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ネコばあちゃん3



前回のネコばあちゃんは!

さてさて、いじめっ子のリーダー、フトシくんの事を知ろうと、一日中、学校でフトシくんを観察し、学校帰りにも、こっそりついていったワタル。そして、とある教会へと導かれ〜、変な人達に連れ去られちゃった!ネコばあちゃん、ワタルのピンチにあたふたと!これから先、どうなるの〜!?


【愛と命】

~教会の中~

教会へと連れ去られたワタル!目の前には、真っ白な服に身を包まれた女性が!そして、その横には、フトシくんが!?

フトシ『わっ!、ワタル!なんでここにっ!?』

ワタル『フトシくん!そ、それは、ちょっと、あのー、』

と、もじもじしていると、

フトシ『そうか!お前も、入りたいのか!』

ワタル『えっ?入る?』

フトシ『そうさ!我らが母様!白い運命の秘密結社、ホワイトデステニーに!』

ワタル『ダサっ(ぼそっ)』

フトシ『そうか!そうか!母様っ!この者も、我らホワイトデステニーに入りたいと言っております。』

ワタル『いや、あの、その、ぼくは、』

フトシ『なんだ、ワタル!嘘つきか?またいじめられたいか?』

ワタル『いや、あ、はい、入ります。』

フトシ『よーし!では、我らと同じように、祈るのだー!!』

と、ワタル、フトシくん達と同じように、祈りはじめました。窓からこっそり見ていた、ネコばあちゃん!

ネコばあちゃん『あらら、ワタル、すっかり仲間入り。ほんとにもう!』

と、よく見ると、入口のドアにネコ一匹入れそうな隙間が!

ネコばあちゃん『チャンス!!』

と、するりと中へ入っていきました!

ネコばあちゃん『入ったがいいが、どうしようかね〜?とりあえず、鳴いてみましょうか!』

と、ネコばあちゃん、『にゃ〜お』と可愛らしく鳴いてみました!
すると、

白い服の女性が、突然!
『ギャー』と、叫び倒れました!

ネコばあちゃん『あらやだ、わたし、鳴いただけよ!』

あわてる大人達!!
『母様!母様!』教会の中はドタバタです。

その時、
フトシくんが『今だ!』と、ワタルの手をとり、外へと走り出しました!あわてて、ネコばあちゃんも二人に着いて行きました!


~ある河原~


フトシ『はぁ、はぁ、ここまで来れば、はぁ、だ、大丈夫だな。』

ワタル『おえー、い、いきなり走ったから気持ち悪くなった』

と、真っ青なワタルです。

ネコばあちゃん『なんと情けない、ワタル!しっかりしなさい。』

と、影から見守っています。

フトシ『なんで、あんなところにワタルがいるんだ!』

ワタル『そ、それは!、あ、あの、か、観察してて、』

フトシ『観察?なにを、』

ワタル『キミを』

フトシ『ふ、ふざけるな!!』

ワタル『ご、ごめん!』

と、フトシくん、顔を真っ赤にしてワタルに近づき、

フトシ『たのむ!!』

と、いきなり土下座しました!
あまりの事にとまどうワタルです。

ワタル『え、えー!ど、どゆことー!!』

フトシ『何も見なかったことにしてほしい。なんでも言う事聞くから!』

ワタル『え、ほんとに!?うーん、じゃーかわりに友達になってよ!』

ネコばあちゃん『おっ!ワタル、ナイス!さすがばあちゃんの孫♡』

フトシ『へ?そ、そんなこと、い、いいよ。』

ワタル『やったー!!実は前からキミに憧れていたんだ。強いし、みんなに人気あるし!』

フトシ『人気なんてない、ほんとのオレを知ればみんな離れてくさ。』

ワタル『どうして?』
フトシ『そ、それは、おれは、みんなと違うから。』

ワタル『一緒じゃん、どうみても一緒じゃん!』

フトシ『えっ!?なんだよ、なんか調子くるう。おまえ、なんなんだよー。お、おれには、お前らみたいに、父さんも母さんもいない、今よりもっと小さい頃、おれを置いて出ていった。』

ワタル『えっ!じゃ、あの白い服の母様は?』

フトシ『あれは、親戚のおばさんだよ。いい子にしとけば、なんでも言う事聞いてくれる。だから、あんな変な大人達と変なお祈りもやっているんだ。ほんとはやりたくない。あんな奴ら、みんな死んじゃえばいいのに。』

ワタル『そんな、だめだよ、死んじゃえとか!そ、それに、やりたくないならやらないでも、』

フトシ『ワタルに何がわかる!父さん母さんに捨てられ、独りぼっちで!ほんとは、おれが、おれが、消えて無くなりたかった!』

その時!!

ネコばあちゃん『この大バカもの!!』

と、我慢できず出てきちゃいました!

ワタル『ちょ!ばあちゃん!』

フトシ『ネコ、しゃべった!?
わ、わ、わ、どうなって?』

ワタル『えー、紹介します、ぼくのばあちゃんでーす!』ジャンジャジャーン!

フトシ『いや、ジャンジャジャーンみたいな紹介されても!いいいったいどうなってんだよ!どこかに電池が?』

と、フトシくん、ネコばあちゃんの体をさわりまくりました!

ネコばあちゃん『セクハーラ!』
ワタル『セクハラね!』

びっくりな、フトシくんにワタルは、これまでの事をフトシくんに説明しました。

フトシ『お、おれは信じるぜ、こ、怖くないよ。』

と、膝がぷるぷるしているのを見て、

ワタル『うん、ありがとう、嬉しいよ。』
と、優しく言いました。

ネコばあちゃん『それにしても、小学校生にして、つらい経験はあれど!死んじゃえやら、消えたい?簡単に死という言葉を使うもんじゃない!!!』

ばぁちゃんの、『死』という言葉の響に、2人は魔法にかかったように、心がドキっとなりました。

ネコばあちゃん『フフん、さて、ばぁちゃんからクイズです。昔も今も、ずっと続いているものってなーんじゃ?』

フトシ『あ!食欲!!腹減った〜。』

ネコばあちゃん、そんなフトシくんの頭に猫パンチ!!

ワタル『わ、わかった!道!(ちょっとしゃくれ)この道を行けばなんたらかんたら!』

ネコばあちゃん、ワタルにも猫パンチ!!

ネコばあちゃん『、、、「戦争」じゃよ。』

ワタル、フトシ『えっ!』

フトシ『うっそだ〜!昔は知ってるよ!けど、今なんて戦争なんかないや!平和平和!』

ワタル『そうだよ、ばあちゃん何言ってるの?』

ネコばあちゃん『おバカちーん!!!』
猫パンチ!!パンチ!!

二人『イッターイ!!』

ネコばあちゃん『この世界には、まだまだ戦争がある、たくさん、あんたらみたいな、小さな命が沢山なくなっている。今、この時にもね!!いいかい、二人とも、もっともっと広くこの世界を知りなさい、もっともっと深く人を知りなさい。』

ワタル『けど、ばあちゃん、僕たちまだ小学生、難しくてよくわからないよ。』

フトシ『そうだ!おれたちは!おれたちだ!知るもんか!』

と、猫パンチが来ると思った二人ですが、
ネコばあちゃん、悲しそうに空を見つめながら言いました。

ネコばあちゃん『ばあちゃんには、あんた達ぐらいの子供達が沢山いたの。』

ワタル『そう言えば、ばあちゃんは、むかし学校の先生だった。』

フトシ『えっ?』

ネコばあちゃん『みーんな、あんた達みたいに元気で良い子ばっかりでね、いつも笑顔だったわ〜。ばあちゃん、その子達に『宝物』を沢山もらったの。みんな温かな優しいものだった。この時間は永遠に続くものだと思っていた、あの「戦争」が、あるまでは。』

フトシ『え、みんなどうなっちゃったの??』

ネコばあちゃん『お星様になっちゃった。ばあちゃんは、守れなかったの。ばあちゃん、な〜んにもできなかった。守りたかった!
「戦争」は、そういうもの、良い子をみ~んな連れていってしまうわ。』

二人とも、ネコばあちゃんの過去を知り、言葉がでません。

ネコばあちゃん『さーて、ここでもう一問!ばあちゃんがその子達からもらった宝物とは、 な〜んだ?あなた達だって、貰ってるわよ。』

フトシ『わかるわけないじゃん。』
泣きそうなフトシくん。
ワタル『わかんないよー』
泣いているワタル

ネコばあちゃん『「愛」よ。あんた達には、あんた達を守ってくれる愛がある。』

フトシ『嘘だ嘘だ嘘だ!だったらなんで、だったら、だって、おれは、ひとりなんだぞ!』

ワタル『フトシくん、』

ネコばあちゃん『そうね、あんたのお父さんもお母さんも、いなくなった。けれど、おばさんがいるじゃないか?ワタルだっている。』

フトシ『な、何言ってんだ?おばさんが?ワタルが?』

すると、ネコばあちゃん、フトシくの目を真っ直ぐに見つめ、言いました。

ネコばあちゃん『いいかい、フトシ、愛はね、育む事ができる。愛は芽生えるの、生まれるの。あんたにも、誰にでもね。』

フトシ『嘘だ!ワタルもみんな、みんな嘘なんだー。』

と、走り出し居なくなりました。

ワタル『あ、フトシくん!!、ねぇばあちゃん、どういう事!?フトシくん、行っちゃったよ!大丈夫かな?』

ネコばあちゃん『あの子は、とっても強い子、心がね。だから、大丈夫、きっと見つけ育てる事ができる。けれど、後はあの、おばさんね!うんうん、ばあちゃんにお任せあれ!』

ワタル『愛、』

ネコばあちゃん『さあ、ワタル今度は、あんたも出番よ!大切なお友達の心をあんたの愛で救ってあげなさい!』

ワタル『ぼ!ぼくが!うそだー 』

ネコばあちゃん『ほーんとよ!ばあちゃんはいつも本気!本気と書いてマジよ!』

ワタル『まじだ〜!!!』


さーて、どうするワタル!友達になれたフトシくんを救う事ができるのか!?おばさんは!?
その時、ネコばあちゃんは!?
愛と勇気の第3話へ〜!


                                                                                  つづく

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