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自宅と会社の往復の日々。虚無感とこすぎの大学。当時、人生二毛作目の8歳。

黒船と言われたiPhone上陸後、新しい価値創造に向けて越境と共創する過程で出会った企業間フューチャーセンターの仲間。仕事の観点では充実する日々が続いていましたが、いざ、自分の住む街に視点を向けると何も知らない、知り合いが一人もいない現実に気づいて虚無感に襲われました。

サードプレイスが増えていく中、地域がデッドスポットだと気づく

越境や共創の日々を通じて、多くの出会いがあり、僕の生活は充実していました。自宅でも会社でもない居場所である「サードプレイス」が話題にもなる中、会社という箱から飛び出したメンバーが集まって社会課題解決と新しい社会価値創造に取り組む「企業間フューチャーセンター」、会社の部門や役職などの枠を超えて集まる「ムサコ大学」の2つが僕のサードプレイスになっていました。自宅、会社、企業間フューチャーセンター、ムサコ大学という4つの居場所。

4つの居場所があって充実した日々を送っていると感じていたのですが、ある日、通勤中に虚無感に襲われました。自宅も武蔵小杉、会社も武蔵小杉。自宅と会社は自転車でわずか15分。タワーマンションの建設ラッシュで日々変わる街の姿。街のことを全然知らない。2002年に武蔵小杉に引っ越してきてから10年以上が経過するのに街の人を一人も知らない。友人どころか知人もいない。自分が住んでいる街(地域)が居場所になっていないことに気づいたんです。

地域での居場所探し

自分の住んでいる街(地域)での居場所探しが始まりました。自転車で通勤する時に公園に目を向けると太極拳で健康増進するコミュニティや、文化センターで将棋をするコミュニティなどが目に止まりましたが、飛び込もうという気にはなりませんでした。自分が興味ないというのもそうですが、一度入ったら抜けられないだろうという気配が満載だったためです...。

こすぎナイトキャンパス読書会との出会い

そんな時にググっていたら見つけた「こすぎナイトキャンパス読書会」。あまり読書をする僕ではなかったのですが、読書会だけど事前に課題図書を読み終わらなくてもO.K.、当日に持参するだけでもO.K.という敷居の低さに惹かれて、勇気をふりしぼって参加することにしました。2013年5月13日の出来事。僕が武蔵小杉デビューした記念日。
課題図書は『はなぼん』(著:花井裕一郎さん)。地元出身でない花井さんが、その街(小布施)に惚れ込んで図書館「まちとしょテラソ」を地域の居場所としてデザインしたという話。地元出身でなくても地域に関与できるという話を主宰者や参加者の方々と語り合ってワクワク&ドキドキした時間でした。

そして、読書会で僕を優しく温かく迎えてくれたのが主宰者である保崎さん、参加者の大坂さんや眞智子さん、国谷さんたち。のちに「こすぎの大学」を一緒に企画運営するメンバーとの出会いがありました。

20200801_読書会

こすぎナイトキャンパス読書会、ムサコ大学、こすぎの大学

こすぎナイトキャンパス読書会に参加し続けて、ようやく自分が住む街「武蔵小杉」に知り合いができました。読書会の後の懇親会でも語り合って、知人から友人に変わりつつありました。
会社の中で企画運営していた「ムサコ大学」を地域との接点にもしたいと考えていることを伝えたところ、こすぎナイトキャンパス読書会も読書会以外のイベントも開催しようと考えていることがわかり、一緒に武蔵小杉について学ぶコミュニティ「こすぎの大学」を立ち上げることになりました。

こすぎの大学を通じて解消された虚無感と喜び

「こすぎの大学」を立ち上げて企画運営する仲間や参加者の方々と交流し始めたら、街で「おーい、オカポン!」と呼びかけられるようになり、友人ができたと実感するようになりました。サードプレイス(居場所)として地域が追加されたんです。

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こすぎの大学を立ち上げる直前に勤務先が東京になったのですが、街で呼びかけてくれる友人がいると想像するだけで、武蔵小杉に帰ってくるのが楽しみになりました。そして、以前は友人だけでなく知人さえもいなかった街なので雑に接していたのですが、友人ができると同時に街との接し方も変化しました。誰かに見られている、監視されているという理由ではなく、大切な友人が一緒に住む街という理由から街を丁寧に過ごすようになったのです。

こすぎの大学を通じての学び

自分が住む街に知人や友人がいると、街との接し方が変わるということ。友人が住む街、友人と一緒に住む街と捉えるようになると、街を丁寧に過ごすようになる。周囲の人を他人(others)と捉えるか、私たち(We)と捉えるか。

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