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読書記録「人間たちの話」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、柞刈湯葉さんの「人間たちの話」早川書房 (2020)です!表紙のイラストは「日常」でお馴染みのあらゐけいいちさん。

柞刈湯葉「人間たちの話」早川書房

・あらすじ
最もSF的な存在、人間について書いた短編小説集。春を目指して旅する少年達、火星の新生命を探す人間、宇宙で異星人にラーメンを作る人間、誰にも認知されない透明人間などなど。科学や数学等の専門用語が出てきて勉強になる点も多く、かといって内容も重すぎずに楽しめるSF作品でした。

特に面白かったのは、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」をオマージュした「たのしい超監視社会」。
"親愛なる総統閣下"のもと"相互監視"を続ける日本の大学生 薄井澄人。生まれた頃から監視し、監視されることに慣れている若者は、監視社会を楽しいものと認知している。

「一九八四年」のように、現代の我々は配給制度も言語統制も、"ビッグ・ブラザー"もいないわけだが、ある種の監視社会の面がある。それが、SNSである。
twitterにfacebook、instagram、Youtubeにtiktokと、自ら発信して、受信する人たちの相互監視と言うようなもの。そしてそれを楽しんでいる我々がいる。だから超監視社会は"たのしい"のである。

深い考察はまたジョージ・オーウェルの本を読んだときにでもしようと思う(笑)。それではまた次回!

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