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【KAWAII探訪】vol.9 愛媛県・伊予和紙。伝統と用の美を備えた紙づくりの街を訪ねて

こんにちは。KAWAII COMPANY[カワイイカンパニー]企画担当のゆめこです。

今回はゆめこが出会った、薄くて丈夫で美しい、なめらかな和紙のお話と、KAWAII COMPANY 愛媛で1938年に創業のすてきな気持ちをやさしく添える伊予和紙の懐紙ミニレターセット」が生まれるまでについて綴ります。

日本一の紙のまち、書道パフォーマンスの聖地、四国中央市

KAWAIICOMPANYは、アーティスト・増田セバスチャンとフェリシモの出会いから生まれた、KAWAIIでみんなをHAPPYにするプロジェクトです。
「シンプルな暮らしも良いけれど、やっぱりKAWAIIものが好き!」な大人たちの生活にKAWAIIを忍び込ませる活動をしています。

そのプロジェクトの中にある企画シリーズ「KAWAII探訪」では、日本の産業に潜む技術力あふれるアイテムを、ものづくりに取り組む方たちの熱い想いと一緒にカワイク紹介しています。

KAWAII探訪について

身近すぎる存在「紙」。和紙と洋紙の違いって?

和紙はざらざらしているイメージ……

KAWAII COMPANYにはプレゼントやギフトにぴったりなアイテムがたくさんあります。そう、贈り物にはメッセージが必須。

それならばKAWAII COMPANYらしいメッセージカードやレターセットが欲しい……!

そこで紙について調べてみると、紙にもいろいろな種類が。なんとなく知っているのは「和紙のほうがざらざらしていて丈夫」とか「洋紙は水分や油を吸わないけど和紙は吸う」みたいなこと。ひょっとしたら日本で作ったら和紙で外国で作ったら洋紙??

「改めて考えると和紙と洋紙の違いって何なんだろう?」そんなことが急に気になって、ゆめこは紙関連製品の出荷数、19年連続日本一(!)の愛媛県・四国中央市に向かいました。

日本一の紙のまち!

到着

四国中央市には、とてもたくさんの紙関連企業が集まっています。ティッシュからトイレットペーパー、おむつに半紙にノートやふせん、猫のトイレの砂まで…!と、生活にかかわる紙製品はすべてがここにある!と言っても過言ではないほどの紙製品を製造・出荷しています。

街中にはロボットみたいなカッコいい機械もありました。
大きな船で運ばれてきた原料がドーンと置かれている場所や、果てが見えない程に大きな工場も。あちこちの煙突からもくもくと水蒸気が出ていました。

世界初!伊予和紙で作られた天ぷら紙!

本社工場!

そんな紙業の猛者(?)たちがひしめく街の中、ゆめこたちがお伺いしたのは機械すき和紙のパイオニア、金柳製紙きんりゅうせいし株式会社

愛媛県川之江市(現四国中央市)で1938年(昭和13年)に創業し伊予和紙いよわしを作る中で、今では日本の食事シーンで当たり前となった、

天ぷらの下に敷く食品用和紙の「天ぷら紙」を世界で初めて開発した会社です。

日々の暮らしで当たり前すぎてあまり意識していないかもしれませんが、天ぷらの下に敷かれている紙も和紙、牛乳パックも祝儀袋もお札も和紙なのだそう。これは日本由来のアイテムだからというだけではなく、理由があって和紙が使われています。

筆に適した紙、ペンに適した紙、折っても包んでも丈夫な紙

機械すき和紙はつるつる&ざらざらで丈夫。洋紙と和紙のいいとこどり!

筆で文字を書く文化では、墨を含んだ筆が紙をすべる際にしっかりと水気を吸って丈夫な紙が求められました。
ペン文化では、ペン先がひっかからないよう短い繊維を溶かして、すいた紙をローラーで両面からプレスすることで、薄くて表面のつるっとした紙が求められたそう。

水引も和紙!

和紙はしっかりした長い繊維が絡まりあうことでやぶれにくく、折れに強い性質が生まれます。封筒や祝儀袋、牛乳パックの口など、何度も折り曲げて使うような場合にも、和紙はぴったりなのです。

現代の機械すき和紙では針葉樹と広葉樹の長繊維・短繊維を組み合わせているので、

⚫︎折り曲げに強く、水や油をよく吸う和紙の特徴と、
⚫︎薄くてなめらか、文字が書きやすい洋紙の特徴を併せ持っています

生活の中で使いやすく進化しつづける紙‥!

洋紙と和紙の合わせ技とはいったい…!?と思いつつ工場を見学させていただくと、そこは職人さんたちの手と目、そして心配りがあちこちに行き届いた世界でした……!

あれもこれも手作業!機械すき和紙のできるまで

「機械すき」というと材料を機械に入れたら勝手に仕上がるように思うかもしれませんが、原料をパルプ液にするところから、機械がそれをすくってすいて、なめらかに乾燥させ、紙の中に大きな原料の破片がないかのチェックして…と、常に人の手と目があることで美しい紙に仕上げることができます。

原料のパルプ紙を独自にブレンド、パルプ液を作ります。水を含んだ原料パルプはとても重い!
パルプ液から水分を切りながら、一枚の紙になる旅のはじまり。
大きな布にすきあげられて、一枚の長い紙になってゆきます。すきあげた紙に色紙を散らしたり、紙に濃淡の模様をつけるのはここで人の手で行われます。裁断したときにバランスよく美しく見えるように柄を入れるのは、とても気を遣う難しい作業だそう。
熱した熱いドラムに貼り付けながら乾燥させてゆきます。
大きなロールになっていったん完成。ここから機械に通して紙に傷や大きなパルプ片がないかなどを検品、さらに湿度を調整する部屋で調湿します。
裁断された後もさらに人の目で検品。ここで合格したものがやっと出荷されます。ものすごく手間をかけて作られている…!
金柳製紙さんとパシャリ。

カワイイカンパニーらしいミニレターセットを作ろう!

和紙といえば、天ぷら紙に続いて日常でよく見かけるのは、お茶菓子の下に敷かれている懐紙かいし

実は懐紙は、平安の頃から雅な方たちが懐に忍ばせてふみをしたためたり、ティッシュやハンカチ代わりにも使われてきた……とされるスーパーマルチアイテム。それを実現できたのは和紙のもつ折り曲げや、やぶれに強い丈夫な特徴があってこそです。

折ったりねじったり。

ちょっとしたプレゼントやギフトに添えるメッセージカードやレターセットを作ろう!と始まった紙のことを知る旅、

和紙で作られた懐紙はお菓子も雑貨も文房具も取り扱うカワイイカンパニーにぴったり…!

と、現代風に懐紙とレターセットを合体させたアイテムを企画することにしました。

現代版にアップグレードされた懐紙

カワイイカンパニーの懐紙ミニレターセットはそれらの特徴を生かし、伊予和紙で作られた懐紙を紙ケースに二つ折りでセット。もちろん天ぷら紙と同じく水も油もよく吸って、筆ペンはもちろん、ボールペンでもさらさらと書くことができます

封筒に入れてミニカードに、ちょっとしたお菓子にメッセージを添えたりと、いろいろなシーンで気持ちを伝えるのにぴったり。
ベイク系もばっちり受け止めます

KAWAII COMPANYのアイコンキャラクターであるともだちモンスター(ルーミー、マルチー、チャーミー、スウィンキー)がいつでも寄り添って、想いをカラフルに伝えるお手伝いをしてくれるデザインです。

モンスターと目が合う紙ケースの中には、これまたモンスターと目が合う封筒とシールもセットされているので、バッグにそっとひそませておくとあれこれ使えて何かと便利です。

↑berry
↑soda
↑milky dream
↑aurora gray
紙製ケースにひとまとめ★たっぷり入ってコンパクト。
現代では懐ではなくバッグに忍ばせて、いつでもコミュニケーションのスタンバイOKです。

知っているようで知らない紙のこと。

今回のカワイイ探訪では、岡山から電車で瀬戸大橋を渡って四国中央市に到着、いろいろな工場や紙のまち資料館なども見学させていただきました。

紙のことがとてもよくわかる、四国中央市・紙のまち資料館。
大会で使われるようなとても大きな和紙は壁一面サイズ。
カラフル!
水引で作られた作品。すごい表現力です。
カミスキーくんとパシャリ。

四国中央市の街には紙の原料からアウトプットまでのすべてが揃っていて、あれを作るならここ、それを作るならそこ、と、さまざまな工場で得意な仕事を担当しながら製品が作られてゆきます。

実はKAWAII懐紙セットも、紙ケース、懐紙、封筒、シール、情報カード、透明OPP袋とそれぞれ違う工場で作られてひとつの商品に仕上げられているのだそう。

紙の加工もレーザーカットや箔押しなどさまざまな技術が。どんな作業も人の目と手が入って仕上げられてゆきます。

改めて知っているようで知らない、日本のものづくりには高い技術力と細やかな心配りがあふれているなあとしみじみ。

そんなすごい技術が日常の中にあるなんて本当に素敵なこと!もっとたくさんの人にお伝えしたいなと思う私たちでした。

おしまい。

▼カワイイカンパニーのステーショナリーアイテムを他にもチェック


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