ナントカ村のシナクテハさん

大好きなものが 消えていく
その前に 何とかしなくてはと思うのだけど

生きる中での慶び事は 泡のように消えていくのに
苦しいことや悲しいことは 長く長く尾を引く 納豆のように
なぜだろう

道で 下校中の小学生たちとすれ違う
小学生時代 生きてることは不思議でも 生きることは疑わなかった
色々難しくて 生き方を見失った中学時代
とりあえず無視し 生を謳歌しているフリをしてみた高校時代
大学時代 いろんなものを捨て新しく生きると思ったら
前にも増して生きる意味がわからなくなった
転がるようにオトナの仲間入りをして 頑張ってみたけれど 
何も変わらない 何も掴めない
生きることに倦み 漠とした希望は悲哀と虚無にのみこまれた

それでもやっぱり生を捨てきれなくて
ナントカシタイ ナントカシナクテハ ドウシタライイ
呪文のように唱え続けた

ナントカ村には色々な住人がいる
ナントカ シタイ人
ナントカ シテイク人
ナントカ ナッテル人
ナントカ ナッタ人
となりのナントモ村には ナラヌ人 ナラナカッタ人 もいる
分かれ道にあったものは ナンでしょう

時間だけがあまりに過ぎて
アア ナントカ シナクテハ シナクテハ
早く どこか落ち着く村へ 行きたいものです

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