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鹿児島旅行の最初の印象は植物

鹿児島旅行に行ってきた。
南九州初体験だ。

飛行機が鹿児島空港に着陸するために、高度を落とす。
雲間を抜けて、鹿児島の山地が見える。
山々が、真冬にも関わらず濃厚な緑色をしていた。
衝撃的だ。

私は関東に住んでいる。
関東の野山は、冬には茶色になる。
草は枯れ、木々は葉を落とす。
冬というのはそういう季節だと思っていた。

ところが鹿児島においては、冬でも草が生い茂っている。
木々はのほほんと葉をつけっぱなしにしている。
九州はやべえ、何がってまず植物がやべえ。
私は植物の生命力に驚愕したのだった。

鹿児島市を見物する。
ちょっと市域を離れるとシダが青々と繁茂している。
擁壁は信じがたいほど分厚い苔で覆われている。
というか街中もちょっとざらついたテクスチャーの箇所は余すことなく苔が密生しているのだった。

これはもはや植物の侵略ではないか。
ブライアン・オールディスの「地球の長い午後」は鹿児島の未来を描いていたのかもしれない。
鹿児島は恐るべき街、植物旺盛シティだった。

私の地元だと、3月から5月にかけて、植物が芽吹き、山が新緑に覆われる。
新緑を見ると私は元気になる。

しかし鹿児島では年中植物が生命力を発揮している。
いつでも美しく若々しい植物が視界に入ってくる。
人々はそれを見て常にハツラツと活動できるのではないか。

明治維新が南から発したのもうなずける。
鹿児島だけではないだろうが、あっちの人の精神は常に植物に励まされているのだ。

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