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情報冷戦における囚人のトリレンマ_北朝鮮の真価


21世紀も四半の星霜を経て、
すっかりお馴染みとなった「情報冷戦」。

人間情報を収集しAIを高度化したものが世界を制す。

昨今、米中の対立構造が識者によって指摘されました。

情報冷戦の行き着く先は「「「「破滅」」」」ハードシンギュラリティです。

中も米も、
北だって、
破滅すると分かっているのにAI開発を止めることが出来ません。

何故でしょうか?

今日はそのメカニズムを説明させてもらいましょう。


北朝鮮がAI開発に強いワケ

AIとは人工知能であり、人間の知能ないし知性を再現するプロジェクトですね。
したがって、人間情報があればAIの開発は可能です。
「誰が」「いつ」「どこで」「どんなインプットに対し」「どんなアウトプットを返したか」
といった人間情報を収集できればAI開発が前進するからです。
しかしながら、基本的人権に配慮する民主制国家では人間情報を自由には扱えません。
いわゆるプライバシーやらコンプライアンスやら人権上の問題との兼ね合い云々ですね。
だがしかし、民主制国家以外では人間情報を好き放題に扱えます。

統治者の鶴の一声で、人の頭の中に電極を突き刺せます。

よって、北朝鮮では深くディープな「質の高い人間情報」の収集が容易であり、AI開発にすこぶる有利な政治体制だと言えるのです。




北朝鮮がAI開発に弱いワケ

しかしながら、北朝鮮はAI開発に弱い理由も持ち合わせています。
北朝鮮は「人間情報の量」が少ないのです。
国内の人間情報の総量は人間の頭数に比例します。

GNI
Gross National Infomation

「国民総情報」は人口に比例するのです。

北朝鮮の人口は2600万人前後。
アメリカの人口は3億人前後。
中国の人口は14億人前後。

北朝鮮は人間情報の量で米中に遠く及ばないのです。



AI開発の基礎体力と通信簿

政治体制によって収集できる人間情報の質が変わります。
人口規模によって収集できる人間情報の量が変わります。

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