今週何読んだ?(第6週)
早いもので、もう10月もあと僅かですね。いかがお過ごしでしょうか。
私はといえば「やっべ、もう2024年終盤やん!」と、やや焦りだしています。
朝晩は寒いけれど日中は暑かったりするので、まだ薄着のまま、どんな格好するのが最適解なのかわかりません…。そのうち急に寒くなっちゃったりするの?まだしばらくこんな感じで良いよ…(寒いのキライ)。
そんな季節迷子の状態(主に着る服)にてバタついていた今週です。
そんな今週は、何を読んだんでしょーか?
『団地のふたり』
以前も登場したこちら。その後もちびちび読みながら脳内でノエチと奈津子の団地暮らしのお裾分けをもらってたのですが、ようやく読み終えました。なんか自分も団地で一緒に暮らしてるみたいな気分で楽しかった。今もわたしが知らないだけで、どこかの団地にノエチと奈津子がいて、日々を過ごしてるはず、そう思うとホッとする。
結局ドラマは観てないけれど、キョンキョンと小林聡美さんでばっちり脳内再生されています。そういや続編も出ましたね!
『華氏451度』
お次はずっと読もうと思いながら読めてなかったこちらの作品。
タイトルの華氏451度とは摂氏233度のこと(らしい)。
これは紙が自然発火する温度なのだそう。
タイトルが印象的なことと、本を題材にしているということで興味がわき、苦手な海外SFモノ(カテゴライズ的には)に久しぶりに手を伸ばしてみることにしました。あと、ちょっと没頭するような読書がしたかったのもある、かも。
「本を読むのが禁止された世界」で、主人公のモンターグは「昇火士(ファイヤマン)」という、本を燃やす仕事についている。ある晩、風変わりな少女と出会ったことをきっかけに、彼は本を禁止すること、ひいてはこの世界についての疑問を抱くようになるが…。
最初は入り込むのに時間を要して、なかなか頁をめくる手が進まなかった。が、導入の1部から2部にはいり、新たな人物に出会って事態が急変。そこからがかなりの展開でディストピアっていくので、どうなっちゃうのっ??と食い気味で読み、無事読了しましたとさ。
印象的だったのは、モンターグが「本とは何か」と問うた時に教授が返したこの言葉。
頭の中にずーっと表紙の黒(暗闇)と赤(火炎)がチラチラしていて、
暗闇でひとり走って(逃げて)いるような気分になった。
こういうディストピア小説って今にも通ずるのが凄いなと思う。
取り巻く環境が急速に変化していても、人間の本質は変わらないってのを見せつけられるね…!
本云々というよりも「考える」ことの重要さについて語られていたところがとくに印象的でした。
そういや、ミルドレッドがうちの母みたいで超こわかった、のは余談。
ずっと積んであるジョージ・オーウェルの『一九八四年』も早く読もうと思う(ディストピアつながり)。
『あなたの燃える左手で』
『植物少女』が想像以上によかったので、芥川賞受賞の『サンショウウオの四十九日』にトライして途中で挫折中(また読むけど)。
サンショウウオはしばらく寝かせておいて、先にこちらを手に取ってみました。こちらでも同じく中盤で挫折しそうになったんですが、「ええ、どうしよう…。」と思いながらも何とか終盤まで読みすすめ、やっぱ読んでよかった、に反転。植物少女のときもそうだった。最後の巻き返しスゴイ(個人的な所感)。
誤診で左手を切断した主人公のアサト。その後病室で目が覚めると、自分のものでない手を移植されていた。アサトはなかなか元他人の手である左手を受け入れることができないが、本人の意思とは裏腹に経過は順調に進む…。
手の接合と領土の問題を絡めてくるあたりの感覚がほんと素晴らしいなと。私はいわゆる島国の日本で生まれ育った人間だし、「島」に愛着もある。だから「領土」という感覚がアサトの暮らすヨーロッパの人たちとは、おそらくかなり異なるんだろう。今まで考えてもみなかったそれを、アサトを通じて気づかされていった。日本人的な感覚と、常に領土の奪い合いをしている大陸の人々の感覚の違い。どちらが良くてどちらが悪いというものではないけれど、決定的に「違う」ということを手の接合を通して、見せつけられた。アサトが左手を受け入れていくくだりがとても腑に落ちた。それは日本人的な感覚のように私には思えた。
朝比奈さんは、サンショウウオ以外にも『私の盲端』も積んでるので、近々また読みたい。
『チャリング・クロス街84番地』
ちょっとだけ読むつもりが、一気によみおわってしまったコチラ。
むっちゃ良かったー!!むっちゃ好き。
本の購入のため書いた手紙からはじまった、アメリカに住む脚本家の女性とロンドンの古書店勤務の男性との20年にもわたる手紙の交流。
書簡集か…実はあんま得意じゃないんだよな…なんて思いながら軽い気持ちで開いてみたのだけれど、これが想像を裏切る魅力あふれたやりとりで、おもっきり堪能させていただきました…!好き…!
脚本家で率直な物言いのヘレーンと、ベテランの古書店員でジェントルマンなフランク。このふたり(とマークス社の社員やフランクの家族)のやりとりに信頼と親愛の生まれていくさまがほんとに楽しくて!
笑ったり頷いたり、時には呆れたりしながら、あっという間に20年駆け抜けてしまいました。
中公文庫の増補版を読んだので、巻末にヘレーン・ハンフによる後日譚や、「Title」店主の辻山さんによるエッセイも読めて、お腹いっぱいで嬉しい。
本に対する愛情もひしっと抱き締めましたっ…!
そんなわけで、ちびちび満喫した『団地のふたり』以外の2作品は、読了後の余韻や喪失感的な感情を味わいました。
やっぱ没頭読書はいいね、身体の内側ごとどっかに持ってかれる感じが。
最後に読んだ『チャリング・クロス街84番地』が想像以上に素敵で、ほんっとこれだから読書やめられないんだよなっ!って今もにやにやしています。
あ、上記以外にも漫画の読み返しもしましたが、ところどころ読みなので、今回はカウントせず。今読み始めてるこちらも大層好みな1冊は来週に…!
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