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2023.05.21 東京都渋谷区立松濤美術館「エドワード・ゴーリーを巡る旅」
meの行きたかったイベントに合わせて上京、東京住みの家族Pと会うことになり、せっかくなのでちょっと気になる美術展に行こうか、といくつか行ってみた、そのうちのひとつ。
JR渋谷駅から歩いたような気もする。
渋谷区松濤2丁目にある渋谷区立松濤美術館。初めてかも(それとも二回目?)。お洒落な外観だった。
当時のTwitterで相互フォローの方々が「良かった!」と言っているのを拝見していて、若い連れのPが喜ぶかと一緒に行ってみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1730808640-uVcagdfZwGqiUr5QHNkEWyh4.jpg?width=1200)
「エドワード・ゴーリーを巡る旅」とある。
実はそれまでエドワード・ゴーリーという名を知らなかった、かもしれない。ポスターのイラストにしても、見たかも、見てないかも、程度で。
あまり期待せずに入る。
ギャラリーは若め(当人比)のおねえさんが多い。学生さんかも、とか、社会人の方かな?とか。
撮影可の作品もあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1730809943-8ov625Fu7IpQSdRVcMDTB4OK.jpg?width=1200)
はじめは、単なる暗めの版画だと思って見ていたのだが、壁や床の模様までペンで執拗に描き込んだ有様が、かなり印象深かった。
絵本などにも携わったようだが、出てくる主人公の少女など、子どもの表情が一様にうつろで、そこが異様に恐ろしく、また逆に魅惑的でもあった。
至る所に、不思議な生き物や虚無的な人物がはびこっている。人(子どもでも)の不幸や死が唐突なるテーマとなり、更なる虚無の中に、すでに乾いた笑いを浮かべるしかない達観にも近いものを感じるようになってきた。
特に気になったのが「うろんな客」の一連の作品。ここでも描き込みの細かさに目を奪われる。
ニューヨークシティバレエ関連のイラスト作品などもたくさんあったが、これは純粋に「推し」としてのエネルギーを感じた。
どことなく、トーベ・ヤンソンの作品にも見られるような厭世観や虚無感などと相通じるものを感じる。
展示物の充実加減にすっかり参ってしまい、後ろ向き(で全力疾走)な雰囲気が案外と気に入ったのでありました。
同行者Pも、かなり気に入った様子。良かった。
※ 展覧会からずっと後で、ウェルズの「宇宙戦争」でも挿絵を描いたのを知る。
これは見たことあるわー!と感動新たに。
確かにあの本も、スピルバーグ監督の映画版も、唐突なる人の不幸や死を次々と扱っていて、諦観にも似た想いに至る点では、共通項があるのかも。