「塚口」は飲食店不毛の街なのか？／叛逆の逆理
阪急神戸線・塚口駅は兵庫県尼崎市の中にあって稀有なる閑静な住宅街。
第二の芦屋
つかしんのゴッドファーザー
尼崎のスイス
といった具合で異名には事欠かない。
阪急神戸線
西宮北口ーー武庫之荘ーー塚口ーー至・中津
だがしかし、
「尼崎市」の中では「別格」だと持て囃されて、はや５０年。
いまやJR尼崎駅の方が「住みたい街ランキング」で恒常的に上位となっている。
かつて塚口がライバル視していた「西宮北口」にあっては、
もはや「住みたい駅ランキング１位」が指定席となり雲の上の存在になってしまった…
もう塚口に勝機はないのだろうか？
結論から書こう。
勝てる。
塚口は飲食店を殺す
その筋では有名な格言がある。
「塚口は飲食店を殺す」
なんとも物騒なレトリックだが、塚口界隈に馴染みのある人であれば知っている御仁も多いはず。
阪急神戸線・塚口駅周辺ではなぜか飲食店が育たず、
新進気鋭の飲食店が出店したと思えばすぐに閉店してしまう。
そういった現象を目にした口さがない人々が「「塚口は飲食店を殺す」」と伝承してきた。
果たして、本当に塚口は飲食店を殺すのだろうか？
では早速、
調査に入ろう。
西宮北口の偉大さと
食べログによる店舗検索
阪急西宮北口駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ４１６件 ３１２件
西北駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.４７ ３.３９↓
６０位 ３.３６ ３.２３↓
９０位 ３.２９ ３.１３↓
食べログアプリを使って何をどのように比較したかを説明しよう。
まず、阪急西宮北口駅と阪急塚口駅のそれぞれ周辺８００メートルにどれだけの数の飲食店があるかを調べた。
その上で、西宮北口と塚口それぞれの「３０位」「６０位」「９０位」の飲食店スコアを拾ってみた。
結果として、飲食店の数においても飲食店のスコアにおいても西宮北口に軍配が上がった。
住みたい街ランキング１位の称号は伊達ではなかった。
だがしかし、結果数値をよくみてみれば、、、
４１６件と３１２件、
３．４７と３．３９といった具合にさほど差はない。
これはひょっとしたら、相手が悪かっただけではないのか。
そう感じる。
そこでもう少し、比較を続けてみよう。
「阪急宝塚線・宝塚駅」と塚口を比較してみよう。
宝塚駅といえば、梅田・河原町・三ノ宮と並ぶ阪急ターミナル駅の一つ。
万が一にも塚口のような中間駅に勝ち目はない､､､
と思うのが一般的だろうが・・・
殺し屋・塚口の冤罪
阪急宝塚駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ２２６件 ３１２件↑
宝塚駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.２６ ３.３９↑
６０位 ３.１５ ３.２３↑
９０位 ３.０９ ３.１３↑
阪急宝塚駅との比較だが、塚口が駅８００メートル圏内の飲食店数で宝塚駅を上回っている。
さらに飲食店スコアでも、３０位・６０位・９０位でくまなく塚口が上に来ている。
JR尼崎駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ２８７件 ３１２件↑
尼崎駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.２４ ３.３９↑
６０位 ３.１１ ３.２３↑
９０位 ３.０６ ３.１３↑
次は台頭目覚ましい「JR尼崎駅」と塚口の比較だが、
ここでも塚口が全項目で上回っている。
阪急豊中駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ２４４件 ３１２件↑
豊中駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.２８ ３.３９↑
６０位 ３.１３ ３.２３↑
９０位 ３.０８ ３.１３↑
それでは古豪・豊中駅との比較はどうか？
これもやはり塚口が全項目で上回っている。
・・・
・・
・
「阪急宝塚駅」も「JR尼崎駅」も「阪急豊中駅」もすべて名の通った「駅」であり「街」だ。
くまなく、
住みたい街ランキング関西版でコンスタントに上位に名を連ねる「好駅」だ。
こうした「好駅」を向こうに回して、塚口は「横綱相撲」で圧倒してしまった。
これはどういうことだろうか？
「塚口は飲食店を殺す」のではなかったのか？？
塚口は飲食店を殺していなかった。
塚口は飲食店不毛の地ではなかった。
これが筆者が数字から観る結論である。
繁栄の中の相対的錯覚
では、なぜ塚口駅は「飲食店殺し」の濡れ衣を着せられてきたのだろうか？？
その筋で「塚口は飲食店不毛の地」と陰口を叩かれてきたのだろうか？？
それは塚口近隣駅の際立ったレベルの高さにある。
阪急神戸線
西宮北口ーー武庫之荘ーー塚口ーー至・中津
もう一度、西宮北口と塚口を比較し、
返す刀で「お隣駅」である「武庫之荘駅」と塚口駅を比較してみよう。
食べログによる店舗検索
阪急西宮北口駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ４１６件 ３１２件
西北駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.４７ ３.３９↓
６０位 ３.３６ ３.２３↓
９０位 ３.２９ ３.１３↓
食べログによる店舗検索
阪急武庫之荘駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ２７７件 ３１２件
武庫之荘駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.３９ ３.３９＝
６０位 ３.２５ ３.２３↓
９０位 ３.１２ ３.１３↑
←至・三宮 阪急神戸線 至・梅田→
西宮北口ーー武庫之荘ーー塚口ーーー
このように、
塚口は、「西宮北口駅」と「武庫之荘駅」という関西屈指の「優駅」と距離が極めて近い。
だから比較対象が西北や武庫之荘という「繁栄度の高い駅」になってしまっていた。
そうした「高所」から見ると、「塚口は飲食店が育たない」といった感覚があったのだ。
だから、その筋から「塚口は飲食店不毛の地」というレッテルを貼られている。
だが、目下において武庫之荘とはまさに「五分」。
西宮北口に対して数字に開きがあるが、決して手の届かない差ではない。
むしろ「駅直結大型ショッピングモール」という切り札を先に切ってしまった西北にノビシロは乏しい。
したがって、塚口は西宮北口越えを諦める必要はまったくない。
チャンスはピンチの顔をしてやってくる
目下にあって、塚口は西北を越えられないという風潮は強い。
もはや勝負付けがついたと見る向きも強い。
塚口の人々にはどこか諦めムードが漂っている。
だが、数字は嘘をつかない。
「頭差」である。
西宮北口は、
日本で最も豪勢な大型ショッピングモールを投入してようやく頭差のリードを得たに過ぎない。
なぜ諦めなければならないのか。
勝負付けがついたのは、もしかしたら確かかもしれない。
大型ショッピングモールという「劇薬」を呑んで、たかだか頭差のリードしかつけられなかった西宮北口。
西北の負けが決定的なのかもしれない。
世の中に吹く風向きは阪急塚口駅にとってピンチだ。
だがしかし、
数字は阪急塚口駅にとって明確なるチャンスを告げている。
塚口、逆転の方程式
「塚口は飲食店不毛の地」
これは明確に存在する格言だ。
なんだったら、塚口近隣の老舗散髪屋さんに行って聞いてみればいい。
「ああ、ここあかんで、兄ちゃん」
と皺くれた答えが返ってくるはずだ。
「塚口は飲食店不毛の地」
この格言の存在こそが塚口にとって至上の好材料。
「悪事千里を行く」といったもので、ネガティブな噂は瞬く間に遠くまで広がる。
だから、これまで飲食店は塚口への出店を見合わるケースが極めて多かった。
それでも、、、
阪急宝塚駅 阪急塚口駅
半径８００m圏内
店舗 ２２６件 ３１２件↑
宝塚駅 塚口駅
店スコア 店スコア
１位
３０位 ３.２６ ３.３９↑
６０位 ３.１５ ３.２３↑
９０位 ３.０９ ３.１３↑
それでも、、、
宝塚駅という阪急電鉄のターミナル駅に勝っちまった。
つまり、
阪急塚口駅の飲食店ポテンシャルはおよそ無尽蔵。
いま、
阪急塚口駅は飲食業界にとって穴場の中の黄金郷だ。
ここから先は
¥ 343
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか？