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「トラウマ」について学んで自分を愛する力を取り戻す。

日常生活においても、トラウマになっちゃってさーなんて言ったり表現したりすることがあります。
それくらい、「トラウマ」という言葉は身近なものだなと思います。

ですが、じゃあ一体トラウマってなんなの?どうやってトラウマになっているの?と聞かれると、詳しく説明できない部分もあるかもしれないなって思います。

「赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア」

この本は私がおすすめしてもらって、分かりやすいな〜!と思った本です。
まだ全然、トラウマとは一体どういうこと?という感じだったので、こうやってフラッシュバックは起きるんだな、だから、トラウマ記憶によって苦しんでしまうんだなと理解することができた本です。

また、「赤ずきん」の物語を使って単回性のトラウマと複雑性PTSDについてもわかりやすく書かれているので、ストーリーに沿って読んでいくことで、自分の症状が複雑性PTSDによるものかもしれないという新しい視点をもらうこともできる本だなと感じていています。

それが「症状なんだ」と分かることはとても大切。

今日は、「赤ずきんちゃんとオオカミのトラウマ・ケア」から、知っているようで知らないトラウマについて、理解を深めていきたいなと思います。

単回性のトラウマとは

トラウマには、単回性のトラウマと、複雑性PTSDがあります。
単回性のトラウマは、異常な体験をしたと自覚できる出来事(例えば戦争体験や犯罪被害、事故や災害など)におけるトラウマになります。
この本の中でいうと、「オオカミに食べられそうになった」というのも単回性のトラウマ。
単一の事件によるトラウマでは、「再体験症状」「過覚醒症状」が強まることが多いです。

トラウマはセピア色にならない思い出

トラウマになってしまう記憶というものは、ショックが大きすぎる出来事のため、通常の思い出のように脳が処理することができません。
例えていうなら、お土産にお肉をもらった時、普通の記憶が「300グラムのお肉」だとしたら、トラウマ記憶は「30キロのお肉」のようなもの。
300グラムのお肉なら家に持って帰って料理して美味しくいただくことができますが、30キロのお肉をもらったらどうでしょう?大量すぎるので持って帰っても冷凍するしかありませんよね。

トラウマ記憶もそれと同じように、体験として一度に咀嚼するには大きすぎるため、脳の中で冷凍保存されてしまいます。
冷凍保存された記憶は、なるべく思い出さないようにしまい込まれ、「解離」といういつもの自分とは隔てられた冷凍庫に冷凍されています。
そして、その中にはトラウマを受けた時の五感、感情、認知や思考がその時のまま冷凍保存されていることになるんです。
そのため、トラウマ記憶はそのままにしておくと何十年たっても「セピア色の思い出」にならず、新鮮なまま保管されています。

冷凍保存された記憶が溶け出す時

冷凍保存された記憶は、一部分だけ溶かして解凍ということができません。
そのため、一度溶け始めると、その時の感覚、感情、認知、思考すべてが溶け出し、生々しく蘇ってくることになり、これをフラッシュバックといいます。

フラッシュバックが起きると、強烈な感情に圧倒されるため、また冷凍(回避、抑圧、解離すること)して見えないところにしまい込むしかありません。
こうして、再体験してはまた冷凍するということを繰り返してしまうんです。

<つづく>

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