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密度の経済 チョイミツ講座【爆誕!経済女子!】

経済女子が密かなブームだ。
経済に一家言持っている女子がこの夏熱い。

前回の記事では、
規模の経済スケールメリットという概念についてこれでもかと噛み砕いて解説した。

沢山買ったら安くなる、
沢山売ったら安くできる、
というアルアル現象の核心を、迷えるイチゴ子羊ちゃんたちに優しくユルく伝授したわけだ。

さて今回は、
「密度の経済」というあまり聞きなれない経済現象について造詣を深めてみよう。
これでもうイチゴ子羊なんて言わせない。
目次をみれば一角の経済女子に一歩前進だ。


なぜ寂れた街のラーメン屋は不味いくせに高いのか?

場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高いことがよくある。
これには実のところ明確な理由が2つある。

場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高い2つの理由。

その一つ目は「高くしないと潰れちゃう」からだ。
寂れた街のしかも場末のラーメン屋ともなると、もう客なんて滅多に来ない。
食べログ全盛のいま、本当に本当に来なくなったんだってば。
だから滅多にしか来ない珍客で利益を出さないと店が潰れちゃう。
したがって、ふらっとやってきた珍客に高い価格を提示して「ぶっとい」利鞘を抜く。
「客単価を爆上げする」と言ったりもする。
このように、寂れた街の場末のラーメン屋は滅多に客が来ない。
だから、その酔狂な珍客で利益を確実にあげるために価格を高くしてあるのだ。
したがって、寂れた街の場末にあるラーメン屋は価格が高くなる。

場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高い2つの理由。

その二つ目は「儲かってないから開発にカネを回せない」からだ。
先述した通り、場末のラーメン屋には客がほぼほぼ来ない。
だから高い価格にして少ない客で利益を確保しないと潰れてしまう。
だが高い価格にすると、ますます客足が遠のいていく。
このような悪循環によって場末のラーメン屋の財布は痩せ細っていく。
どんどんどんどん資金がなくなっていくのだ。
すると開発に回せるカネも当然少なくなる。
さすれば不味いラーメンは不味いラーメンのまま。
つけ麺とか流行りのラーメンを採用することなど夢のまた夢。
こうして場末のラーメン屋は、どんどんどんどん不味くなっていくのだ。

場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高い2つの理由
① 滅多に客が来ないため、価格を高くしないと潰れてしまうから
 →    だから馬鹿高い値段になる
② 資金が不足しがちであるため、開発・改良にカネを回せないから
 →   だから不味くなる

この項のユルいおさらい❤︎




なぜ繁華街のラーメン屋は美味いのに安いのか?


さて、次は繁華街にあるラーメン屋を思い浮かべて欲しい。
全部のラーメン屋ではないが、
「美味いのに安い」ラーメン屋が何軒か思い浮かんだはずだ。

なぜ繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできるのだろうか?

これには2つの理由がある。

繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできる2つの理由。

その一つ目は「沢山お客さんが来るから、お客さん一人当たりの利益を少なくしても経営が成り立つ」からだ。
繁華街は人通りが激しく、客足が絶えない。
放っておいてもお客さんがクルクルクルクルやってくる勢いだ。
そういう店舗ではラーメン一杯分の利益をわずかばかりにしても、それが回転ドアのように沢山掛け算されて大きな総合利益に膨らんでいく。
だからわずかばかりの利益を原価に乗っければそれだけで経営が成り立つ。
したがって安い価格でラーメンをお客さんに提供できるのだ。

繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできる2つの理由。

その二つ目は「儲かっているから研究開発費・改良費にカネを回せる」からだ。
先述した通り、繁華街のラーメン屋は放っておいてもドンドンドンドンお客さんが暖簾をくぐってくれる。
だから価格を安くしても利益を捻出できて、価格を安くすると評判になりさらにお客さんが増えて……
こうした好循環が発生する。
すると利益はドンドンドンドン増えて、ウヒャウヒャと遊び倒してもお釣りが来るから、
研究開発やら改良費にお金を回せることになる。
結果、繁華街のラーメン屋はさらに美味くなるって寸法なのだ。

繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできる2つの理由
① 千客万来であるため、価格を安くしても総合利益を確保できるから
 → だから安くできる
②  儲かって資金に余裕が出来がちであるため、研究開発・改良にカネを回せるから
 → だから美味くなる

この項のユルいおさらい❤︎



チョイ密 密度の経済

ここまでで、
❶ 場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高い理由。
❷ 繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできる理由。

この二つを見てきた。
復習もかねて並べて観よう。

場末のラーメン屋が不味いくせに馬鹿高い2つの理由

① 滅多に客が来ないため、価格を高くしないと潰れてしまうから
 →    だから馬鹿高い値段になる

② 資金が不足しがちであるため、開発・改良にカネを回せないから
 →   だから不味くなる

繁華街のラーメン屋が美味いのに安くできる2つの理由

① 千客万来であるため、価格を安くしても総合利益を確保できるから
 → だから安くできる

②  儲かって資金に余裕が出来がちであるため、研究開発・改良にカネを回せるから
 → だから美味くなる

場末で苦戦するラーメン屋さんと、
繁華街で善戦するラーメン屋さん。
両者の決定的な違いはいったいぜんたい、何なのだろうか?

それは「人々の密度」だ。


かたや場末には人が滅多に来ず、人々の密度は薄くなる。
かたや繁華街には門前市の如しで、人々の密度は濃厚になる。

この差が端緒になって、価格設定から研究開発費に回すカネの多寡までの如何ともし難い流れの差異が出来てしまう。


人口や人通りのある「人密度の高い」ラーメン屋さんでは、「安くそれでいて美味く」が実現できる。
他方、
人口や人通りの乏しい「人密度の低い」ラーメン屋さんでは、「高いけれど不味い」が現実のものとなってしまう。

つまり「密度」というものが、店舗経営ひいてはミクロ経済に大きな影響を与えることになる。

これを「密度の経済」というんだ。


飲食店において、

美味ければ高い。
不味ければ安い。

ややもすると、
このような二者択一の紋切り型で考えてしまいがちだ。

だがしかし、「密度の経済」という概念をとり入れてみれば、

「美味くて安い」「不味くて高い」

そんな飲食店があっても面食らわなくて済む。
そこには「密度の経済」というチョイミツで明確な理由が存在するのだ。

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