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4月27日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年4月27日の夜に開催した、東京読書倶楽部の読書会の報告です!

この日は新規の方が3名、リピーターが6名の合計10名でお酒を飲みながら読書会、その名もBOOK & BOOZE!

同じ本を読んでも感想や考え方は異なる。逆に今まで知らなかった世界を知り、再読のきっかけになるのも読書会の楽しみなり。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

冬木糸一「『これから何が起こるのか』を知るための教養 SF超入門」ダイヤモンド社

古典から近代のSF作品56冊をもとに、これから未来はどうなっていくのか、また、著者が伝えたいテーマは何だったのかを解説する。

SF作品から未来を逆算して、今できることは何かを考えるきっかけにもなるし、改めて著者の意図を踏まえて再読すると、また見えてくるものもある。

単純にSF作品の総覧として活用できる。紹介者は読了済みの作品に緑の付箋をつけているが、これが緑一色になることを目標にしているそうで。

ミヒャエル・エンデ 「モモ」岩波書店

円形劇場後にひっそりと住んでいた「モモ」という女の子。最初は怪訝そうな町の人達も、徐々にモモのことが大好きになって、何かあったら「モモのところに行きな!」というほど親しくなる。

ある日のこと。町に「時間貯蓄銀行」と名乗る灰色の男(時間泥棒)が現れて、大人たちは時間を節約しようと、常にイライラし怒りっぽくなる。モモの目の前にも灰色の男が現れるのだが、彼らの目的も聞き出してしまう。

誰しも自分の時間を確保しようと躍起になりがちである。だけど、ふと他人のために時間を使った瞬間こそ、自分の時間を取り戻した気がする。

周りの人のために時間を使うことが、巡り巡って自分の時間になるのだって。

惣領冬実「チェーザレ 破壊の創造者」講談社

中世の悪徳一家として名高いボルジア家の長男 チェーザレ・ボルジアの青年時代を描く漫画。かの有名なマキャベリは「君主論」のモチーフになった人物として興味があったらしい。

全13巻の漫画だが既に絶版になっており、中でも12・13巻がプレミアついていて定価の3倍近くしたけど、買ってよかったそうで。

松久淳・田中渉「天国の本屋」新潮社

人間の寿命が100歳と定められた世界。100歳未満で亡くなった者は、天国で100歳に到達するまで過ごし、100歳を超えた時点で転生する。

主人公は転職活動連敗中の大学生。コンビニでバイト中、アロハシャツを着た神と名乗る者に呼ばれ、短期で天国の本屋にて読み聞かせの仕事を行う。"自分"が失ったものを見つけ直すような物語。

もともとは‎「かまくら春秋社」とマイナーな出版社が版元だったが、「木楽舎」「小学館」を経て、今では「新潮社」が刊行している作品。こういう経緯もまた面白いよね。

美味しい料理と共に

間宮改衣「ここはすべての夜明けまえ」早川書房

時は2123年 主人公の私(1997年生まれ・女性)が融合手術受け、25歳のままサイボーグ(一生老化しない体)になった私が語る物語。

彼女が語るのは、主に家族のこと。良くも悪くも、すべてを含めて家族愛だったなと…。設定はSFだが、まるで純文学を読んでいるかのような感覚で良かった。

村田沙耶香「コンビニ人間」文藝春秋

人に気持ちがよく分からない主人公。子供の頃、小鳥が死んでいる時「焼き鳥にしよう」と語り周囲をドン引きさせたなどの経験から、何も話さなず、何もしないほうが良いことに気づく。

だけど、コンビニのマニュアル通りに話せばみんな喜んでくれるし、マニュアル通りに喋れば誰ともお客様とも会話できることに気づく。そのまま30代後半になった主人公が、転職活動に挑むことになるのだが。

哲学者の千葉雅也さん曰く「コンビニは人生をリセットできる場所」だと言う。画一化されたコンビニだが、そこに一旦立ち寄ることで、全てがリセットされるような"聖なる場所"なのではないかと。

それが最後の「コンビニの声が聞こえた」につながるのだろうか。

辻仁成「海峡の光」新潮社

青森と函館を結ぶ連絡船で働いていた主人公は、失業をきっかけに刑務所の看守として再就職する。ある日、小学校時代に自分たちをいじめていた奴が囚人として収容される。

看守と囚人として、子供の頃とは立場が逆転したけれども、そいつに対して畏怖を覚えるというか、強く当たれない主人公。狡猾な男は刑務所でも上手く立ち回り、ついに仮釈放の認可を受ける。

だが仮釈放の直前に看守を殴り、男は仮釈放は取り消しにされる。何度もその機会が訪れるのだが、同じように問題を起こして塀の中に戻る。主人公は、この男はここでしか生きられないのだと悟る。

嶽本野ばら「下妻物語」小学館

茨城県下妻 ロココ時代に生まれてヒラヒラのドレスを着たかったと嘆く桃子ちゃんは、東京の代官山のブティックならその服が買えることを知る。

それを知った桃子の父は、テキ屋のツテで、そのブランドのパチモンを扱っているヤンキーのイチコちゃんと引き合わせる。性格も好みも全く異なる2人の青春物語。

知り合いはジャスコで服を買っていようが、周りの人から変なファションだと後ろ指を刺されようが、私は私の好きな服を着る。自分が好きなことを貫くのは、とても大事なことなんじゃないかと。

宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」集英社

婚約破棄をきっかけに失意のどん底にいた主人公。祖母からドリフターズリスト(やりたいことリスト)を勧められたのをきっかけに、少しづつ自分の行動が変わっていく。

紹介者が認知行動療法に関する本を読んだときに思い出した作品。認知が変わると行動が変わり、行動が変わると習慣が変わっていく様子が、彼女の物語に通じるものがあるなと。

ちなみに、著者にとって”豆”は『自分にとって新しいことの象徴』らしく、それを踏まえると短編作品「日をつなぐ」の最後のシーンは、印象的だったことを思い出す。

2024年5月・6月の読書会スケジュール

5月11日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
5月11日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
5月18日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
5月25日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会

6月1日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!

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