減少する人口とゲーム市場の行方
1985年9月『スーパーマリオブラザーズ』(以下、マリオ)が発売され大人気になり、ファミコンブームが到来した。
1984年秋ごろ新宿駅近くの家電量販店の前で、発売されたばかりのファミコンを買おうかどうか迷っていたが、『麻雀』や『ベースボール』ぐらいしか遊びたいゲームがなかったので購入を諦めた。ファミコン本体はいつも店舗の店頭に並んでいた。ところが『マリオ』が大ヒットすると、しばらくの間なかなか手に入らなくなってしまった。『マリオ』がゲーム業界を席巻していくのである。
当時のファミコンのコアユーザーは小中学生だった。1985年10~14歳の層は1,003万人いた。次いで多かった高校生や専門学校生、大学生といった15~19歳の層は897万人。こうした10代の人口は1,900万人いた。(総務省統計局・統計ダッシュボード、以下同様)
それから10年後の1995年。上記の10~19歳の層は1,602万人になった。10年間で16%の減少である。
1985年10代だった人たちは、20代になっていたが、20~29歳の層は1,867万人いた。彼らの中でスーパーファミコンやプレイステーション、セガサターンのユーザーになった人は多かったはずだ。その後も彼らがゲーム市場を支えていくことになる。
その10年後の2005年。ゲームのコアユーザーだった20代は30代になっている。この30~39の層は1,848万人いた。一方10代の人口は1,257万人で、1995年に比べて22%減少、1985年に比べて34%減少になっている。
さらに10年後の2015年。ゲームのコアユーザーは40代になっているが、この層は1,837万人いた。片や10代の人口は1,159万人。2005年に比べると28%減少、1995年に比べると8%減少、1985年に比べて39%減少している。
ゲームIPのところで述べたが、売れているコンソールゲームの大半は、2000年前に発売された人気ゲームのシリーズタイトルだ。1985年のゲームユーザーを中心とするユーザー層には馴染みのタイトルである。当分この傾向は変わらないだろう。
しかし、10年後、20年後はどうなるのだろうか。1985年以来のゲームユーザーは定年を迎え、減少傾向にある若年層がゲームユーザーの中心になっていく。ゲームに限らず若年層の減少が、国内のあらゆるビジネスに影響を与えていると言われて久しい。
そんな若年層のゲームユーザーは、スマートフォンのゲームアプリで初めてゲームの楽しさを知ったという人も多いと思う。そんな彼らが主役となる時代のゲーム市場はどうなるのだろう。定番の人気IPはどうなるのだろう。