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教授(坂本龍一)論 匿名ではなく、自分自身で発信する力
2024年1月28日(火)、仕事をしながら(私は会社員ではない)ふとYouTubeをつけた。
そこで、坂本龍一の意志を引き継ぎ、神宮外苑の樹々伐採中止を呼びかけるD2023主催のデモ運動をみた。
そこで、COMPUMA氏(コンピューマ 松永耕一さん)DJによる教授ミックスを聞いた。
選曲、DJプレイもすばらしいものだった。
なによりも、松永耕一さん、カッコよかった。
アルバム12からスタートし、千のナイフの冒頭のボコーダーを重ねるところが、センスだと思う。YMOからもビハインドザマスク、ノイエタンツ、パースペクティブが流れた。
セルフポートレートと、asyncのアンダンテが同じ解釈なアレンジもよかった。
COMPUMAさんはLos Apson?というレコード店にゲスト出演して最近知りました。
どちらかというと、DJよりのクリエイターさんだと思う。かえって、演奏しない方スタイルの方が教授の魅力を引き出している気がします。
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もう教授を聞いてきて40年になる。
教授がいなかったら、音楽をやってなかったし、ここまで、30年間音楽をつくり続けていないと思う。
今でも古さを感じさせないという言葉は教授にはふさわしくないかもしれない。
教授は 常に新しいという方が正しいのではないかと思う。
今聞いても教授は晩年まで常に新しいことに挑戦し、最後は響き、ノイズ、asyncに行き、そして音楽も自然に帰っていくような音表現をしたと個人的には思っている。
教授は学生時代、活動家をしていたと思います。
SNSがなかった時代から情報発信をしていました。
教授は時に音楽を通じ、社会に問題提起を送ってきました。
見えないネットの声ではなく、自分でしっかり意見を発信していくことで、自分のできることをやっていく。
行政や上層部の決めたことが、すべて正しいとは限らない。
今回のイベントの趣旨である神宮外苑の樹々伐採中止についても、海外では昔の文化や風景をしっかり残すことで、豊かな感性を育てるという動きが当たり前になっている。
こうして、美しい文化を守っていくことは大切で、そこからしか本当の豊かさは生まれないと思う。
もっと排他的でやらなければいけないところも沢山あるはずだ。
優先順位が違うのではないかと思ってしまう。
DJプレイで教授の曲を聴いて思うことは、教授は本当に楽曲を丁寧に仕上げているということだと思う。
真剣に運動している人が集ってメッセージを送る時に、真剣で丁寧な音楽が流れるとその場の価値が大きく変わる。
参加者の方は静かに聞いていたが、なにか音楽の中に見えない大きな価値があるような様子がした。
教授の残した音は暮らしの中に感性という価値を伝えていくと思う。
今の若い子は感受性が強いと思う。
どうすれば人生が豊かになるかをしっかり考えることが出来ている。
実際にレコードの音がいいといっているのは若い子だ。
実際レコードの音というのは一番深く、音がいいのだ。
そういう鋭い感覚を持っているのはスゴイ感性だと思う。
春には教授のラストセッティングのスタジオがオープンする。
その環境を使いレコーディングも可能となる。
ここからまた新しい文化がうまれていくのは素晴らしい事。
YMOの教授とソロの教授、ぜひレコードで教授を聞いて欲しい。
私もこれからも丁寧に音楽をつくっていこうと思います。