哀社精神【きまぐれエッセイ】
経営における無駄遣いの削減って、どこの企業でも大事なテーマだってのは誰でもわかる。そりゃ、余計な出費は避けて、経費削減するのが正義だと思ってるんだから。でもね、あたしは思うわけよ。はさみがない、テープカッターがない、糊もない、ゴミ箱すらない、そんなオフィスでどうやってイイ仕事しろって言うの?
まるでトイレにトイレットペーパーがない状況よ。そんな環境であたしたちに創造的な仕事をしろって言うのは、カラオケでマイクを使わずに熱唱しろって言ってるようなもん。これ、冗談じゃなくて実際にそんな滑稽な経費削減をやってる経営者がごまんといるのよ。
でね、カネをかけるべきところには全くカネをかけず、カネをかけなくてもいいところには無駄に散財する。こんなピントがズレまくりの経営者が、社員に細かい指導や管理をしても、うまくいくわけがないわけよ。社員たちはきっと、自宅からゴミ箱を持参したり、マイはさみやマイグルーを持ってきたりしてるんだろうね。これ、実に涙ぐましい「哀社精神」ってやつよ。
社員に喜びがなくて、でも生活がかかってるから仕方なく会社に通ってるって状況。やる気が出るわけないから、社内外でトラブルも多発する。これ、悲しい現実よね。
ここで登場するのが、無為自然の法則よ。老子が説く「道(タオ)」の概念、つまり自然の流れに従うってやつ。この法則は、会社経営においても国家経営においても通じる。小賢しい知恵で管理したり、小煩い規則を設けるのは、本当に必要ないのよ。
例えば、江戸時代の日本を見てみると、町人文化が花開いたのは、必要最低限のルールと信頼に基づいた社会だから。経済も文化も発展し、町人たちは自由に商売をして、個々のアイデアや創造性が尊重された。それが江戸の繁栄の一因だったのよ。
経営者は、目先のコスト削減だけにとらわれず、長期的な視点で物事を判断することが必要よ。社員の働きやすさを考慮し、適切なリソースを配分することが、結果的に企業全体のパフォーマンス向上に繋がる。無為自然の法則を取り入れた経営は、社員のモチベーションを高め、社内のトラブルを減少させる効果がある。これにより、会社は持続的な成長を遂げることができるのよ。
あたしが言いたいのは、経営者たちはもっと「おまかせコース」を選ぶべきってこと。自然の流れに従い、無理なく、でもしっかりとお金をかけるべきところにはかける。これが、最高のチョイスってわけ。
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