凝りまくった造本がすごい 武井武雄展
先日、目黒区美術館で開かれている武井武雄展に行ってきました。造本や装幀に興味がある人は必見かもしれないと思いました。素晴らしい展示です。
武井武雄は子供向けの絵本などの挿絵を芸術的なレベルに高めた「童画」の作家として有名です。
一方で小型の「刊本」作品など、凝りに凝った造本でも知られているそうです。
今回の展覧会は童画や版画など武井の作品が盛りだくさんで展示されていますが、わたしは特に、武井が造ったたくさんの本に目を奪われました
小型の「刊本」以外に大型の豪華本もあります。
戦中に限定200部で出版された『地上の祭』は12枚の銅版画を特注の「越前鳥の子紙」に直接すり込んだもの。「一度でいいから遺憾のない本を作ってみたい」(武井)という意気込みで出版したそうです。人面不死鳥の表紙も厳かで格好いい。中の銅版画も展示されていましたよ。
いろんな本の挿絵も美しい。ちょっと不思議な雰囲気が良いです。
書籍以外に「童画」などの絵画作品もたくさんあって見応えある展覧会でした。
こけし図譜など民藝寄りの作品も興味深かったです。
展覧会は2024年8月25日(日)まで。その後は石川県金沢市、愛知県一宮市へと巡回するそうです。