見出し画像

アニメ×コスメのコラボ構造-#3


“アニメとコスメのコラボ構造”のお題で、 AIが作成

アニメはエンターテインメント市場の主役

前回では、コスメ市場の各ブランドが「買う理由」と「買うきっかけ」を必要としている状況についてお話ししました。今回は、アニメの状況についてお話します。

アニメは今や、エンターテインメント市場の主役となっています。それを裏付けるデータとして日本映画の歴代興行収入成績をご覧ください。

KAUKOTO.jp が作成

図にあるように、アニメ作品は、上位10位中、9つを占めています。
つまり、日本のエンターテインメント業界はアニメ抜きでは成り立ちません。

かつては、アニメ=子どもが観るものでしたが、現在はアニメ=大人も子どもも観るものになっており、大人もはまれるストーリーの深いアニメや、考えさせられるアニメも増えています。

この傾向は、多くの人が実感していると思われますが、さまざまな調査データでアニメを観る年代の幅が広くなっており、普段よく見る番組は「アニメ」と答える人の割合は10年前、20年前よりも増え続けています。

アニメを拡げるプラスアルファのビジネスが必要

このように、日本社会に幅広く支持されているアニメですが、アニメビジネスは、作品が観られること以上に、映像作品を観る以外の形態で「買ってもらう」ことが重要になっています。
古くは『スター・ウォーズ』という映像作品(映画)から世界市場(玩具など)が生まれたことが有名です。

ひとつの映画作品から何十年も続く市場ができた大きな理由は、映画作品からのおもちゃなどの関連商品をつくる版権を明確にして、おもちゃや衣服をはじめ、さまざまなグッズから、収益を挙げられるようになったことが挙げられます。


出典:『日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する』
経済産業省 経済解析室 2017年

狭義のアニメ市場(アニメ会社の売上を中心とする)と広義のアニメ市場(周辺市場も含む売上)を比較すると、7.5倍もの差があります。データの年代は10年ほど前ですが、この構造は現在も続いていると考えられます。

観る以外の形でファンが「買うこと」ができる、つまり、お金を使えることによって、ビジネスとしての収益が格段に大きくなります。当然、認知拡大も期待できます。
「広くファンが関われる=買うことができる」と、その収益と認知の拡大から、次の作品への投資も行いやすくなります。

このように、アニメにとって、より広くビジネスが拡がる版権ビジネスはとても重要な意味を持っており、積極的にならない理由がありません。

アニメとコスメは相思相愛の関係

コスメは、「買う理由」「買うきっかけ」を求めていて、アニメは、「広くファンが関われる=買うことができる」機会の拡大を求めています。

 アニメ作品がコスメの「買う理由」「買うきっかけ」となることは、アニメにとって「広くファンが関われる=買うことができる」になるので、お互いにメリットが生じるwin/winの関係にあります。

でも、どんな作品でも、相乗効果が生まれるわけではありません。絶大な知名度を誇る、ドラえもんやアンパンマンがコスメブランドとのコラボが実現しても、コミカルな話題性が生まれるかもしれませんが、コスメを「買う理由」「買うきっかけ」には、きっとなりません。

a・コスメブランドの世界観

b・アニメ作品の世界観

c・それぞれのファン層

この3つの要素が相乗効果を生み出すには、ブランドと作品の世界観への理解と企画力が不可欠です。

こんなコラボがあったら私は絶対買います!!

【LiPPS×口紅】

たとえば、『LiPPS』というガールズグループがあります。
『LiPPS』は「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する、5人組ユニットです。
(アイマスとかデレマスという略称で呼ばれています。)
アニメとコスメのコラボ案として、この『LiPPS』と口紅とのコラボが実現したら、私は絶対買います。

1つではなく、最低でも5本(5人分それぞれ)は買うと思います。

女性ファンからの人気もあります。いままでに光るおもちゃとお菓子の組み合わせといった商品はあっても『LiPPS』世界観を深く理解して現実世界に繋ぐコラボはまだありません。
コスメブランドにとっては新規顧客層に向けた「買う理由」や「買うきっかけ」をつくることができるので、既存顧客の購入と、新規の顧客形成の両方が期待できます。
『LiPPS』にとっては、ファンアイテムとしての売上と、『LiPPS』のイメージアップ(リアルなコスメとコラボできる)が期待できます。

まさに、『LiPPS』-コスメブランド-お客様の三方良しで、win-win-winです。

まとめ

アニメとコスメがお互いにメリットのある形でコラボする構造には、作品の版権やマーチャンダイジングで売上を大きくしたいアニメと、競争の激しい環境で選ばれる理由やお客様の「買うきっかけ」をつくりたいコスメブランドそれぞれの背景があります。

それぞれの背景もそのままでは結びつきません。
大事な要素は、両者を結びつける熱意と企画力です。

ファンの視点とビジネス的な視点を両立させられるコラボの仲人(なこうど)のような役割の重要性が増すと思います。仲人というと古めかしいイメージがあり、現実の社会に仲人はほぼいなくなって、マッチングアプリの時代になっていますが、相乗効果を生み出すコラボには、きめ細かいすり合わせが必要です。

アニメとコスメのコラボを成功させるのは、合理性に反するような熱意とこだわりです。
これは、AIやプログラミングでは代替できない“人の仕事”になると思います。


書いた人