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グローバリズムの忘れ物/失われた30年との決別
グローバリズムは「国境を超えたカネ、ヒト、モノの自由な移動を是とする判断基準」と定義されがちだ。
少なくとも我が国日本ではこの定義が本流とされている。
だがこの定義こそが日本におけるいわゆる「失われた30年」の元凶だ。
確かに21世紀に入って猛威を振るっているグローバリズムは国境を超えてカネ(資本)を移動させてきた。
しかし国境を超えたカネ(資本)の移動はその時点における有望市場に対する資本の一点集中をまねき、バブルの生成と破壊の周期を脅威的に早くさせ市場をそして世界を混沌へと導いている。
確かに21世紀に入って猛威を振るっているグローバリズムは国境を超えてヒトを円転滑脱に移動させてきた。
しかし国境を超えたヒトのスムーズな移動は国家の安全保障を著しく毀損し、世界を混沌へと導いている。
確かに21世紀に入って猛威を振るっているグローバリズムは国境を超えてモノを疾風迅雷に移動させてきた。
しかし国境を超えたモノの疾風迅雷な移動は自給自足経済圏の解体を招き、世界の不安定性を増幅させている。
このように、
グローバリズムによる「国境を超えたカネ、ヒト、モノの移動」は21世紀の世界を大いに混乱させている。
だがしかし、グローバリズムによる「最大の悪」はこの三つ以外にこそある。
もっとも大事なものを我々日本人はグローバリズムによって奪われたではないか。
我々日本人がこの30年間で奪われたもの。
それは、
情報。
イスラエルのワンサイドゲームとグローバリズム
現下、イスラエルとヒスボラの抗争が佳境を迎えている。
知っての通りイスラエルのワンサイドゲームの様相だ。
ヒスボラは自国内の自組織の要塞において攻撃を受けている。
これは情報というものが容易に国境を越えることによって為された現象である。
ヒスボラ組織内の情報はイスラエルに対し筒抜け。
イスラエルの情報はヒスボラに対し完全遮断。
この非対称性が現下のワンサイドゲームを演出しており、その基盤が「国境を超えて自由に情報が移動する」グローバリズムにあるのだ。
ヒスボラの窮状/グローバリズムと国家安全保障
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