自分の強みを引き出す「50のルール」
想像してみてください。
ふだんから目にかけている後輩から「いま、仕事で悩んでるんです」という相談を受けたとします。
そのとき、あなたはどういうアドバイスを送りますか?また、どんな本をすすめますか?
世の中に悩みを解決してくれる名著は数多くありますよね。
例えば、私が以前からおすすめしているのは、「人を動かす」や「嫌われる勇気」、「ほめるのをやめよう」、「そうか、君は課長になったのか。」などでした。
この中に、もう1冊加えたい本を見つけました。
「リクルートに会社を売った男が教える仕事で伸びる50のルール」です。
昨年の #ツイッターラボ大阪 というイベントで講演をお聴きして感銘を受けた、松本淳さん(https://note.com/jn_matsumoto)の新刊です。
先週の週刊カツオでもご紹介しましたが、松本さんのnoteでまえがきが全文公開されています。
世の中に仕事術やビジネスマインド、コミュニケーションスキルに関する本はたくさんありますが、これだけ「すっ」と入ってくる本は珍しく、仕事の行き帰りの電車内で読了しました。
この本で説かれている「アウトプット・ファーストの重要性」を実践するため、50のルールを学んで私が感じたことをアウトプットしたいと思います。
一言で言えばどんな本?:仕事で迷ったり、壁にぶつかったときに繰り返し読む「50のルール」
まず、「リクルートに会社を売った男」というタイトルから、「自分とは違う世界の人だ」と思ってしまう必要はありません。
下記の「4つの力」をどのように高めれば良いか、読んだ次の日から実践できる方法と、押さえるべきポイントが、あたかも先輩から後輩に語るような親身さで合計50のルールが解説されています。
第1章 圧倒的な仕事力を育てるための14のルール
第2章.困難にめげないメンタルを育てるための12のルール
第3章.良質な人間関係力を育てるための13のルール
第4章.未来への想像力を育てるための11のルール
仕事で迷ったり、壁にぶつかったときにページをめくると、各章に育てる能力別に設けられた50のルールのアドバイスから、ヒントや激励をもらえるのではないかと思います。
「第1章 圧倒的な仕事力を育てるための14のルール」では、アフターコロナ時代に求められる能力に始まり、アウトプット・ファースト、やってみることの大切さなど、あたり前のことをやり切る尊さなど、小さな成果を皮切りに、大きな成果へとつなげることで、仕事力を育み、本質を見抜く力を伸ばす14のルールが解説されています。
「第2章.困難にめげないメンタルを育てるための12のルール」では、自分自身とどのように向き合えば良いのか、困難に直面したときや、気持ちの浮き沈みをどのように捉えればレジリエンスを高めることができるのかという、個としてのメンタルを守り育てる方法が学べます。
「第3章.良質な人間関係力を育てるための13のルール」では、第2章までに高めた個の能力をチームの力として生かすための話し方、伝え方、ふるまい方について、組織やコミュニティ、SNSでの人間関係を向上させる指針が示されています。
終章である「第4章.未来への想像力を育てるための11のルール」では、大人としての生きる姿勢、自分のなりたい姿の描き方、目標の立て方、チャンスのつくり出し方などに加え、「一体、何のために自分は仕事をしているのか」という冒頭の「まえがき」にある問いについて、未来をイメージするワークで締めくくられています。
「50のルール」の読後まとめ
この本は、著者の松本さんが「まえがき」で「本書は、読者の皆さんに対し、1対1のメンタリングセッションをする気持ちで書いた」と書かれているように、全体を通じて考え方やメンタルについて、メンターとしてのアドバイスが多くのページを占めています。
考え方やメンタルについての内容が濃いというと、精神論が多いのではないか思われる方も多いと思いますが、具体的な考え方のアプローチや、仕事との距離の取り方、休み方などについても言及されているなど、著者の松本さんが実際のセッションを行う中で抽出された実践的な内容であり、客観的に見て、地に足のついたアドバイスという印象です。さらに、各ルールのまとめとしてワークで振り返り、深めることができるようになっています。
また、第1章の仕事力、第2章のメンタルという土台の上に、第3章の人間関係と第4章の創造力という、仕事や人生において希望と展望をもたらし、自分の強みを引き出せる行動と考え方の習慣を学ぶことができる構成になっています。
今日までの仕事人生において、たとえ経験不足であっても、あるいは上手くいかない過去があっても、明日からは自分の力を生かせそうな希望の持ち方を先輩が教えてくれるような一冊です。
これからも手元に置いて、仕事人生の軌道修正や、壁を乗り越えるヒントを得に、折にふれてページをめくりたいと思います。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。