人工内耳手術日記5日目:手術後
術後1日目。真夜中に何度か目がさめたけど、痛くてor苦しくて寝られないということなくまあまあ寝られた。普段から夜中に目が覚める感じだし。全裸に手術着といういでたちから病衣に着替えた。起き上がったら頭を乗せていた部分に結構な範囲で血痕があってびびる。さらには歯磨き後に口から吐き出したら血痰がでて焦る。血痕の写真も撮ったけど自主規制。
若い主治医のB先生に傷口の手当をしてもらう。包帯はずしたら髪の毛が血やら薬やら?いろいろとこびりついていて、それを剥がすほうが痛い。本来と違うところが痛いのでなんか笑ってしまう。バリカンで髪の毛を剃って10センチくらい耳の後ろを切ってるらしいんだけど。どんなになっているのか見てみたいが自分で見られない。血痰の件、先生に聞いたら気管挿管で喉に傷ができたことによるのではと。吐血かと思ったのでほっとした。
食事はご飯がおかゆになった以外は通常に。舌の左側がうすくしびれているけど味覚に変化はなし。
それよりもなによりも、今日は朝から自分史上最強の耳鳴りに左から見舞われていた。リーンって警報的な高めの音。左の内耳いじったのだからあたりまえか・・・。うるさくてたまらないけれど、朝から大学の仕事をいろいろとかたづける。暇になると耳鳴りが気になるので注意をそらす作戦。
夕方ころ、手術をしてくれたA先生が来てくれる。耳鳴りがすごいことを言ったら首をひねっていた。手術はうまくいったそうなのだが、「えぬあーるてぃーをやったけど22きょくともはんのう悪かった」っていわれる。いきなり略語が出てなんのことやらさっぱりわからなかったので(知っていると思われているのだろうか…)、筆談してもらったら、「手術中の神経の反応の検査 NRT ⇒22極すべて反応が悪かったんです」「まだわからないです 反応悪くてもきこえよくなる方もいます」と書いてあった。
「右もこうなったら困るよね?」「右も今左のようになったら音声のコミュニケーションがほとんどできないと思います。」てなやりとりがあって、まずは左を音入れして様子を見てから右をどうするか考えることになった。
気になったのでグーグルスカラーでNRTという検査について調べると、術中のNRTの反応が低いとその後確実に予後が悪いというわけでもないようだった(1)。アブストしか読めてないけど、自分が患っているオーディトリー・ニューロパシー(AN)の患者のNRTの成績はAN以外が原因の難聴の場合より低い傾向にあるという論文(2)もあったり。これから音入れやリハビリもあるので長期戦だと思って臨んだほうがよさそう。
・・・などといろいろ調べ物をしていたら微熱が出てきたので早めに寝る。
文献
1 Miura, M., Ichimura, K., Ohno, S., Nishioka, N., & Naito, Y. (2006). Evaluation of patients with Nucleus 24 cochlear implant having no electrically evoked compound action potential in intra-operative neural response telemetry. Otology Japan, 16(5), 593-598.
2 Ji, F., Li, J. N., Liu, K., Jiao, Q. S., Sun, L., Hong, M. D., ... & Yang, S. M. (2014). NRT test in auditory neuropathy patients with cochlear implants. Acta oto-laryngologica, 134(9), 930-942.