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上野駅の13番ホーム・20年前と現在
この記事では、上野駅13番ホームの20年前と現在の姿を紹介します。寝台特急が発着していた時代をふりかえる記事として、お楽しみいただけたら幸いです。
■ 13番ホームとは
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上野駅の13番ホームは、現在1番から17番まであるホームのうちでも特殊な存在です。
13番ホームは、車内放送で「低いホーム」と案内されることもある地平ホーム(13〜17番)の一番西側(上野公園側)にあります。地平ホームは、線路が行き止まりになった頭端式ホームで、中央改札口と直結しています。
13番ホームは、11・12番ホームや大連絡橋の真下にあるため、陽の光がほとんど入らず、薄暗い場所になっています。地上にあるのに、昼も夜も暗いという点では、ちょっとした「非日常的空間」と言えるでしょう。
現在13番ホームでは、宇都宮線や高崎線の中距離列車が発着しています。
しかしかつては、それに加えて、寝台特急をふくむ夜行列車も発着していました。私は大学時代(1993年頃)、13番ホームから急行「八甲田」(上野・青森間を結ぶ座席のみの夜行急行列車)に乗ったことがあります。現在は、後述するクルーズトレインがここで発着しています。
つまり、13番ホームは、「非日常的空間」であるだけでなく、「旅立ちの場」なのです。
■ 寝台特急が発着していた20年前
今から20年前の2005年、私は独立したばかりで、「デジタル一眼レフカメラを使う練習」と称して上野駅13番ホームをたびたび訪れ、寝台特急の写真を撮っていました。
当時13番ホームから出発していた定期運転の寝台特急(下り)は3本ありました。札幌行きの「北斗星」、青森行きの「あけぼの」、そして金沢行きの「北陸」です。札幌行きの「カシオペア」は1編成しかないので、臨時列車として扱われていました。
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■ 待合所としての五ツ星広場
13番ホームは、もともと飾り気のない場所で、待合所はありませんでした。
ところが2005年当時は、「五ツ星広場」と呼ばれる待合所があり、寝台特急の利用者が使っていました。
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■ 訪れた転機
この約10年後の2015年3月のダイヤ改正で、13番ホームは転機を迎えました。
まず、ここで発着する寝台特急が事実上消えました(臨時運転を除く)。最後に定期運行した寝台特急は「北斗星」でした。
また、上野東京ラインが開業したことで、地平ホーム(13〜17番)を発着する列車の本数が大幅に減りました。宇都宮線・高崎線・常磐線の列車のほとんどが、東海道線に直通するようになったからです。
2019年末に世界がコロナ禍に突入すると、地平ホームはさらに寂しい場所になりました。利用者の減少にともなう減便によって、旧特急ホーム(16・17番)を発着していた特急列車の運転本数が減ったからです。
■ 現在の13番ホーム
このような地平ホームの状況を、変えたかったのでしょう。
JR東日本は上野駅の13番ホームを「PLATFORM 13」としてリニューアルしました。同社のプレスリリース(2024年7月29日付)には、全体開業日は2024年8月1日で、「PLATFORM 13の概要」が次のように記されています。
上野駅 13 番線地平ホーム壁面に全 17 面(高さ約 2.4m、全長約 100m)のプロジェクターを設置し、映像アート作品やコンテンツムービーなどを圧倒的スケール・臨場感で放映することでホーム全体を使った映像体感空間として、上野駅の集客の起点となる機能を担います。スピーカー、電源設備、ピクチャーレールなどに加え、放映コンテンツ等の世界観に合わせたカラー演出が可能な色調整機能も備えており、多様な空間演出が可能です。(13 番線ホームは電車発着ホームとしても引き続き利用します。)
私が初めてリニューアル後の13番ホームを訪れたのは、2025年1月10日でした。ニュースは知っていたのですが、行くのがだいぶ遅れてしまいました。
現地に行くと、すっかり変わった13番ホームの姿がありました。
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なお、現在の13番ホームには、JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」の待合室があります。この列車の利用料金は、かつての寝台特急よりもはるかに高価です。利用者は、13番ホームと14番ホームの間にある通称「13.5番ホーム」を利用して乗降します(出典)。
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今後、上野駅の地平ホームがどうなるかはわかりません。上野の一等地にあるのに閑散としているので、いつ商業施設に転用され、「エキナカ」の一部になっても不思議ではないでしょう。
ただし、13番ホームが「非日常的空間」や「旅立ちの場」として現在まで残り続けたことは、私個人としては「よかった」と感じています。
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