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続・「料理が好き」からレシピ開発をするために必要なこと

ご無沙汰しております。
河合真由子です。
大学院は春休み、ですがここ最近仕事が繁忙期です。
さて、弊社の主たる業務でもあるレシピ開発。
年間おおよそ、300品以上は開発をしています。(アイデアベースでいえばその倍以上です。)
レシピ開発の仕事は、キッチンと食材さえ揃えば場所を選ばない仕事です。
あとはご自身の味覚(その他嗅覚なども大事ですが)がしっかりしていれば
仕事としては成立します。
ですので、お子さんが生まれても、旦那さんが突然転勤になったとしても
続けられる仕事ですので、女性にこそおすすめしたい仕事だとおもいます。

でも、残念ながら料理が好き、料理が得意だけでは
成り立たないのも事実です。
ではどうやったら仕事にできるのでしょうか?
以前、同様のコラムをこちらに書きました。
ただその時から、また年月を経て、私自身の中で
レシピ開発における絶対的な強みがあり、それがあるからこそ
仕事を10年以上継続できていることを、最近特に実感しています。

そこで、今回は更に進化して、具体的にどういう要素が必要なのかを
より具体的に解説したいとおもいます。


まずは、仕事として引き受けるための耐性が必要

どんな仕事でも言えることですが、個人にせよ、会社にせよ、まずはお客様から仕事を受けられるだけの耐性は最低限必要です。

耐性とは具体的に何を指すかといえば、一言で言えば忍耐力です。

好きなこと、やりたいことをやることだけが仕事ではありません。
タイトな納期であったり、
普段食べ慣れない食材をテーマとして提示されることもあります。
また、シーズンオフの食材のレシピ開発を依頼されることもあります。

そういった場合、あなたなら対応できますか?
またどう対応するのが適切なのでしょうか?

実務的に成り立たない納期であれば、相手を説得させるだけのエビデンスが必要となります。
また食べ慣れない食材であれば、その食材をまずは自腹で買って食べてみて仕事として成り立つかどうかを慎重に吟味しなくてはなりません。
はたまたシーズンオフの食材であれば、それが手に入る方法を探すか、代替案を提案するか、それとも仕事自体をきちんと理由をつけてお断りするかを
選択する必要もあります。

いずれにせよ、目の前に置かれた課題に対して真摯に向き合い、そして自身も含めた関わる人間全員の最適解のために粘り強く交渉、調整することが必要です。

すなわち、大切なのは、仕事として引き受ける上で、きちんとビジネスとして成り立たせるための対応力を持っているか否かです。

個人が輝く時代であるからこそ、自分自身も社会もなめらかにハッピーになるために、そのあたりは心得ておく必要があります。

相手にあわせた柔軟な発想力

レシピ開発の仕事は、自分の好きなレシピを考えることではありません。
むしろ、相手の立場にたって、レシピを考える仕事といえます。

相手というのは、依頼される仕事の内容によって異なります。
一般の方を対象としたレシピであれば、その一般の生活者の方となります。
また、企業の自社製品をつかったレシピ開発であれば、エンドユーザーである一般の生活者の方のことを考えつつも、その商品があることで成り立つレシピ、すなわちその商品の強みをユーザー目線で考慮する必要があります。

例えば、ラップをつかったレシピであれば、
ラップがあることで料理がらくになる、便利になるレシピがいいですよね。

もっといえば、洗い物が少ないとか、計量の手間が省けるとかそんなレシピがあったらいいかなとおもいます。(だいぶ、ヒント与えすぎですね)

さらにもう1つ例えるなら
商品1個の容量が100gなら100g全部使い切れるレシピ
だとありがたいケースもあります。

自分ごとに置き換えれば、10gしかつかわないレシピのためにわざわざ100gもある容量のその商品を買うかな?と、生活者目線で考えると、想像できそうですね。

そんな発想力がレシピ開発の仕事には必要です。
仕事にするって、そんな甘いものではないということがなんとなく、おわかりいただけたでしょうか?

10年継続できるレシピ開発をするために

さて、かなり厚かましいタイトルですが、実際この仕事を10年継続できている身としては、10年継続するために何が必要かと考えた際に、一つだけいえるなら、自分自身が良き生活者でいることだと考えます。

私の場合は、日々の生活の中から、レシピのアイデアはうまれてきます。
よいレシピを考えるために、家に閉じこもっていないで、いろんなお店に食べに行ったり、雑誌などをみてみたり、テレビや映画などをみたりと、外の世界の刺激から思いつくこともまれに、あります。

ただ、流行り物や、ぱっと見て刺激的なものは、飽きるのも早いというのが正直なところです。

ですので、一番大切なのは、自分自身が日々の生活を楽しむことだとおもいます。
私は、こんな生活のシーンにこんなものがあったらいいな!を発想し、形にしつづけていたら、あっという間に10年経ちました。

ですので、1年365日を無駄にせず、地に足をつけて毎日を思いっきり楽しむことが良きレシピ開発者になるコツだといえます。

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河合真由子|食マーケティングコンサルタント&社会人院生
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