【阪神タイガース】交流戦全カードを振り返る(対日本ハム・対ソフトバンク・対オリックス編)
こんにちは!かったーです!
最下位からの巻き返しに向けて、例年よりも交流戦の重要度が高かった阪神タイガース。
特に6月に入ってから状態を一気に上げて、12勝6敗の2位でフィニッシュすることができました。
交流戦前の時点で12個あった借金も6個にまで減らすことができ、順位を意識する時期ではありませんが、今季初めて最下位から脱出することもできました。
(1位ヤクルトとは12.5ゲーム差、3位広島とは2ゲーム差の4位)
そこで今回はリーグ戦再開までの期間を活かして、今季の交流戦を振り返っていきたいと思います。
第2回目は後半3カード(日本ハム戦・ソフトバンク戦・オリックス戦)についてまとめていきます。
阪神ファンの皆さんはもちろん、他球団ファンの皆さんにも楽しんでいただけると幸いです。
前半3カードはこちらです↓
それではいってみましょう!
6/3〜6/5 対日本ハム
6/3 9-7○(神:ウィルカーソン 日:上沢直之)
6/4 3-0○(神:青柳晃洋 日:杉浦稔大)
6/5 8-3○(神:伊藤将司 日:吉田輝星)
新庄BIGBOSS率いる日本ハムとの対戦が阪神の流れを大きく変えたと言っても過言ではないでしょう。
それぐらい阪神にとって内容の濃い3試合だったと思います。
非常に注目を集めた日本ハムとの対戦でしたが、初戦の初回から日本ハム打線が火を吹き、序盤3回までで6点差を付けられてしまいます。
ウィルカーソン選手が来日後初めて炎上し、正直この試合の勝ちを諦めた阪神ファンの方も多かったと思います。
(私もその1人です)
それでも選手たちが今季最大のドラマを見せてくれます。
大山悠輔選手の1試合3発・代打北條史也選手のしぶとい内野安打・長坂拳弥選手の併殺の間・代打山本泰寛選手の同点タイムリー・島田海吏選手の勝ち越しを決める押し出しなど、様々な点数の取り方で逆転し、勝ち切ります。
野手陣に目が行きがちな試合ですが、ウィルカーソン選手の降板後無失点を続けた5人の中継ぎ投手の活躍も見逃せません。
今シーズンがどのような形で終了するかは分かりませんが、少なくともこの試合が1つのきっかけになったのは間違いないと思います。
ここで生まれたBIGWAVEに今後も乗って行ってもらいたいですね。
2戦目は前日の良い流れに乗って青柳晃洋選手が8回無失点の圧巻投球を披露、BIGBOSSを唸らせます。
攻撃の方では大山悠輔選手が先制タイムリーを含む猛打賞で打線を牽引、快速上位打線の3連打も飛び出し、良い攻撃ができました。
同一カード3連勝を決めたい3戦目は高校時代に甲子園を沸かせた吉田輝星選手が相手先発だったこともあり、非常に注目を集めていました。
その吉田選手を相手に佐藤輝明選手のタイムリー・大山悠輔選手の3ランHRで4点を奪い、またも阪神が主導権を握ります。
特に大山選手のHRはインハイのストレートを完璧に捉えており、絶好調であることが素人目にも明らかな1発でした。
(あの金本知憲さんも「最高の技術」とベタ褒めしていました)
試合中盤に伊藤将司選手が日本ハム打線に捕まり、1点差に迫られ少し嫌な雰囲気が漂います。
それでも8回裏、堀瑞輝選手の四死球で2アウト満塁のチャンスを作り、代打小野寺暖選手が走者一掃となる右中間へのタイムリー三塁打を放ちます。
その後島田海吏選手にもタイムリーが飛び出し5点差をつけることに成功、守護神岩崎優選手の3連投を阻止できたという点においても価値ある攻撃だったと思います。
この3連戦は何よりも大山選手の絶好調っぷりが凄まじかったです。
3試合で「打率.700(10-7) 4本塁打7打点 出塁率.750 長打率2.000 OPS2.750」と日本ハムファンにトラウマを植え付けてしまいそうな脅威的な数字が残っています。
これほどの絶好調は何年かに1度レベルだとは思いますが、この試合後もコンスタントに結果を残し続けているので、今後も十分期待できると思います。
また選手たちの将来性・打者陣の積極性・度肝を抜くBIGBOSS采配など、日本ハムのことにかなり興味が湧いた3試合でもありました。
数年後にかなり強力なチームが完成しそうで、そこに辿り着くまでの過程を積極的に追いかけたい、そう思わせてくれました。
6/7〜6/9 対ソフトバンク
6/7 0-2○(神:西勇輝 ソ:石川柊太)
6/8 1-0●(神:西純矢 ソ:東浜巨)
6/9 4-0●(神:ウィルカーソン ソ:レイ)
交流戦最終週、敵地6連戦最初のカードはソフトバンクです。
1戦目を迎える前に1軍・2軍の入れ替えがありました。
セットアッパー湯浅京己選手と片山雄哉選手を抹消し、ケラー選手と脇腹を痛めていた梅野隆太郎選手が1軍昇格となります。
湯浅選手に関しては「リフレッシュ目的」の抹消で、実質1年目であることを考慮して1年間完走するために休ませたと金村暁投手コーチが明かしています。
またどこかでnoteにしたいと思っていますが、交流戦終了後の月曜日に岩崎優選手も「リフレッシュ目的」で登録抹消されていて、試合のない期間を有効活用する理想的な投手運用だと個人的にかなり好感を持っています。
湯浅選手はリーグ戦再開後に昇格してくるそうなので、また勢いのあるボールで三振を奪う姿が楽しみです。
そして昇格組に目を向けると開幕当初クローザーとして起用されるも滅多打ちにあい、2軍で調整を重ねていたケラー選手が合流しています。
2軍で防御率1.69 奪三振率9.56という好成績を残し、新球スプリットの習得にも励んでいたそうで、開幕当初とは別人のような投球を披露してくれました。
脇腹を痛めていた梅野隆太郎選手も1軍合流即スタメンで起用されると、今季初の西勇輝選手とのバッテリーでチームの完封勝ちに貢献します。
何よりも抹消前の”ゴロ・併殺量産状態”から脱却できていそうなのがチームにとって大きいです。
試合の方に目を向けていきましょう。
1戦目は先発西勇輝選手の粘りの投球が見られ、足が攣るというアクシデントもありましたがなんとか6回無失点で試合を作ってくれます。
梅野選手とのバッテリーで上手くカーブを使っていたのが印象的でした。
湯浅選手不在の中、岩貞祐太選手・アルカンタラ選手・岩崎優選手と7回以降繋いで行き、2点差ながら勝ち切ることができました。
少ない点差で勝ちに繋げる阪神らしい野球の1つだったと思います。
ところが2戦目以降はソフトバンクの強力投手陣に打線が苦しめられ、2戦連続完封負けを喫してしまいます。
そんな中でも2戦目は西純矢選手が7回1失点・プロ初昇格となった髙寺望夢選手が「8番セカンド」でデビューし初出塁するなど若手の躍動が見られました。
3戦目はウィルカーソン選手が2試合続けてらしくない投球をする誤算もありましたが、復帰後初登板となったケラー選手が素晴らしい投球を披露、十分戦力になってくれるだろう、そう思わせてくれました。
最速154キロのストレートに得意のカーブ・新球スプリットと以前より投球の幅も広がっており、まるで別の投手のようになっていました。
来日して間もない期間でクローザーに抜擢され、2試合続けて苦い経験をしてしまいました。
それでも心折れずに2軍で調整を重ねてくれたケラー選手は本当に「ナイスガイ」だと思います。
なんとか日本でのキャリアを成功させて欲しいですね。
打線の方に目を向けると、”快速上位打線”に当たりは出ていたものの、佐藤輝明選手と大山悠輔選手が封じ込められてしまったので、点数が思うように奪えませんでした。
特に佐藤選手はこの3連戦、初戦のライト前ヒット1本に抑えられ状態を心配する声が多かったと記憶しています。
とはいえこの不調の時期でもコンスタントに四球を選んだり単打が出たりはしていたので、59打席連続ノーヒットがあった去年よりは成長できています。
6連勝後に2戦連続完封負けという今年を象徴するような流れになってしまいました。
それでもそんな嫌な雰囲気を一瞬で振り払うことに成功します。
さあ、最終カードオリックス戦です!
6/10〜6/12 対オリックス
6/10 1-6○(神:青柳晃洋 オ:山﨑福也)
6/11 2-3○(神:伊藤将司 オ:山本由伸)
6/12 1-9○(神:ガンケル オ:宮城大弥)
最終カードオリックス戦、週末の”関西ダービー”ということもあり注目度は非常に高かったと思います。
1戦目の初回、2アウトから3番近本光司選手がツーベース、4番佐藤輝明選手が四球を選んでチャンスを作ります。
この場面で5番大山悠輔選手が先制のタイムリーツーベースを放ち、2戦連続完封負けの嫌な流れを振り払います。
とどめは5回表で、宗佑磨選手のエラー絡みで1点追加すると大山選手が特大の3ランHRを放ちます。
いずれも「2アウト走者なし」から繋いで得点を奪った点はかなり評価できそうです。
投手陣に関しては中5日で先発した青柳晃洋選手が球数かかりながらも7回無失点でオリックス打線を抑え込み、ケラー選手が失点してしまいましたが、6-1で快勝します。
青柳選手は交流戦3試合23.2回を投げて無失点と圧倒的な成績を残しています。
”エース”と呼ぶに相応しい選手に成長してくれましたね。この交流戦でパ・リーグファンにもかなり認知されたことでしょう。
続く2戦目は相手先発山本由伸選手に序盤から中盤にかけて抑え込まれます。
まさに手も足も出ないような状態で2アウトからチャンスを作ることは何度かできましたが、主軸が山本選手に抑え込まれ得点を奪えません。
ですが8回表、2アウトから近本光司選手が内野安打で出塁、佐藤輝明選手のライトへの打球を佐野皓大選手が弾きタイムリースリーベースになると、続く大山悠輔選手の3球目にパスボールがあり同点に追いつきます。
相手のミスに助けられた側面もありますが、3点目をやらない必死の継投をおこなっていたので、実を結んでくれて良かったなあと思っています。
試合は延長戦に突入、お互いに送りバントのミスがあり決めきれない状況が続きます。
決着は11回で先頭の佐藤輝明選手がレフト前ヒットで出塁すると代走熊谷敬宥選手が送り込まれます。
1アウト後熊谷選手が盗塁を試みると送球が熊谷選手に直撃、ボールが転々としている間に熊谷選手が本塁に生還し、阪神が勝ち越しに成功します。
いやー、痺れましたね(笑)
代走からでもヒーローになれる野球の奥深さを感じた試合でもありました。
3戦目はまさに”完勝”で文句のつけようがない試合展開でした。
近本光司選手・佐藤輝明選手・大山悠輔選手の3人で「6安打9打点」の大暴れ、主軸が打てば勝つという当たり前のことを再確認しました。
特に佐藤選手は前日のマルチ安打に続いて3安打の活躍で、9回表には5月29日以来となる特大の3ランHRを放ちます。
交流戦の最終打席で復調気配が漂わせることができたのは本人もホッとしたことでしょう。
主軸だけでなく”宮城対策”として1番で起用された山本泰寛選手の3安打1四球も見逃せません。
連勝中の打線を組み替えてまで起用した矢野監督の選手起用も素晴らしかったと思います。
”対左”に課題が残る島田海吏選手と山本選手を上手く併用することで打線の迫力を保つことができそうです。
リーグ戦再開後の選手起用にも注目です。
投手陣の方ではガンケル選手が完封こそ逃しますが、来日初完投勝利を挙げます。
ゾーン内でボールを動かすほぼ完璧な投球でゴロアウトを量産し、今季のベストピッチングを披露してくれました。
同一カード3連勝で交流戦を締めくくることができ、非常に良い形でリーグ戦再開を迎えることができそうです。
ありがとうございました。