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面接官は常日頃から人を見極めているのか。

やっと予定の無い日曜日。
朝からパンを焼いて、丁寧にコーヒーを淹れる。
それだけでちょっとだけ幸せな1日になった気がする。


さて、私はこれまで20年ちかく、採用やキャリアに携わる仕事をしている。はじめましての人に「仕事は採用(面接)です」と話すと、決まって「人のことをめっちゃ観察して見抜いてそう」といったことを言われる。

大抵の場合は「いやいや、そんなことないですよ。そんな簡単に人のことなんて見抜けないですよ」的なことをいってお茶を濁す。それは事実でもあるし、変に気を遣わないようにするためのマナーのようなものだと思っている。

本当のところ、普段から面接で人のことを見極めるような仕事をしていると、日常生活の中で、どのように人を見るようになるのか。個人的な見解をまとめてみようと思う。


まず前提として、採用面接における面接官の役割について定義しておく。
面接官の役割は、人を見極めることではない

いや、人を見極めることが必要なのだけれど、あくまで限定的な要素について である。別の言い方をすると、採否の判断に必要な要素の有無を確認する(そのために必要な情報を引き出す)ということになる。

なので、面接で対峙した相手のすべてを見極めるというよりは、ごくごく限られた部分にフォーカスを充てて、情報を集めて判断するという役割であって、人となりの全てを見極めようとすることはない(というか、面接という限られた時間の中で、人の全てを理解することなんて出来ないと思っている)

とは言っても、けっこうな数の人と対峙して「どういう人なのか?」という目線で見据えながら、話を聞いて、様子を観察しているので、なんとなくの仕草や言葉遣いから「こういう人なのでは?」と仮説を立てて、入社後に検証するということもある。ただやっぱり、立てた仮説が当たっていることもあれば、こんな意外な一面があったのか、と後から気づかされることもある。

というのが、面接官にとっての人見るときのスタンスであり、実態ということになる(あくまで私見ですが)


さて、面接から離れて普段の人付き合いの中では、どのように人を見ているのか。

もう採用の仕事に携わって20年ちかく経つので、採用や面接経験がなかった頃の"スッピン”の見方がどのようなものだったのか、思い出すことは出来ないけれど、日常的に面接するような意識で人を捉えることはほとんどない。
ただ無意識のうちに会話の矛盾や、言動(言葉と表情)の矛盾に気が付いてしまうことは多々ある。

でも、これはきっと面接官に限った話ではなくて、ある程度の人生経験を積んだ人や普段から人間観察をするのが好きな人ならば誰でも自然と行うレベルのことだと思う。

というわけで、日常的にすごく注視して観察するわけではないけれど、姿勢なんかは自然と目についてしまう。話をするときに、身体がどのような向きなのか。前のめりなのか背もたれに身体を預けているのか。腕組みしているのか足を組んでいるのか。あとは目の動きとか。

瞬間的にわかったような気がすることもあるし、回り回って結局何にも分かっていなかったというようなこともある。

面接官という仕事を長くやっている以上、他の人よりも「人を見る目があります」と自信を持って言いたいところではあるけれど、そんな単純じゃないんだよな、人間って。だからこそ人を見る仕事は深くて面白いんだよな。



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カトウシンイチロウ / 人生を開拓するキャリアパートナー
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