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サブスクの始まりはココだった?!フェリシモの進化とは


「サブスク」いまでは一般化していますが・・・

近年、日本でも急速に普及しているサブスクリプション(定額制)利用者が月額料金を支払うことで、さまざまな特典やコンテンツにアクセスできるという仕組みですが、最大の魅力は、利用者にとっての便利さと多様性です。

さまざまなジャンルのコンテンツが提供され、利用者は自分の好みや興味に合わせて、豊富なコンテンツから選ぶことができます。

そんなサブスクですが、この原型とも言われる形が27年前の1996年にすでに始まっていたということはご存じでしょうか?

その原型とは「フェリシモ」の定期便です。
フェリシモは、通販会社なのですが、独自の商品開発と販売を行っています。
その特徴的な点は、季節ごとのテーマに基づいたアイデア商品を展開し、それを「定期便」という形で販売していることです。

毎月定期的に様々なテーマやコンセプトに基づいた商品を届けるサービスなのですが、ファッション、美容、インテリア、食品、ホビーなど、幅広いカテゴリーの商品が用意されています。

ユーザーは自分の好みや興味に合わせてテーマを選び、定期的に商品が届くことで、新たな商品やトレンドを楽しむことができます。

商品はサプライズ感があり、届くまで中身が分からないことも特徴的です。
フェリシモ定期便は、忙しい現代社会で自分自身へのご褒美や楽しみを提供し、ライフスタイルに彩りを添える一つの選択肢として人気を集めています。

実は私は若い頃、フェリシモユーザーでした。

ハマったきっかけは、何といってもカタログのかわいさです!
なぜかよくポストに入っている通販カタログ。
その中でもフェリシモは雑誌のようにおしゃれでかわいい他とは全く違う仕様で、とても心を惹かれました。

実際に掲載されている商品も、原宿のこじゃれた雑貨屋さんにしか売っていないんじゃないかと思われるようなものばかり。

1度頼むと毎月届く幸せと、どのようなデザインなのかわからないワクワク感。
実際に、私はこんなものを定期便していました。

レースデザインのお皿です。お客様用として今でも大活躍です(筆者撮影)
有名な500色鉛筆です。毎月ごとに「色鉛筆(色の名前もユニーク)」が届きま
す 勿体なくて、なかなか使えません(筆者撮影)

都内のおしゃれな街に行かなくても、雑貨屋巡りをしたように感じるフェリシモを大いに活用していた私でしたが、徐々に購入をしなくなってきてしまいました。

さて、それはなぜか・・・。

やはり、Google・楽天・Amazonの台頭は私の買い物環境を大きく変えました。
今まではお店に直接買いに行くことを主体として、そこにはない珍しいものは通販(私の場合はフェリシモ)を活用していました。

しかし、ネットの普及、スマホの普及によって、世界中の商品にアクセスできるようになり、ネットショッピングは急速に普及しています。ネットで何でも調べられる、そして購入もできる状況に便利さと多様性を大きく感じ、ネット販売の使用頻度が格段に上がりました。

気がつくと、いつのまにか、私がフェリシモから離れて十数年・・・・

最初にも記載しましたが、サブスクという言葉が話題となりふと思い出したのが、フェリシモは最近、どうなっているのだろうか?ということ。
調べてみると、大きな変化を遂げていたのです!

そんなネットショッピングが当たり前になっている現在。
フェリシモはどんな進化を遂げていたのか?


今まで通りの定期便を主体としていることに変わりはないのですが、
「とにかく自由な定期便」という名前とコンセプトで、
1回のみのお届けパターン(通常のネット通販と同じ)や
毎月お届けするパターンのアイテムでも途中でストップすることが可能になったり。
「いっしょ買い」という他のものとまとめて購入すると割引になったり。
(店舗での「2枚買うと〇%引きです~」と同じですね)

フェリシモのHPでは、
「しあわせ社会学の確立と実践」を経営理念に永続的な
しあわせ社会を創造することを目指しています。
わたしたちは事業を通してそのきっかけを創り、
しあわせの循環を生み出す存在でありたい。
と、理念が掲げられています。

社名の「FELISSIMO」は、「最大級で最上級のしあわせ」を意味します。
これは、フェリシモの経営理念「しあわせ社会学の確立と実践」を明確に表現する名称だそうです。
この理念のもとで、実際に、通信販売だけではなく、しあわせな生活文化を考えた活動も多く行われています。
たとえば、

・地域との繋がり(和歌山県と提携した地域産品のサブスク化)

和歌山県庁 プレスリリースより

・地域施設のプロデュース(神戸ポートタワーの運営)

株式会社フェリシモ 公式ホームページより

・国際問題への関わり(ウクライナからの避難民のモデル起用/寄付/商品開発)

株式会社フェリシモ 公式ホームページより

また、
「フェリシモ部活」という「同じキモチをもつ仲間とともにかなえたい夢や新しいチャレンジを楽しむために誕生したステージ」という、好みをあえて絞って顧客のコミュニティをつくる取り組みがあります。おそらく、顧客の定着化を図る狙いがあるのではないかと思います。

Amazon、楽天は検索ベースで商品をカテゴライズして販売をおこないますが、フェリシモはカテゴリーをコミュニティ化してるのです。

好きなキモチの仲間がいるコミュニティで商品を購入する。
今までにない、新しい形の販売方法なのではないでしょうか。また、「部活」という名称は、フェリシモ社員と顧客が一体となって盛り上がることができ双方が楽しみながら活動できる素敵な活動だと思うと共に社内の風土や社員の働きやすさも感じられます。

ちなみに、
以前の私の記事(お客様を仲間にして、企業目標を達成するコミュニケーション)でも記載したスタバの「タンブラー部」はこちらからインスピレーションを得たのでは・・・と勘ぐってしまうくらいです。

私の知らない間に、大きな進化を遂げていたフェリシモですが、時代に合わせて変化をしていった、というよりも経営理念を突き詰めて、この形に進化していったというほうがしっくりいく気がします。

色々調べて行くうちに、
「フェリシモ部活」のひとつ、猫部に入会してしまいました。
また、フェリシモユーザーに返り咲きそうな予感です。


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