ストレス対処方 問題焦点型コーピングの落とし穴
ストレスを感じたときの対処行動には、様々な方法がある。
大きく区分すると、下記の4つくらいだろうか。
①原因を解明して、問題解決する。
②ストレス要因に対する認識を改める。
③気分転換する。
④何もしない。
この4つの中で、①の問題解決(=問題焦点型アプローチ)こそが、ベストな対処法だと思っていたが、意外な落とし穴があることに気がついた。
例えば、下記のようなアプローチが問題解決型と言える。
部屋が暑くてイライラするのであればクーラーを付けて部屋を涼しくする。(部屋が暑いという問題をクーラーによって解消する)
職場の人間関係がキツくて辛いのであれば転職する。(苦手な人たちという問題から自分を切り離すことで解消する)
要するに、ストレスの原因となっている問題に直接的にアクションを起こして、ストレス要因が発生しないように根本から解決してしまうという方法である。
私がこのアプローチが最も効果的だと考えていた理由は、根本から問題を解消出来れば、同様の問題によるストレスを感じることが無くなるし、対処行動を起こすことで、自分自身のストレス処理能力もレベルアップする。
しかしながら、
ストレスの原因は、解決できる問題だけではない。
人間関係だったり、環境だったり、現在発生している問題に対しては、何かしらのアクションを起こすことで、状況を変えることが出来る(可能性がある)
しかしながら、既に起こってしまった事実(過去)からストレス(心理的負荷)を感じている場合、過去を変えることは出来ないので、問題の解説方法は存在しない。
問題焦点型のアプローチが得意な人は、ストレス耐性の高い人だと思っていたけれど、対処できないケースがあることを認識した。
問題解決というアプローチが出来ない場合はどうすればいいか。
別のコーピング(対処行動)として、情動焦点型のアプローチが挙げられる。
例えば、
部屋が暑くてイライラする → 自分の精神を鍛えるチャンスだと捉える
人間関係が悪くて辛い → 色々な人の人間模様を観察してnoteのネタを増やせる機会だと思う
上記のように、元々は辛い、苦しいと感じストレス要因となっていた事象に対して、全く別の捉え方をすることで、心理的な負荷を軽減するというアプローチのことを、情動焦点型コーピングと言う。
解決出来ない問題(距離を取ることも出来ない問題)に対処する方法は、この情動焦点型コーピングの方が、問題焦点型コーピングの方が有効となる。
解決方法が全くない場合に、何か出来ることはないかと考え込み過ぎることは、それ自体が新たなストレッサーとなる。(解決出来ない→自分の能力が劣っていると感じる、八方塞がりのような追い込まれた気持ちになる、何か出来ることがあるはずだと焦ってしまう など)
前述の通り、現在進行中の問題に対しては、逃避も含めて何かしらのアクションを起こすことで、状況を変えることは出来る。
しかしながら、既に起こってしまった事象自体は変えることが出来ない。
ストレスの原因となっている問題の質を見つめ、何かしらのアクションを起こすことで、状況を変えられる可能性があるかどうかを判断することが重要。
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変えられることとか、変えられないこととかの話をしていると、つい思い出すのがこちら。
まとめに変えて添付しておきます。