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【連載小説】ライトブルー・バード<13>sideリュウヘイ④
前回までのお話です↓
そして登場人物の紹介はコチラ↓
星名リュウヘイ(17) 主人公。勉強は出来ないおバカだが、優しい性格の真面目男子。同級生で同じバイト先の今泉マナカに片思い中
今泉マナカ(17) リュウヘイと同じ学校に通う容姿端麗な女子高生。バイト先の元先輩である荒川ヒロキ(21)を今でも想っている
白井ケイイチ(21) 元サラリーマンで夢を叶える為に大学受験を決意した青年。勉強の傍ら、学費を稼ぐ為にリュウヘイと同じ店でバイトを始める。
小暮サヨコ(?) 3人がバイトするファストフード店のチーフマネージャー。仕事はバリバリこなすが、リュウヘイのような『イキのいい』男子をイジるのもライフワーク。
金曜日の夕方、元気な足音と共にスタッフルームへとやってくるバイト生は、高確率で星名リュウヘイだ。
「オハヨーゴザイマス!! 今週も無事に学校が終わったぁぁ!!」
満面の笑みで扉を開けるリュウヘイ。
「オッス、リュウヘイ」
「あ、リュウくんおはよう」
スタッフルームの中にはマネージャーの小暮サヨコと休憩中でありながら参考書片手に勉強をしている白井ケイイチの2人がいた。
今日はリュウヘイを含むこの3人で怒涛のクロージングを行う予定。閉店間際にやってくる駆け込み客は案外多いので、接客と並行させるこの作業は結構ハードだ。
「お前は元気が有り余ってんなー。こっちは今の時点でヘトヘトだから羨ましいよ」
サヨコは栄養ドリンクを飲み干し、空の瓶をちょこんとデスクに乗せる。
「えー? 俺もヘトヘトですよ。だって今日の6校時は体育でマラソンだったんだから…」
リュウヘイはコートとブレザーを脱いで、共同ロッカーのハンガーにかける。そして…
「…ま、俺の場合、若さでカバーできますけまどね」
と、サヨコに向かって二カっと笑った。
「ほーーーおっ!! じゃあリュウヘイ、お前の若さがどこまで通用するのか、今日のクロージングで見せて貰おうじゃないの。ケイイチの担当予定だったシンク、グリルクロージングと同時進行で頼むわー」
「サヨコさん、冗談だからっ!!」
リュウヘイは逃げるように更衣室へ入りこんだ。
(いっけねぇ! 俺、ちょっと浮かれ過ぎた)
リュウヘイがいつもにも増して上機嫌なのには理由がある。
(今泉さん、まだかな?)
今日は片思いの相手である今泉マナカもインの予定だ。クローズの時間前にはアップしてしまうけれど、3時間だけでも彼女と一緒に働けるのはかなり嬉しい。
「おはようございます。あ、サヨコさんに白井さん、お疲れ様です」
そんなことを考えている側から、マナカの声が聞こえてきたので、着替え中のリュウヘイは思わず深呼吸をしてしまう。そして全身鏡に映った自分の姿が目に入った時、体育の時間の後で結構な汗をかいたことを思い出した。
(う~ん、気分的にイヤかも。新しいのに替えるか)
結局はマナカを意識してのことだが、そう思うやいなやTシャツを脱いだリュウヘイ。
しかしその直後…
ガチャリと音がした瞬間、更衣室の鏡にマナカが映りこんできた。
「えっ?」
「えっ?」
トランクス一丁のリュウヘイとマナカの声が重なる。
(やべぇ!! 俺、更衣室の鍵かけるの忘れてたぁぁっ!!)
時…既に遅し。スタッフルームはマナカの「キャーー!!」という声でいっぱいになってしまった。
「…あ、あのぉ…見られたのは…俺」
☆
「ごめんなさい、ごめんなさい、星名くん本当にごめんなさい!!」
マナカは真っ赤になってリュウヘイに謝る。
「マナカぁ、謝らなくていいぞ。悪いのは鍵をかけなかったリュウヘイなんだから…。それにしてもビックリしたなー、マナカ。おぉヨシヨシ…」
サヨコはマナカの頭を撫でながらリュウヘイを白い目で見る。
「あのぉ…見られたのは…俺」
「全く…リュウヘイ気をつけろよ。相手は年頃の女の子なんだから…」
「だから…見られたのは…俺ね」
「分かっているわっ!! そんなこと。これが男女逆ならリュウヘイ…今日がお前の命日だよ!!」
「………」
サヨコが言うと何故かシャレにならない。
「でもさぁ…マナカ、こんな小学6年生みたいな顔した男子のハダカみて真っ赤になるなんて、本当にお前は可愛いなぁ…」
「サヨコさん、誰が小学6年生だって!?」
ムッとしたリュウヘイの二の腕をサヨコは「まあまあ…」と言いながらギュっと掴む。
「どうせ貧弱なカラダしてんでしょ?……って…あれ? やだぁ♥️リュウヘイ!! お前、意外と二の腕ガッチリしてるんだね」
「ハイハイ、誉めて頂いてアリガトウゴザイマース。誰かさんが『10秒以内にポテト1箱持ってこい!!』とか無茶ぶりしているせいで、ここ最近かなり筋肉がつきましたぁ!!」
「ねぇねぇ腹筋は? もしかして6つに割れてる?」
リュウヘイのイヤミもお構い無しに、今度は彼のお腹を触るサヨコ。
「サヨコさん、それセクハラ!!」
「ねぇ、試しに思い切り『腹パンチ』してみていい?」
「それ、パワハラ!!…じゃない、ただの暴力!!」
「…に、してもリュウヘイ…何、更衣室でパンツ一丁になってんの? まさか全身鏡使って自分の肉体美に見とれてたぁwww?」
「6校時にマラソンしたって言ったでしょ!? Tシャツ替えていただけですぅ!! 全く…身だしなみに気を使って何が悪いんですか!?」
「あの…お2人さん」
ケイイチが2人の間に割って入る。
「エキサイトしているところで悪いんですが、これ以上この話題を続けていると、今泉さんが気の毒ですから…」
リュウヘイとサヨコはハッとして視線をマナカに向けた。彼女はさっきよりも真っ赤な顔をしてオロオロしている。
(こんな今泉さん見たの初めてかも…)
リュウヘイの顔が思いきり引きつった。
☆
その日のマナカの仕事ぶりは『まさか』の連続だった。取り揃えを間違えて商品を違うお客様に渡しそうになったり、注文時にポテトのLとMを聞き違えたり…。
普段のマナカの動きを『精密機械レベルの判断力』と評価しているサヨコが「ありゃりゃ…マナカの精度が狂っちまった」と苦笑いをしてしまうほどだ。
(えっ?…俺のせい?)
そんなリュウヘイもミスを連発してしまい、ベテランパートの『クマさん』こと熊田に大目玉を喰らってしまった。もっとも彼に関して言えば、それが通常モードなのだが…。
(あー、そういえば…)
リュウヘイはふと昔のことを思い出す。
実は以前にも似たようなハプニングはあった。去年の夏休み、パンツ一丁で縁側に座り、アイスを食べていたら、回覧板を抱えた幼なじみのカエデが庭に入ってきて、その姿をバッチリと見られてしまったことがある。
「リュウヘイのバカ!! ヘンタイ!! 何て格好してんのよ!!」
あの時、カエデは真っ赤になって怒っていた。「自分の家でどんな格好しようが勝手だろっ!」とは言い返したが、今更ながら『ヘンタイ!』という言葉がリュウヘイに重くのしかかる…。
あんなに楽しみにしていた今日のバイトが、大変なことになってしまった。そして何よりも悲しかったのは、マナカが自分と目を合わせてくれないことだ。
2人は最近、かなり距離が近づき、目が合うとアイコンタクトでお互いの仕事を労う仲になってきた。
それなのに…
(帰りたい…)
そして 19時… マナカのアップする時間がやってきた。
「…い、今泉さん、お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
彼女は最後まで目を合わせてくれなかった。
(俺…泣いていい?)
☆
残った気力でクローズ作業を終えたリュウヘイはケイイチと共に店を出た。
「ねぇ、ケイイチさん」
「んっ?」
「春になって暖かくなるとさ、裸でコートだけ着て、女の子が来ると『ベローン』って見せるヤツがいるでしょ? 今泉さんにとって、今の俺はそうゆうヘンタイと同類なのかな?」
リュウヘイの言葉にケイイチは思い切り吹き出す。
「あー、ケイイチさんひどい!! 俺、真面目に悩んでいるのにっ!!」
リュウヘイは口を尖らせた。
「ごめん、ごめんリュウくん。リュウくんも今泉さんも…何か『可愛いなー』って思っちゃって…。まあ、好きな子によそよそしい態度取られて凹んじゃうのは分かるけど、明日になれば大丈夫じゃないかな?」
「う~ん、そうだといいけど…って…ケイイチさん、今何て言った!?」
「『明日になれば大丈夫』って」
「違う!! その前」
「『好きな子によそよそしい態度…』のこと?」
「ケイイチさんっ!! どうして俺が今泉さんのこと好きなの知っているの!? もしかしてサヨコさんがバラしたぁ!?」
「…いや、今日のリュウくんの様子見れば、言われなくても分かるよね?」
「…………」
再起不能一歩手前のリュウヘイ。ショックの余り開きっぱなしになってしまった口からは魂が飛びだしてきそうだ。
「まあまあ…分かっているのは僕とサヨコさんだけだと思うよ」
ケイイチはリュウヘイの頭を優しくポンと叩く。
「…ならいいけど」
「ほらリュウくん、元気出して。何か温かいものでも飲もうよ。そこの自販機で何か奢るからさ。リュウくんの好きなココアもあるよ」
「うん」
(ケイイチさんってカッコいいな)
リュウヘイは缶コーヒーを飲んでいるケイイチをまじまじと見つめた。4年早く生まれた彼が物凄く大人に見える。まあ、頭の良さや物腰の柔らかさが、ケイイチをよりカッコいい大人に見せているのだろうけど…。
(俺も4年経ったら、あんな風になれるのかな?)
ケイイチは21歳。マナカが恋しているであろう『荒川さん』と同じ年だ。写真すら見たことはないが、きっと彼もケイイチのような『カッコいい大人』に違いない…。
「…どうしたの? リュウくん」
「な、何でもありません!!あ、ココアいただきまーす!」
リュウヘイは慌ててココアに口をつける。その時、自分のスマホからLINEの通知音が聞こえた。
「サヨコさんからだ。何だろ?…ん?明日…」
☆
そして翌日…
この日はマナカが9時、リュウヘイが10時からインする予定だ。
「サヨコさん、おはようございます」
「おはよう。マナカ」
スタッフルームにはデスクワーク中のサヨコがいた。マナカは靴を脱ぐとサヨコに近づいて、頭を下げる。
「…昨日は…お騒がせしました」
「ん?」
「星名くんのこと…」
「あはは…個人的には面白かったけどな。レアなマナカが見られたワケだし…」
「あ、本当にすいません」
「いいっていいって。…で、マナカはどうしてあんなに動揺しちゃったの? リュウヘイのカラダ見て、ドキドキしちゃった?」
「…えっ…えっと」
マナカは最初はモジモジしていたが、「はい」と頷いた。
「ほーーぉ!!」
「…そのぉ、星名くんって顔が可愛いし、『マモル』に似ているから、弟に近い気持ちで一緒に仕事していたつもりだったんですけど、やっぱり彼は『高校生男子』なんだなーって…」
「うんうん」
「…でもサヨコさん…実は私、一週間くらい前なんですけど、仲のいい男友達にもドキドキしちゃったんです…荒川さんのことが今でも好きなのにおかしいですよね? 私ってこんなに軽い女なんだなーって…もう自己嫌悪です」
サヨコは吹き出しそうになるのを我慢して、マナカの肩に手を置いた。
「いいじゃんマナカ。今のうちにもっとドキドキしろよ。高校生なのに勿体無い。ワタシぐらいの年になると違う理由でドキドキしっぱなしだぞ。今月の売り上げとか…」
今度はマナカが吹き出しそうになる。そして「星名くんに悪いことしちゃったな」…と呟いた。
「大丈夫! リュウヘイは良くも悪くもバカだから、普段通りにしてればアイツは何事もなかったような顔をするハズだよ」
「…はい」
「じゃぁマナカ、15分早いけど着替えが終わり次第インしてくれないかな? カウンターのストローやシュガーの補充がまだ出来ていないハズだから…」
「はい。ではお願いします!」
そしてマナカは笑顔でスタッフルームを後にした。一人残ったサヨコは「さーてーと…」と呟き、すぐ横にある資材置き場の棚へと向かう。
「リュウヘイくーーーん!! 話は聞こえたかなぁ?」
そこには体育座りをしたリュウヘイがいた。棚にはぎっしりと資材が詰め込まれているので、丁度良く隠れることができる。
「…はい」
リュウヘイの顔は真っ赤だ。
昨日の夜、リュウヘイは『何も言わずに1時間半早く店に来い』とLINEを受け取った。そして店に着くやいなや、ここに引きずり込まれた…というワケだ。
「良かったねぇ、マナカに男として意識されちゃって…もぉサヨコ嬉しい♥️」
「…サヨコさん」
「ん?」
「今日は…俺の方が…今泉さんの顔を見られないかもしれない」
体育座りのままでうつ向くリュウヘイの頭を、サヨコはバインダーで叩いた。
「そこは男のオマエがしっかりしろよ!!…あ、そうだ! リュウヘイ。早く出勤したご褒美にこれあげる♥️」
サヨコは一通の封筒をリュウヘイに手渡した。
☆
あと5分で10時だ。
エプロンをつけ帽子をかぶったリュウヘイは気合いを入れて店の中へ…。
打刻はレジで行うので、どうしてもマナカの近くに行かなければならない。リュウヘイはドキドキしながらカウンターへと近づいた。
(平常心、平常心…)
「い、今泉さんおはよう」
(平常心、平常心…)
打刻をしながら、横に立っているマナカに視線を送る。彼女はリュウヘイの目をしっかりと見て、にっこりと笑った。
「おはよう星名くん」
(や、やったぁぁぁ!!)
☆
土曜日のファストフード店は忙しく、あっという間にアップの16時が来てしまった。
マナカも同じ16時アップなのだが、レジが途切れず、なかなか終わることが出来ない。一足先にスタッフルームへ戻ってきたリュウヘイはサヨコから貰った封筒を握りしめてマナカを待っていた。
ふと、マナカとサヨコの朝のやり取りを思い出す。
ちょっとでも自分を男として意識してくれたのは嬉しいが、やはりマナカの好きな男性は『荒川さん』だった。
(ま、仕方ないけど…)
そして『男友達にドキドキした』とも言っていたが、もしかして井原サトシなのだろうか…。
(あ、こっちは何か複雑…)
「星名くん?」
「ぎゃっ!!」
マナカの不意討ち(?)に思わず声を上げてしまったリュウヘイ。考え事に没頭しすぎて、彼女がスタッフルームに入ったことに気がつかなかった。
「お疲れ様。今日も忙しかったね」
「う、うん。疲れたね」
マナカは帽子を取り、お団子にまとめていた髪からヘアゴムを外した。キレイなロングヘアがリュウヘイの目の前でサラサラと流れる。
リュウヘイの心臓がドクドクと波打つ。
(落ち着け、俺!!)
「星名くん、どうしたの?」
「な、何でもない…いや、何でも…あった」
「?」
「今泉さん、この後時間ある? 実はサヨコさんからカフェの半額券貰ってさ、期限が明日までなんだ。あ、用事があれば別に無理しなくていいんだけど…」
一気にまくし立てるように話すリュウヘイに目を丸くしたマナカだったが、すぐにクスクスと笑った。
「うん、いいよ。行こう」
「へっ?…いいの?」
嬉しくて心の中でガッツポーズをしたものの、(こんなに上手くいっちゃって、俺、明日死なないよね?)と同時に思ってしまったリュウヘイだった。
☆
「へー、この店だったんだ」
半額券で店名を見た時は気がつかなかったが、この店はリュウヘイが以前利用したカフェだった。
(『お姉さん』…元気かな?)
そう…リュウヘイはここで『キレイなお姉さん』こと真柴ヒデミからイヤリングを拾ったお礼に、パフェをご馳走してもらった。
そして別れ際にぎゅっとハグを…。
「星名くん?」
「あ、いやいや何でもない! このお店、フルーツパフェがめちゃくちゃ評判いいらしいよ!!」
「そうなんだ? そう言えば星名くんって、かなりの甘党なんだよね? 井原くんが言ってたよ。『アイツは缶のココアにスティックシュガー入れたことある』…って」
(サトシの野郎!!…まあ、事実だけど…)
初めてマナカの接客を受けた時、カッコつけてブラックコーヒーを頼んだことを思い出す。何だか恥ずかしい…。
( うん、今日は好きなものを食べるぞ。せっかく好きな子と一緒に来たんだし…)
リュウヘイにとってマナカは『高嶺の花』だ。サヨコの応援は嬉しいが、自分が彼女と付き合えるなんて思っていない。こうやって2人でカフェに行けるのだって最初で最後かもしれないんだから…。
「へへへ…じゃ俺はフルーツパフェに決定!」
「私も」
☆
テーブルの上には2つのフルーツパフェが並んだ。
「美味し~い」
2人は幸せな顔をする。
「星名くん、頬っぺたに生クリーム付いてるよ」
「へっ? ありがとう。ここかな?」
紙ナフキンを顔に当てるが、まだ白いクリームが少し残っている。
「ここだよ」
そう言いながら、マナカはナフキンでリュウヘイの顔をちょんちょんと拭いた。
「えっ?」
「えっ?」
マナカの動きがあまりにも自然だったので、数秒ほど気がつかなかったが、よくよく考えれば大胆な行動だ。我に返った2人が真っ赤になったのは当然の流れ…ということで。
「ご、ご、ごめんなさい星名くん。余計なことして」
「い、い、い、いや、いいよ」
冗談抜きで昇天しそうだ。
(俺…明日どころか数時間後に死ぬんじゃね?)
「星名くんって『マモル』に似ているから…つい…」
(『マモル』? あ、そういや朝も言ってたっけ? 親戚の子かな?)
「今泉さん、『マモルくん』って誰なの…?」
リュウヘイの質問にマナカは「しまった」という表情をした。
「星名くん…気を悪くしない?」
「あぁ、大丈夫。俺、こんな顔だし」
(まあ、今泉さんの態度からすると、小学生男子あたりだろうな。いや、まさかの幼稚園児?)
マナカはスマホを取り出すと、待ち受け画面をリュウヘイの顔に近づけた。そこにいたのは一匹のチワワ…。
(えっ? 犬っ!?)
「この子が『マモル』。可愛いでしょ!? どんなに疲れてイヤなことがあってもマモルの顔を見れば元気が出るんだ。私の大事な宝物なの…あ、ごめん。やっぱり引いたよね?」
「う、ううん…、全然大丈夫。わー、マモルくん可愛いなー」
(サヨコさ~ん、俺、まだまだ男として意識されてねーよー)
顔で笑って心で泣いて…。しかしこの後も『マモル』のことを嬉しそうに話すマナカを見て、今日の今泉さんは一段と可愛いな♥️…と思ってしまったリュウヘイだった。
(ま、いいか…)
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珍しく『あとがき』です。実は着替え中でありながら、更衣室の扉を開けてしまったのは私です💦 1回目は男子高校生。2回目は女子高校生(オイオイ2回もかよ) 皆さま、更衣室に入る時は『うっかり開閉』にくれぐれもお気をつけて。
…と、いうことで↓<14>↓に続きます。