人工内耳手術日記4日目:手術当日
手術当日。0時から絶食・絶飲。早朝から看護師さんや研修医の先生などが代わる代わる来てくれて、変わったことはないか心配なことはないかと様子を尋ねてくれる。
自分の手術は2件目なので、お昼ごろかもしかすると午後かも…とのこと。血栓予防の弾性ストッキングをはいたり、きれいなパンツに履き替えたり(後で意識のないうちに脱がされるから)、大学の仕事をしたりして待つ。
水分補給のため補液の点滴。失敗されて2箇所刺される…。献血で失敗されたことは一度もないので、わかりやすい血管だとおもっていたのだが…。場所が違うからかなあ。
お昼を過ぎてもなかなか呼ばれないので、メールの返事をかいたり、学会大会の発表申し込みをしたり、もうすぐ改稿期限が近い論文の直しをしたりして過ごす。途中、とある嫌な気持ちになるメールが届いたのをうっかり見てしまう。この微妙に嫌な気持ちののまま麻酔がかかって悪夢でさめたらやだなと思って、呼ばれるまでは志村けんのくだらない(念のため付け加えておくが褒め言葉である)コントをYouTubeでみて過ごす。
14時20分ごろ「がんばりましょう!」ってテンション高く接してくれる看護師さんに付き添われて10Fの病棟から4Fの手術部ゾーンへ歩いていく。前の患者さんがストレッチャーで運ばれていくのを眼の前で見届ける。いちいち待ちが多いので緊張感が嫌でも高まる。
手術室に入ると医療系ドキュメンタリーで見るのと同じようなきらきらした機材がいろいろあってきょろきょろみてしまう。緊張と不安とわくわくと好奇心が入り混じって妙なテンション。若くてきびきびした麻酔科の先生や看護師さん、たしか6人くらいかわるがわる名札を見せて挨拶してくれる。麻酔前の確認の質問(名前、生年月日、血液型、手術の場所)のときは、あらかじめ質問をかいたメモを見せて尋ねてくれた。
手術台の上に腰掛けて上半身はだかになってから横になる。頭の中で「うわー、自分は今まさに手術されようとしているなあ」って自分で自分を実況中継(笑「顔にテープをはってだいじょうぶか」など筆談メモを見せながら尋ねられる。メガネを外して看護師さんに渡しながら「ここ鼻あてがとれてるんです」となぜかいらない情報提供。酸素マスクをつけられて、「眠くなってきました」って、覚えているのはそこまで。
「終わりましたよ」「お部屋に戻りますよ」という声が聞こえてガラガラストレッチャーを動かしている振動を感じた。懸念していた「意識戻ったのに気管挿管の管が入ったままで苦しい」ってのは記憶になくてよかった(笑 めまいもないので、早々とおしっこの管をはずしてもらった。
目が覚めると、首筋とかこめかみとか後頭とか、あちこちぶつけたような、筋肉痛のような痛み。喉もちょっとがらがらしている(気管挿管のせい)。左耳の後ろを切られているので付近は包帯、顔にテープの痕。とはいえ、4年前の顎変形症の下顎手術のときよりはるかに楽であった。研究・教育目的で手術の様子をカメラで撮影しているので、どんなふうに手術したのか見てみたい。ダイジェスト版をDVDでくれないだろうか。
20:56、あらかじめベッドの右側に置いておいたリュックからスマホを取り出し妹にLINEで「手術終わったよー」。21:39 、Facebookに「人工内耳の手術を終えて病室に戻ってきた。・・・」と投稿してしばらくメールチェックした後そのまま寝る。