マガジンのカバー画像

僕ら

11
運営しているクリエイター

#詩

混合色彩

人は生まれてくる時、場所と時を選ぶのかな

答えがどうかは知らないけれど、
僕らは、こうして同じ時を生きている

どうしてこの時を選んだのだろうと考えてみても、眠くなるだけ

それでも、僕らは、たしかに
命のタスキを受け取った走者

意味とか目的とか
大それたものなんて必要かい

希望と絶望と憎しみと喜びと
混ざり合った世界を僕らは今日も走る

もしも君に出逢わなければ
今の僕はいないだろう

もっとみる

何者でもない僕らは夢を見る

何者でもない僕らは夢を見る

僕らはどこから来て

何になり、そして、

どこへ帰って行くのだろう

何者でもない僕らは夢を見る

それは

この広い宇宙の片隅で

笑い、悩み、支え合い

そして、愛を知る夢

何者でもない僕らは夢を見る

それは

この美しい惑星の片隅で

孤独と絶望に満ち

そして、全てを恨む夢

何者でもない僕らは夢を見る

それは、無限の中の一瞬

それは、幸福の中の不安

もっとみる
空は、いつも

空は、いつも

東京のサラリーマンが、
ビルの隙間から眺めた空の向こうには

クブチ砂漠の植林隊がいて

ストックホルムの車掌が、
窓から見つめる空の向こうで

グァナファトの坑夫が、
今日も銀を掘っている

空は、いつも

僕らを包んでいて

空は、いつも

僕らをつなげている

サラリーマンが眺めた空が

植林隊の上に広がり

車掌が見つめた空から

坑夫の歓声が聞こえる

空は、いつも

僕らを包んで

もっとみる

あの頃

それぞれ、星を見上げてた

あの頃の通学路の上

目に映るのは、遠い日の景色

ここで、笑い合った

ここで、語り合った

過ぎてきた僕等のカケラは

夜空の星となる

夜風は優しく僕等を包み

あの頃へ運んでくれる

たしかに、僕等が過ごした

あの頃へ

あの頃の僕等が夢見たものは

どんな世界だったろう

もっと素晴らしい世界だったかな

思い描いた夢の世界と違っていても

ぼくは、今を幸せ

もっとみる