読書記録「百貨店ワルツ」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、マツオヒロミさんの「百貨店ワルツ」実業之日本社 (2016) です!
・あらすじ
大分前の東京読書倶楽部の読書会にて、イラスト集「RONDO」のご紹介を聞いて以来、マツオヒロミさんの作品は気になってました。
しばらくして先週末、文京区は弥生美術館にて「マツオヒロミ展」へ赴き、観賞後そのまま売店で購入した次第。
皆様ご存知の「三紅百貨店」で張られていたポスターやPR誌、販促物としてのカレンダーなどが(原画と共に)展示されていました。
来場者の大半はうら若き可憐な乙女や、着物を召したご婦人達だが、私みたいに、独りで鑑賞する紳士もちらほら…。
それはさておき、鑑賞中お隣さんの会話で「女の人が惚れる女性が描かれているよね」と聞こえて、なるほどと思った。
婦人服や化粧品を買うお客さんは、基本的には女性なわけで、ある意味その顧客層に刺さる広告が打てているのだと思う。
こんなアイテムや化粧品があれば、こんな風により綺麗な女性になれるかもしれないという気持ちを湧かせるために、思わず女性が良いなと思うような作品の数々。これは女性ファンが多いのも頷ける。
また、あくまでもフィクションとしての百貨店ではあるが、実際に当時存在したかのような世界観が出来上がっている。
当時の流行、と言っても、今ほど海外の製品が流通していないわけで、女性も着物が一般的だった時代である。調べたら、セーラー服が登場したのも大正の頃らしい。
これから女性も洋装するのが当たり前になっていく頃に、こんな百貨店があったのならば、きっと当時の乙女たちの憧れと羨望の場所になったに違いない。
作中には当時のポスター風のイラストの他にも、はじめて婦人服売り場に訪れた女性や、親に内緒で化粧品を買いに来た女学生の物語(漫画)もあって、きっと当時の女性もこんな感じだったのかなぁと思うと、何か尊い。
話が変わるが、それを踏まえると、弥生美術館の常設展示物である竹久夢二の作品って凄いって思った。
私自身、あまり歴史に詳しいわけではないが、大正時代(1910年頃)に、あんなハイカラなイラスト描いていたのかと思うと、当時の少々たちも虜になっていたに違いない。
そんなわけで、「マツオヒロミ展」も、今回読んだ「百貨店ワルツ」も面白かった次第。読んだ後は、思わず百貨店に足を運びたくなる気分。それではまた次回!
この記事が参加している募集
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。