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川端堂おすすめの書籍

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東京・神保町のシェア型書店「SOLIDA」の棚主「川端堂」です。気に入った本をこちらのマガジンでご紹介します。随時更新していきます。既に売れてしまった本や、手放すのが惜しく販売し…
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#岩手県

岩手県・鳥越竹細工の魅力が詰まった本『かごを編む』 

世田谷美術館の企画展「民藝 MINGEI」を見て岩手県・鳥越の竹細工に興味を持ったわたしは、さっそく『かごを編む』(文:堀惠栄子、写真:在本彌生)を買って読んでみました。柴田恵さんという現地の職人をクローズアップして鳥越竹細工を紹介した本です。 岩手県一戸町の鳥越竹細工は作り手の高齢化が進んでいる上、材料であるスズタケの減少という危機に瀕しているそうです。なんでも120年周期で起きる大量枯死現象の可能性があるとのことですが、詳しい原因は分からないそうです。 柴田さんは自分

木々が語り掛けてくるような写真集: 畠山直哉『津波の木』

今年3月に出た畠山直哉氏の写真集『津波の木』をすぐに買いました。東日本大震災で津波に遭っても残った木々の姿を撮影したものです。岩手、宮城、福島の沿岸を巡ったそうです。 枯れたものもあれば、元気に茂っているものもある。枯れ木はまるで白骨のようにも見えます。 ページをめくるたびに、いろんな木の写真が現れる。立ち姿はさまざまです。1本だけで何かに抗うように屹立しているものもあれば、何本かが集まって身を寄せ合っているような木々もある。まるで夫婦のように見える2本の木もあります。