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これ観ました!芝居見物レポート 四月@明治座

通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)

壽祝桜四月大歌舞伎 夜の部

観劇日 2023年4月22日@明治座
仇討ちもの 😊四世南北らしいドロドロ、悪人二役演じ分けの妙

明治座創業百五十周年記念と銘打った興行です。

鑑賞直後の筆者ツイッターには「最後が思いがけない展開。幸四郎さんの悪役、歌昇さんの健気な立役、何となく先代芝翫さんを感じさせる孝太郎さんの悪婆と深みのある演技。舞台美術のシックな色合いも品があってよかった。特に大詰め」とあり。

最近悪役が印象に残る幸四郎が、悪人二役を勤めています。片や二本差しのいわゆる実悪の大学之助、もう一方はごろつきの太平次。太平次は、簡単に人を殺してしまうけれどそれが人となりに影を落とすわけでもなく、とらえどころのない難しい役ですが、印象的に演じていました。

2018年には仁左衛門が二役を一世一代で勤めています。当時の筆者ツイッターには「仁左衛門さんの太平次は、大悪になれない色悪でもない、なんともいえない小悪党ぶりがたまらないです」とあるので、あくまで個人的意見ですが、典型的な敵役の大学之助よりも太平次が肝なのかもしれません。

記念公演の通し狂言ということで、ほかの配役も又五郎、芝翫、高麗蔵、若手の歌昇、廣太郎といった実力派から、伸び盛りの千之助、歌之助など華やかな顔ぶれ。孝太郎の悪婆は当然見応えがありましたが、種之助の女形も口跡がよく光っていました。

2018年も今回も美術は前田剛さん。実はこのところ幸四郎が座頭の舞台はいずれもどこか色使いがシックな気がしており、今回特に印象に残ったのは何か幸四郎の意向が反映されているのか、違いはなく単なる気のせいなのか、いつか答えがわかるといいなと思います。(2023年7月4日)

©Katsuma Kineya

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