2月17日 読書会報告
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
2024年2月17日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!
この日はリピーター様が4名の計5名で珈琲片手に読書会。
小説や文学の話が、いつの間にか歴史やら哲学寄りの話になって、まぁそういう二転三転するところが、東京読書倶楽部の読書会の良さと思ってます。
紹介して頂いた本
リチャード・バック「かもめのジョナサン」新潮社
主人公のジョナサン(かもめ)は、一般的なかもめ達と異なり、餌を求めて飛び回るのではなく、いかに速く飛べるかということにこだわっていた。価値観が合わない群れから、ついにジョナサンは追放されてしまう。
だが一人になったことで、むしろ彼の飛行技術は卓越していく。その姿に惹かれて新しい仲間も出来て、技術を教える側の立場になる。だがジョナサンは、最終的にもとの群れに戻るという選択をする。
いずれにせよ、我が道を進むということは誰かに非難される。だけど、同じ価値観の仲間にも出会えるはずなのかもね。
フリオ・リャマサーレス「黄色い雨」河出書房新社
舞台はスペインのとある廃村。過疎化が進む中、主人公の男は妻に先立たれ、文字通り最期まで村に残っていた。自分一人ならすぐにでも死を選んでよかったけれども、ペットの犬をひとりにしておくのはかわいそうだ。
タイトルの「黄色い雨」だが、紹介者が思うに、雨自体に色がついているのではなく、雨が黄色く見えてしまう。それは、黄色く塗りつぶされた、どこかのっぺりとした世界を思い浮かべる。
一つひとつが散文のような、どこか乾いたような、それでいて印象深い作品だった。
ガルシア=マルケス「予告された殺人の記録」新潮社
村の婚礼の翌日、とある男が無惨にも殺されることになった。村という共同体の中で、殺されざるを得なかったというべきか、そんな過去の記録を追う。
前出のスペインの作家つながりで紐解いた作品。ガルシア=マルケスは「百年の孤独」で有名。土着的な側面がこの作品にも色濃く残っているのが印象的だった。
村意識というべきか、狭い共同体だからこそ隣人とのつながりが強い感じがする。それを当たり前のように思える人もいるけれども、踏み込み過ぎではないかと、恐怖に似た感情を覚える人もいるのだ。
相沢沙呼「medium 霊媒探偵城塚翡翠」講談社
推理作家の香月史郎は、時折警察の捜査に協力してほしいと頼まれることがある。最近女性を狙った連続死体遺棄事件が続いており、その事件の真相解明に挑んでいる。
とあるきっかけで、香月は霊媒師の城塚翡翠と出会う。先々で殺人事件に巻き込まれるのだが、翡翠は"霊媒能力"によって真相解明の糸口を掴み、香月が推理作家としてのロジックを組み立て、事件を解決していく。
帯に「全てが伏線」と書かれていたけれども、見事に騙されましたね。
「福沢諭吉全集」岩波書店
「学問のすすめ」で有名な福沢諭吉。一人ひとりが学問を修め、善悪の判断を持ち、自立することが国力の向上につながると主張した人物。
紹介者曰く、福沢諭吉の凄いところは、社会問題や制度の悪い点をしっかり言語化出来たことだと語る。当時は当たり前であった天皇制や男尊女卑という考え方が、なぜ社会の発展に不都合なのか言葉に出来ること自体が凄いと思う。
今年から1万円札は渋沢栄一になるけれども、そういう社会全体の発展に寄与した人物って、近代から現代にかけていないのではとも考えているそうで。
2024年2月の読書会スケジュール
2月23日(金) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE!
ご興味ありましたら、コメントや各告知ページにて是非お待ちしております。皆沢に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)
・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催しておりますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。
お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。