演じない技術
演劇には嘘がある。
演劇自体が嘘で、脚本が嘘で、その場所に立てられたセットも現実にありそうな嘘だ。
ただ、その空間にいる人間が立っていることに嘘はなくて、またその人が持つその瞬間的な感情にもきっと嘘はない。
それがたとえ嘘であっても、嘘であることに嘘をつけない。
加えて人は演じると、また嘘を積み重ねてしまう。
何処までが嘘で、何処までが本当なのか、
そんな曖昧な境界線に立つ片割れ時に没入があるのかもしれない。
タイトルにある通り「演じる技術」ではなく、何故「演じない技術」と書いたか?
今回、この嘘と我々がどう向き合うかという問いの一つの視点、見解を私なり綴ってみた。
うちの作品や演劇に興味がある人には勿論、マーチに携わる人にも是非読んでもらいたい。
以下はパフォーマンスにも密に関わる話である。
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