生きのびるための事務 を はじめてみる
本を読むことが苦手だ。
読み始めて数分後には、睡魔に包まれ目を閉じてしまう。
昼でも夜でも、紙でも電子でも。
今、38歳。
これまで読み切ることが出来た本は、パッと思いつくもので3冊。
みうらじゅん氏【「ない仕事」の作り方】
白洲 正子氏【白洲正子自伝】
金井 真紀さん【パリのすてきなおじさん】
・・・もうちょっとあったはず、と思って思い出した、
ほぼ日【岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。】
星野 源さん【働く男】
以上5冊。うん、まぁこんなもんだろう。
星新一さんの本も、西加奈子さんの本も、原田マハさんの本も、気になる続きを読むには瞼が重すぎて、次第に他のものへと興味は移ろい、もう長らく開いていない。
そんな私が久々に読了したのが、
坂口 恭平さんの【生きのびるための事務】だ。
朝夜の通勤時間、湯船に浸かりながら、寝る前の自由時間に読み進めて、noteに書かれた計13頁を一週間で読み終えた。
一日で容易に読み切る人も沢山いるのだろうけど、私は一字一句、頭の中で音読しないと内容が入ってこない。加えて、心に響いた言葉があれば都度スクショし、人差し指で丁寧にマーカーを引く。細線と太線を使い分け、電車の揺れで線が曲がったら引き直し、句点やカギカッコも置き去りにはしない。そういう無意味なこだわりを繰り返しながら、しっかりじっくり読み込んだ。
生き方に悩み彷徨い続けている自分にとって、物凄く参考になる内容に違いないことは、はじめのページを読んでいる時点でビシビシ感じていた。
で、これは即実行しないと読んだ意味が無い、というか、勿体無い!
好きなことだけをして生きていくための、実用書と言っても過言ではないと思う。
早速、10年後の現実(24時間)を書いてみた。
こんな理想的な一日を過ごすことが、本当に出来るのだろうか。
出来るのならば、生き続けることも悪くはないかも。
むしろ、充実の毎日で生きることが楽しいかも。
そう思えるし、実現可能な気しかしてこない。
【生きのびるための事務】を読んでいると、ワクワクが沸沸としてくる。
根拠の無い自信にも似た感覚だが、それを実現するための『事務』である。
感興の趣くままに、ただ突っ走ってきた。
それが自分にとっての生きる意味と直結していた。
けれども、行った先々で知ったのは、継続したいことではないという残念な心地悪さだった。
やりたいことが無くなって、生きる目的が分からなくなって、ただ生き続けることがしんどくて、それでも呼吸が続くことに暗澹としていたけれど、微かに光を感じられるようになってから、長年付着していた分厚い絶望感が、少しずつ和らいできた。
noteの登録時にあった、〈好きなジャンルを教えてください〉の頁。
アートと、写真と、音楽と、アニメと、ファッションと、旅行と…
「なんだよ、好きなもの、いっぱいあるじゃん」って、思わず涙が出た。
「あれもこれも好き」な自分らしく、好きな色々を続けるための事務。
倦まず弛まず、やってみよう。
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