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"論破王"の質問について考える、学ぶ

「相手の本性が丸裸になる質問」ベスト1
こんな見出しの記事を見つけた。


「休日の日に何をしていますか?」

この質問が、ひろゆきさんが面接時に必ず聞く質問らしい。

この質問をする理由は「価値観が出る」「現在進行形はウソがつけない」ということらしい。

なるほど。と思う。

採用担当や面接官の経験がある人なら誰しも、候補者の本音を知りたい感じたことがあるだろう。同時に、候補者がウソ・・・とは言わないまでも、過度な誇張がないかを適切に見極めたいと思いながら面接をしている。

採用は大きな投資だから、投資に値する人財かどうかを
慎重に見極めたいというのは、企業側からすると至極妥当な姿勢だろう。


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さて、
ひろゆきさんが面接で問う「休みの日に何をしていますか?」とい質問について、少しだけ引っかかることがある。

というか、面接の場でしたり顔で唐突にこの質問をすることには、大きなリスクが伴うことを理解しておく必要がある。

以前にもnoteでご紹介したけれど、厚生労働省が明示している採用選考のガイドラインに下記のようなものがある。
※ 一部抜粋

(2) 公正な採用選考を行うためには・・・・
ア 公正な採用選考を行うことは、家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないということです。

(3)採用選考時に配慮すべき事項
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・人生観、生活信条に関すること
・思想に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

厚生労働省HP 公正な採用選考の基本

本来、休みの日に何をして過ごそうが、個人の自由であるし、仕事の能力とは直接的には関係が無い。

従って「休みの日に何をしているか?」という質問に対する回答によって、採否判断を決定してはいけない

質問すること自体が厳密にNGというわけではないので、「選考とは一切関係がないんですけれど・・・」と断って質問したり、アイスブレイクとして聞くことは出来る。
しかし、候補者から「採否判断に影響があったのでは?」と疑問を持たれること自体がグレーだったりするので、慎重に取り扱わないといけない質問&情報だったりする。


おそらく、
論破王のひろゆきさんのことなので、彼自身が採用面接を実施する際には、様々な状況を想定し、配慮していることと推察できるけれど、ネット記事(=切り取られた情報)だけを参考に「そうか、面接では休日の過ごし方と愛読書について聞けばいいのか!」と短絡的に解釈してしまうとアブナイ


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私が採用担当をしていた頃、面接で応募理由について伺った時に、
「自分を成長させる機会を求めています」といった回答をする候補者に対して、必ずする質問が2つあった。

成長が現職では難しいと考える理由はどうしてでしょうか?
→成長する人は、けっこうどんな環境でも成長材料を見出したり、必要な行動を取っていたりする。穿った見方になるけれど、現職に対する不満を隠すための定型文句として成長という耳障りのよい言葉を使っている可能性を疑っているのです。厳しい言い方をしてしまうと、モノゴトが想定通りに進まない原因を外部(環境、周囲の人)に求めすぎる人は、成長するのに時間がかかるし、フィードバックを受け入れてもらえないことが多いので、お見送りにしていました。(これは前職のカルチャー的な要素も大きいです)
#性格悪くてスミマセン

そして「成長」を掲げる人に、
成長のために、具体的にはどんなことをしていますか?」と聞くと、
結構な割合で「読書」と返ってきます。

そのあとは、ひろゆきさんの言う通り、
「最近何か勉強になる本ありましたか?」
「1か月に何冊くらい読みますか?」
「直近で、読書からの学びを仕事に活用できた事例はありますか?」
なんて、追加で質問すると ゴニョ ゴニョ ゴニョ・・・と口ごもってしまう人もけっこういました。


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冒頭に書いた通り、採用選考の場では経験や知識など、業務遂行能力に関する内容にフォーカスし、質問することが基本になります。

もちろん人間性や、企業の体質や文化へのフィット感というのも、重要な採否判断のポイントになりますが、この点は質問の仕方や、話の運び方など、少しだけ注意が必要です。

採用担当1年目の人みたいな感想になってしまいますが、
ひろゆきさんの面接には一度同席して勉強させてもらいたいものです。
どんな質問をするのか、どのように深堀するのか、集めた情報を元にどのような判断をするのか、非常に勉強になるところがありそうです。

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