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続・京葉線快速縮小問題⑥【速報】2025年3月ダイヤ改正プレスリリースを見る
2025年3月ダイヤ改正のリリース
今年も3月ダイヤ改正が発表された。本noteの発端にもなった京葉線通勤快速廃止・快速大幅縮小の衝撃から1年、今回は速報的にみていきたい。
【JR東日本プレスリリース】
https://www.jreast.co.jp/press/2024/timetable/
【千葉支社プレスリリース】
https://www.jreast.co.jp/press/2024/chiba/20241213_c01.pdf
京葉線関係の改正概要
西船橋駅~海浜幕張駅間で一部の時間帯に2往復増発
夕夜間帯の下り各駅停車を快速列車に変更
朝時間帯および夕夜間帯に運転している一部快速列車で所要時間短縮
昨年度の反動か、全体的に小規模な修正にとどまる印象を受ける。
西船橋駅~海浜幕張駅間で2往復増発
西船橋間~海浜幕張で夜間に2往復増発する内容。精査は出来ていないが、2024年ダイヤでは夜間の運転間隔が不均衡で、イベント開催時の海浜幕張駅入場制限は悪評高く、これらの改善が見込まれる。
習志野市長が大騒ぎした新習志野駅視点で見ると、同駅入庫列車もあり平日6本、休日5本発着本数が増える。市長は喜んでほしい。
西船橋〜海浜幕張方の言及がある一方、東京〜西船橋方の増発言及がない。これまでの増発時にはプレスリリースへの記載があったことを踏まえると、今回は東京方増発は無しだろうか?
夕夜間帯の下り各駅停車を快速列車に変更
夕夜間帯下りに、平日は16時台と21時台の2本、休日は21時台1本を快速化する内容。
【平日】
東京16:02→新木場16:10→海浜幕張16:31→蘇我16:43
東京21:21→新木場21:29→海浜幕張21:50→蘇我22:02
【休日】
東京21:21→新木場21:29→海浜幕張21:51→蘇我22:03
直近予想の通り、下り16時台については新木場駅断面で上り快速設定があり、下りでも設定される運びとなった。
加えて、既設定の20時台の後となる21時台に1本の設定となった。蘇我行き設定となった点も意外だが、これまで快速化は内房線直通・外房線直通の1本ずつペアでされており、「21 時台は利用減により快速と各停併存が難しい」→「快速化は1本のみ」→「片方のみ直通設定は出来ない」→「蘇我行きとしての設定」になったものと推測できる。
沿線自治体から要望が多かった夕夜間下り快速化だが、想定よりさらに小規模にとどまり、「通勤快速」 の復活どころか「快速」ですら17~19時台の設定は見送りとなった。内房線・外房線直通の快速化はなく、蘇我から先の自治体・利用者にとっては一層厳しい内容となっている。
また、千葉市等が要望してきた夕夜間の上り快速設定は言及がないため、増設定はなさそうである。
一部快速で所要時間を短縮
朝時間帯・夕夜間帯といえは9月に設定された快速だが、東京・蘇我間で47~49分程度の所要時間と遅かったところ、短縮されるようである。実際、今回設定された下り快速は東京・蘇我間41分と速い。9月ダイヤ変更で設定された快速はやや歪な設定であった形跡が見られ、改善される模様。
その他
詳細不明ながら、全社リリースでは武蔵野線増発、京葉線は輸送体系を見直しとあり、京葉線系統は減便がなされる可能性がある。
全社リリースの方にさらっと「京葉線で一部の輸送体系を見直し」とあるな…。まだ減るのか…。 pic.twitter.com/9XXZdY4VMP
— 鏑木 (@kavuragi_) December 13, 2024
総括(個人の感想)
2024年9月ダイヤ変更では朝と夜間の快速設定がされたことから、個人的な願望としては夕方17~19時台の快速設定を模索してきた。一方で、9月変更時と異なり発表前の動きが報じられなかったことから大きな変更なしと予想していた。
懸案の京葉線快速問題は9月のときと異なり事前の動きが全く報じられないのでほぼ変化無しと見てる
— 鏑木 (@kavuragi_) December 11, 2024
また、本noteでも直近検討はその観点で行っていた。
結果としては後者の(沿線民にとっては悪い)予想が的中した。
快速増設定について改めて整理すると、16時台・21時台の「夕夜間帯の快速2本増」となり、9月改正に次いで微増となった。整理すると下記表のようになる。
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今回2025年3月では快速増設定は僅か下り2本、上りゼロとなった。「夕夜間帯の快速増」とは言え、依然として帰宅時間の中心時間帯からは外れている。2024年9月変更では朝ラッシュ時前後への対応があったことから、3月改正では夕方の快速設定を待望してきたが、JR側は基本姿勢を崩すことはなかった。特に新木場駅混雑を問題視する17時台~19時台の快速設定は上下とも綿密に排除されている印象を受ける。
2024年9月ダイヤ変更は暫定的なもので本格的な復元は次期改正と、勝手に思い込んでいた節があるが、振り返ればJR側からそのような発言は一切なく、言い換えれば2024年9月変更時点で出来る手はほぼ打っていたことになる。さすがに年度途中の再改正はもう無いものと思われ、当面は2025年3月ダイヤが固定化するものと思われ、今後も夕夜間に掛かる上下快速の復元は厳しい見通しとなった。
この1年間、JR側は新木場駅の混雑に課題認識を持っておきながらハード面での追加施策はなく、沿線自治体側も「協議する」と言いながら何もできていない。1年経過してこの結果では、沿線民兼鉄ヲタとしては残念な結果と言わざるを得ない。新木場駅混雑に課題があるならば、施設管理者(JR)として施設改善に努めるべきで、千葉市以西利用者が被害を被るのは腑に落ちない。
一方で、2024年9月ダイヤ変更はJRが折れた形で自治体も概ね評価しており、この問題のメディア露出も大きく減少、一般利用者視点では決着したものと捉えられており、騒いでいるのは(筆者のような)鉄ヲタだけだったのかもしれない。
不満は尽きないが、1年前の衝撃のプレスリリースと比較すれば、JR・沿線自治体の協議などを経て、昨年12月リリース後の修正、9月のダイヤ変更、そして今回と段階的に朝夕の快速設定が復元されてきたのも事実である。本noteが影響を与えたことなどは皆無ではあるが、やはり利用者としての声は上げていかねばならないと感じるところになる。
今回は「速報」として個人感想が中心となったが、次回はプレスリリースや各種報道の精査・分析をしてみたい。