見出し画像

9月21日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年9月21日の午後に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日は新規の方が6名、リピーターが1名の合計8名で散策×読書会。夏の間は中止にしてたため、約3ヶ月ぶりの神保町散策である。

珍しく新規の方が多く、グローバルな話題が多かった印象。自分が知らない世界に触れることは、読書(会)の醍醐味なり。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

百田尚樹「『黄金のバンタム』を破った男」PHP

ボクシングで日本人初の二階級制覇を果たした男 ファイティング原田。彼の半生を追いながら、日本人の持つ「熱さ」を感じる。

スポーツ観戦が好きな紹介者。現在のバンタム級と違って、当時の基準でバンタム級のチャンピオンになることが、いかに厳しい道のりなのだと知ると、より胸が熱くなる。

スポーツを題材にした作品を読むのは初めてだったが、試合の音が聞こえるくらい臨場感があって良かったと紹介者チャレンジャーは語る。

小川洋子「ことり」朝日新聞出版

幼稚園の小鳥の飼育小屋で働く「ことりのおじさん」が亡くなるところから始まる。

おじさんの兄が謎の病気を拗らせ、未知の言語を喋るのだという。しかし弟(ことりのおじさん)だけは兄の言葉を理解できた。兄は小鳥のさえずりはよく理解していたからだ。

紹介者が別の読書会で伺った本を読んだそうで、説明はしにくく、暗い話ではあるけれども、小川洋子さんの綺麗な文体が素敵だったとのこと。

ジル・ボルト テイラー「奇跡の脳」新潮社

30代で突如として脳卒中に侵された脳科学者。右脳は無事だったものの、左脳は全てシャットダウンしてしまう。果たして、右脳だけで見える世界とはどんなものなのか?

かつてネパールで10日間の瞑想合宿に参加したことがあるという紹介者。その人がたった一度だけ達した感覚が、この本の著者の体験談と一致したという。

右脳だけだけがアクティブになり、全てのものが境界線なく見えたという。何も考えず、評価することなく、目の前の景色をただただ受け入れていたという。

それが、途方もない「安心感」を得たのだという。

エラ・フランシス・サンダース「翻訳できない世界のことば」創元社

我々の言葉には、海外の人からすると一言では言い表せない言葉がある。

例えば日本語だと「侘び寂び」「木漏れ日」、「ぼけっと(している)」などが挙げられる。もちろん、海外にもそんな言葉がたくさんあるのです。

現在韓国語を勉強中の紹介者。言葉を学ぶ際には、その言葉の意味を知ることは大事だけれども、その背景(文化圏)を把握すると、もっと面白いですね。

ちなみに、他の参加者のフィリピンでの体験談。工場の視察を訪れた際に、上司が「及第点」と言ったら、イマイチ翻訳ができなかったそうで。

高野秀行「アヘン王国潜入記」集英社

「誰も行ったことがないところへ行き、誰もやったことがないことをする」でお馴染みの高野氏。

1995年 ミャンマーはゴールデントライアングルのアヘン生産地に潜入し、7ヶ月間アヘン栽培を手伝う。

高野さんが注目しているのは、事実ではなく人。現地の人が何を考えているのか、どんな風に生活しているのかに着目するからこそ、面白い。

実際に体験することはできない(コネがないと無理だし、そもそもやりたくはない)が、読書を通じて、自分の中になかった世界に触れるのは良いですよね。

室橋裕和「カレー移民の謎」集英社

日本のいたるところで見かける「インドカレー屋」。しかし経営している大多数がインド人ではなく、ネパール人であることはご存知だろうか。

インドカレー屋の経営者をインタビューして見えてきた実態。その影には現地でビジネスを斡旋する業者がおり、厳しい条件下で日本に渡ってきたのだという。

ニュースで「外国人による犯罪」など報道はよく見るけれども、その背景を紐解き、別の視点で物事を見ることが大事なのだろう。

たとえ、街のインド料理屋だとしてもね。

東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」KADOKAWA

強盗を行ったメンバーが逃げ隠れたのは、今では廃業になった「ナミヤ雑貨店」。そこの店主はお客の悩み事を聞いており、その実績は雑誌にも特集されたらしい。

ある夜、すでに廃業している雑貨店に一通の手紙が届く。内容は「オリンピックを目指すべきか、大病を患った恋人のために夢を諦めるか」という女性からの手紙。

最初こそ悪ふざけで返信したものの、どうも話が噛み合わない様子(ちゃんと返事が来るのだ!)。聞けばこの手紙は過去から送られているのだと気付く。

過去と未来(今)が交差し、張り巡らされた伏線は見事に繋がり合う。その辺りは、東野圭吾の力量が垣間見える。

9・10月の読書会スケジュール

9月28日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!

10月12日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
10月19日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!
10月26日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会

ご興味ありましたら、コメントや各種告知ページにて是非お待ちしております!

皆様とお話できるのを心よりお待ちしております(*^^*)

いいなと思ったら応援しよう!

川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。