後、『ミツバチのささやき』はぜひ観なくては…!と心にかたく誓う。しかし観たい映画がネズミ講的に増えていくねw、やばいねww。
『カラフルな魔女』
上映館を発見し、滑り込みで観に行ったのが2月の3本目。
あんまりなじみのないドキュメンタリー映画。だけど児童文学の代表的作家さんでジブリで映画化された『魔女の宅急便』の角野栄子さん、とあれば観ないわけにはいかないでしょう(鼻息荒い)!!
観客の方は女性が多く、おそらく角野さんや角野さんの作品(もしくはその両方)に思い入れがある方がほとんどなのでは…?とお見受けする感じの面々(何となく出で立ちや格好でわかる時あるよね)。
始まってからはもう角野栄子さんにやられっぱなし。なんてキュートで可愛らしくて潔い方なの!?
そしてやっぱり飛び出す名言の数々。その言葉のはしばしに、きっと受け取るものがあるのでしょう、号泣されている方もおられた模様。そういう私もぐっときて泣いてしまう言葉や場面があった。
ますます角野さん大好きになったし、「魔法の文学館」もぜひとも訪れてみたい場所になったのでした。
「魔女の宅急便」は映画化される前に読んだわたし。2作目以降は未読なのだけれど、今読んだらどう感じるのかしら、と今回は積読をさらに増やす羽目になりそうな予感しかない。
『コット、はじまりの夏』
2月ラストは、これもやっぱ観たーい!!とむりやり予定にねじ込んだ作品。滑り込みセーフ!!のはずがその後延長されていた…(まあええけど)。これもね、よかったのですよ…、とても。
大家族の家でも学校でも孤立している寡黙な少女、コットのひと夏の物語。
冒頭、コットの視点から見たような空がとてもきれいだけど寂しい。
コットは夏の間だけ親戚に預けられることになるのだけれど、預けられた親戚夫妻とコットが少しずつ心を通わせていく様子が丁寧に描かれる。
(お互い)寡黙ながらもだんだんと寄り添っていく姿に、観ている側としてはずっとこの時間が続けばよいのにと祈るように思うけれど、やっぱり日常に戻る時が来てしまう。コットの現実は夏前とは変わらないのだけれど、ラストのシーンは光が美しくて、希望を感じさせるものだった。
たとえそんなかすかな希望でも、コットにとってはきっと「はじまりの」夏になるんだろうな…、いや、なってほしい!!絶対に!!と思いながら、コットの行動に号泣でした…。
2月に観た映画はどれも心に残るいい映画だったのが印象的でした。映画以外にも藤田嗣治の展覧会にも行けたし、週末は「かわい書房」としてPOPUP出店の予定もあったし、結果的に本に映画に美術鑑賞(ていうほど高尚なものではないが)と、楽しい1カ月になったと思う。
『哀れなるものたち』にはフェミニズム的な視点を感じたし、ThreadsやInstagramの映画のレビューなんかもちらちら読んだりするようになりました。さて、3月につづく(記憶のあるうちに…!)
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