1993年9月 タイ・バンコクとアユタヤ小走り5
【まとめ】買物に徹した感のある午後。おかげで財布はすっからかん寸前。
それでも夕飯に寄ったふたり組は密かにレストランであだ名まで付けられ…
帰ってみれば人民服的な合羽でファッションショー。
9月13日(月) 後半戦
せっかく中華街に近いのて、ヤワラーなる所に行ってみる。
まずはお寺
【ワット・トライミット】(黄金仏寺院)
(注:ずっと後に知ったが、この仏様、もともと漆喰で覆われていたらしい。一部が剥がれ落ち、下が黄金だと判ったのだと!)
街なかに繰り出す。
「金行」と書かれた店が目立つ。両替か?銀行のこと? (注:金を扱う店とずっと後になって知る。)「銀行」より確かに金色が多くて派手なつくり。
大きなプラ袋にえびせんみたいな桜麩みたいのをぱんぱんに詰めてあるものがいたるところに積まれている。軽そう。
中華街は所々漢方薬くさい。嫌いな匂いではない。
ここでユニオンジャックが背蓋についた黒いリュックを買う。1000円位。
携帯電話らしきものを持つ人も多い。とてもでかい。軍のトランシーバーか?てくらい。持っている人はどこか得意げにしている。携帯電話持っていたお姉さんに交差点で道を尋ねる。観光客だと言うと、どこに泊ってるの?と聞かれたので、バンコクセントラルです、と答えると「Uh, …cheaper」と訳知り顔で納得されてしまった。そして、自分はリージェンシーホテルで働いているのだ、と言う。泊り客じゃないんかい!?
中華街近くでみた不思議なもの。
最初左図のを見る。周りの花びらがケヤキっぽい明るい茶色の木で真ん中が赤っぽい。
斜めから見て気づく。棺桶だ! めでたそう。
法事かお葬式か、というお堂を覗く。のんびりと読経が響き、どこかのどかな風景だった。
奥が彫像。真ん中列がお坊さん?薄く白い上掛け。
一番手前は家族? 真ん中の人はそまつな被り物。あとは麻みたいな服。
あんがい座り方がラフ。
雨合羽の代わりを買おう、と中華街近くの横丁を歩く。
とある雑貨店に。中国人らしきおじさんが出て来たので、身振り手振りと漢字「雨」を使い、ようやく欲しい物を分かってもらえる。
で、軍人ぽい濃い緑系カーキのビニルバッグに入った合羽を見つける。厚手でちらっとみた感じではとてもしっかりしていたので、安心して買う。
280バーツ。
暑いので露店の果物や飲み物がうれしい。
霧果物の露店も多い。
ステンレスみたいな湾曲マナイタに果物のせて細いナイフで切ったものを、プラ袋に入れて竹串と砂糖・赤唐辛子の小袋を添えて、というのが主流だった。パイナップルやマンゴーやスイカや得体のしれないものや。
暑い中の果物がまた沁みる。
辻󠄀になっている場所に有名なお堂があるというので行く。
(注:単に当時は「サンプラプロム」と聞いていたけど、エラワン祠だった様子)
ご利益があるのかたいそうな人気。入り口で太くて長い線香、金箔などのセットを求め、お堂に参る。
脇の東屋みたいなところで専属の踊子さん?が6人いる。願いがかなった人がお礼参りにお金を持参してくるらしく、その額で「お礼の舞」をするらしい。
本日も何度か踊っているらしく、踊り子さんの数人はどこか気だるげな表情で身体だけ動かしている、という感じだった。
日系のデパートがあったので入ってみる。
その日はちょっと変なパンツをはいていたせいか、デパート内のトイレに入ろうとした時、店員さんから呼び止められた。
「何?」と聞くと、あっすみません何でもないです、と謝られた。
また、男と間違えられたらしい。
デパートで、せっかくなのでタイのビジュアル系メタルとヒットポップスの音楽テープを買う。
日本の少女漫画を一話読み切り分そのまま鏡コピーして開き方を逆にして科白をタイ語に直したペーパーバックも買ってみる。漫画背景のビルや細かい日本語表記が逆だったのがまた、面白い。
香水も多分免税店より安い。
面白いものが多くてつい買い過ぎ、帰りのサムロー代だけ確保していたものの、気づくとふたり合わせても300バーツ程度しか残っていなかった。
もう夕飯の時間なのに。ごめん自分散財し過ぎたよ。
しかしそこで無謀にも近くの大き目なレストランに入る。
シーロムビレッジというショッピングモール内。
店内は広く、半分屋外、半分屋内のつくりで観葉植物があちこちに配置されている。奥にはダンスステージみたいなものもついていた。
「いらっしゃいませ」と出て来た地黒のチャーリー・シーンをほうふつとさせる若い案内係のお兄さんに
「すみません、ふたりで300(サムローイ)バーツしかないのですがここで食事できますか?」
と尋ねたら、いっしゅん言葉に詰まったようだったがさすがサービス業、にっこり笑って
「大丈夫です、こちらへ」
と席に案内してくれた。そして、メニューを持って来たボーイさんに小声で何か説明していたが、ボーイさんも嫌な顔ひとつせず、
「なら、食べたいものをひとつずつ言ってください。300で収まるか計算していきます」と。
ふたりで「じゃあ、トムヤムクンと、ペキンダックと……」とやみくもに注文する。そのたびに、シーン氏とボーイさんは、はい、ここまでで125、それ入れて170、と真剣に返してくれる。
どうにか無事に注文を終えて、安心して注文を待つ。
一品目に舌つづみを打っていると、少し離れたところにお盆を持ってウロウロしているボーイさんがいた。どこに運ぶか分からなくなった様子、と、そこに仲間が来て訊ねていたが、小さな声で「あー、さむろーい?」と聞こえ(確かに聴こえ)、ボーイさんはうれしそうにこちらにお盆を運んできた。
知らないうちにあだ名をつけられていたらしい。まあ、どれも美味しいし店員さんちゃんと親切だから許す。
その代わりと言っては何だが、チップはなし。ごめんホントお金ない。
ホテルに帰ってから、合羽のバッグを開いてびっくり。
コートはビニルだが厚手でしっかりした上物だったが、コートを出した後にぽろり、と帽子が落ちたのに気づく。
同じ色で同じビニル製の、人民帽をかたどった帽子もついていた!
ふたりで交互に着てみた。あなたも私もあっという間に中国の人民指導者!といういで立ちに、しばしふたりで大喜びで合羽ファッションショーをとりおこなう(あまりにも恥ずかしい写真なので画像なし)。
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