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総務省「家計調査」で、地域特性を生かした「売ること」を考えてみた



総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)サイト、家計調査のページより

2月の「家計調査」の意味

総務省から毎月の家計調査が発表されるのですが、2月の発表では都道府県所在地と政令指定都市を対象にした前年度1年間の集計が発表されます。
これで何が判るかと言うと、さまざまな地域や街のユニークな消費傾向です。
たとえば、、、

奈良市は、「チョコレート」の消費支出額が第1位
ハンバーガー」の購入額は、高知市が1位!
「ぎょうざ」品目で、浜松市の年間支出が全国1位
山形市が「ラーメン」消費額日本一
パン」の消費額 神戸市が日本一!
岐阜市が1世帯あたり「喫茶代」支出額が4年連続日本一
1世帯あたりの「納豆」の購入額1位は盛岡市
水戸市の「メロン」購入額は12年連続で日本一!
そば・うどん」の消費額はダントツ1位が高松市

いわゆるサンプリング調査なので、すべての世帯が調査対象ではなく(たとえば、学生の単身世帯や外国人は対象外)現実をそのまま反映しているわけではありませんが、長年の蓄積で、大きな傾向を掴むことについては、信頼できる調査となっています。
つまり、何年間も連続日本一となっていることについては、地域の特色が出ています。
また、「ぎょうざ」は、浜松市と宇都宮市と宮崎市が毎年順位を競い合っています。
「ラーメン」も山形市と新潟市でトップを競っていて、今年の発表では、山形市役所に地元のラーメン店主達と市長が集まって発表を見守り、結果を受けて「くす玉」が割られるという祝賀ムードが演出されました。
山形市では、氷入りの名物「冷やしラーメン」を開発し、官民が協力して夏場のラーメン消費を促すことで、他市よりも多くの消費(額)をつくることに成功したようです。

売場づくりに応用できるのでは?!

メディアが煽っているという見方もできますが、この政府公認の全国ランキングを活用することで面白い売場づくりができるのではないでしょうか。
たとえば、
**市で、毎年2位の□□□をみんなの力で1位にしよう!
(□□□が地元産業と結びついているととてもいい)

毎月の家計調査をお店のチラシや行政の広報で告知しながら、いま何位!と発表
(1位になったら、大セールをするなど特典も予告)

結果を受けて、特典を実行!
うまく行かなかったら、失敗要因を分析して商品開発などを行う。
こういうサイクルを回せると「買うこと」に地元への応援や、社会貢献的な要素を加えることができますよね。
そして、この構造はHAYAKAさんが「お客様を仲間にして、企業目標を達成するコミュニケーション」で紹介してくれたスタバのキャンペーンにも通じます。

課題もあります。

地域ぐるみの盛り上げが必要なので、流通店舗だけ、市役所などの行政だけ、メーカーだけでは、お客様に楽しんでもらいながら参加してもらう環境をつくること、そして、つくってから維持することが難しいと思います。

さまざまな関係者の連携とお客様との向き合いを同時に行うつなぎ役が必要になるはずです。上手く行っているパターンの多くには、つなぎ役になる人物がいらっしゃいます。そして、その人物が異動などで業務を継続的に対応できなくなった時に、仕組み化されていることは、稀です。
あなたの住んでいる場所や、好きなものはどう「買われて」いるでしょうか?
2月の「家計調査」*は、このページからエクセルデータで確認できます!
*正確には、表の4−1 <品目分類>1世帯当たり年間の支出金額,購入数量及び平均価格 
二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯のデータです。

総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)サイト、家計調査のページより

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