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カネからの卒業/「市場情報経済」/四半世紀の地図


市場経済とはなんとも便利な言葉だ。
貨幣経済と似ているがまったく非なる存在。

かたや貨幣経済は「貨幣」を媒介として世の中に秩序をもたらした状態だ。
かたや市場経済は「市場」を媒介として世の中に秩序をもたらした状態だ。

これは、
貨幣という「モノ」と、
市場という「空間」での異次元対比となっている。
貨幣という「モノ限定」で秩序がもたらされるのが貨幣経済。
市場という「空間全般」プラットフォームによって秩序がもたらされるのが市場経済。

したがって、
市場の中で貨幣を使うことにより世の中に秩序が保たれた場合。
それは市場経済でありながら、貨幣経済でもあることとなる。

市場という空間の中において、
貨幣というモノによって、
世の中の秩序が保たれている。

したがって、これは市場経済であり尚且つ貨幣経済だ。
市場の中で貨幣を使うことにより世の中に秩序が保たれた状態。
これが20世紀という過去の見取り図だった。

では、21世紀における「情報経済」の見取り図。
これを世界に先駆けちょっとだけ公開しよう。




市場の中で貨幣をつかう時代/20世紀

20世紀は市場いちばの中で貨幣を用いてモノコトを売買する時代だった。
人々はイチバでおカネを使ってモノコトを購入して生活を成り立たせていた。

これは、「市場」によって秩序が保たれていたとも言える。
この文脈からは20世紀を市場経済と捉えることができよう。
その一方で、「貨幣」によって秩序が保たれていたとも言える。
この文脈からは20世紀を貨幣経済と捉えることができよう。

要は、
経済には「空間」担当と、「モノ」担当がいるのだ。

 20世紀の経済
空間担当   市場
モノ担当   貨幣

したがって20世紀は、
空間的には市場経済
モノ的には貨幣経済

20世紀経済 空間担当者とモノ担当者

市場と貨幣。
この2名が20世紀の経済担当者だった。



市場の中の「二刀流」/21世紀


だが、21世紀に入ると様相が変わってきた。
1995年のインターネット解禁IT革命にともなって「情報」がデジタル化され、世界を駆け巡る情報の質と量がともに爆発的に飛躍した。
膨大なデジタル情報はAI開発のために不可欠な存在であり、20世紀末のIT革命によって膨大なデジタル情報が出現したためAI開発が軌道に乗った。
AIとは人工知能であるから、情報の中でもとくに「人間の行動情報」がAI開発では必須となる。

そこで個人情報商品というものがオンライン空間で売買されるようになった。


ここでは、「個人情報なんて売った覚えはない」というイカレてる怒れる読者もいるかもしれない。
だが、読者は検索エンジンを実質無料で使っているではないか。
読者は「何を知らないのか?」という個人情報を商品化売却することで、その対価として本来有料であるはずの検索サービスをディスカウントして0円で利用しちゃっているのだ。

このように21世紀に入ってから、人々の個人情報が商品化されて売却されている。

我々は20世紀においては、市場の中で貨幣だけを使って商品を購入していた。
だが21世紀においては、いつの間にか市場の中で情報をも使って商品を購入するようになっていたのだ。
さしづめ貨幣と情報の二刀流。
我々は21世紀初頭からいま流行りの二刀流を先駆けて行っていたのだ。




市場情報経済/21世紀の見取り図

我々は市場という空間においてモノやサービスを売買している。
これは20世紀と変わらない状況だ。
つまり21世紀も市場経済であることは変わっていない。

だが、売買する際に用いるアイテムが一つ増えた。
そのアイテムが「個人情報」だ。
我々はオンライン市場において、個人情報を商品として売却することでオンラインサービスをほぼほぼ無料に割り引いて購入しまくっている。

オンライン道案内サービス
オンライン検索サービス
オンライン天気予報サービス
・・・
・・

どのサービスも原則無料だが、無料であるからこそ読者の個人情報商品が売却されていることの証左たり得るのだ。

このように、
21世紀の我々は貨幣以外に「個人情報」という取引アイテムを得た。


 20世紀の経済
空間担当   市場
モノ担当   貨幣
  ↓ ↓ ↓ ↓

 21世紀の経済
空間担当   市場

       貨幣
モノ担当   ➕ 
      個人情報 

21世紀経済 空間担当者とモノ担当者

よって21世紀の経済は、空間的には市場経済のままである。
だが21世紀現時点の経済は、モノ的には貨幣経済と情報経済のハイブリッドとなっているのだ。

これが21世紀現時点における経済の見取り図である。

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